おおいた温泉道 吉野隆雄さん いんない余温泉
国の特別天然記念物「オオサンショウウオ」の生息地として知られている宇佐市院内町の余谷(あまりだに)地区。棚田に囲まれた山あいののどかな場所にあるのが「いんない余(あまり)温泉」(同町上余(かみあまり))だ。入り口に展示したオオサンショウウオの剥製と本物そっくりの形をした木の根が入浴客をお出迎え。地元住民はもちろん、県外からも多くの客が訪れている。
「何も手を加えていない天然温泉で、石橋や棚田など周囲には見どころがたくさん。歩いた後、温泉に入ると気持ちいいですよ」。常連客の吉野隆雄さん(67)は魅力を語る。
旧院内町営温泉として設置され、現在は、地域おこしグループ「余谷21世紀委員会」が市の指定管理で運営している。天井の高い木造の浴室は開放感にあふれ、夏場は露天風呂を楽しむことができる。泉質はナトリウム・塩化物泉。地下約800メートルからくみ上げた源泉の掛け流しだ。
「塩化ナトリウムが多く含まれているため、保温力がある。一度汗をかくと数時間は体がポカポカやね」。ねじりタオルを額に巻いて湯船に漬かると、気持ちよさそうにうなずいた。
温泉に目覚めたのは、大阪の商社に勤めていた20代のころ。週末に趣味の登山やゴルフに出掛けては、帰りに必ず温泉に立ち寄った。「体を動かした後の温泉は疲れが取れて最高。足湯だけでもいいし、熱い温泉も熱いなりに楽しんだ」
55歳で早期退職後、1年間旅をしながら全国各地の温泉を巡った。帰郷後は、九州を中心に回り、これまでに700カ所以上を訪ねた。「私にとって温泉は安らぎ。これからもできるだけたくさんの温泉を巡りたい」。温泉を愛する心は今日も“熱々”だ。
よしの・たかお 宇佐市院内町出身。県外でサラリーマン生活をし、10年前に帰郷。現在はボランティアで町内の介護施設や放課後子ども教室の手伝いをしている。
データ
正午から午後8時(夏季は午後9時)まで。宇佐市民は一般250円、小中学生100円。市外の利用者は一般300円、小中学生150円。水曜日定休。TEL0978・42・7048。