ハーモニーランド「天空のパーク構想」の全景イメージ=Ⓒ2025 SANRIO CO.,LTD.TOKYO,JAPAN 著作 株式会社サンリオ
ハローキティなどのキャラクターを国内外に展開する「サンリオ」(東京都)は、日出町藤原の屋外型テーマパーク「ハーモニーランド」のリゾート化に着手する。ランドエリアを広げてアトラクションを新増設するほか、新たに用地を取得して別府湾が一望できるホテルも建設する計画。初期投資は100億円で、投資総額は数百億円に上るとみられる。インバウンド(訪日客)にも人気の高い施設の拡充は、大分県観光の魅力を大きく底上げしそうだ。
ハーモニーランドを運営するサンリオエンターテイメント(東京都)の小巻亜矢社長が8日、大分県庁で発表した。
リゾート化は「天空のパーク構想」と名付けた。現在あるハーモニーランド(駐車場などを含む約23ヘクタール)と隣接する山林エリア(約20ヘクタール)を一体的に再整備。ランドエリアを拡大し、全天候型の大屋根を設置する。ロープウエーなどを使い、広大で高低差のある敷地内を誰でも移動しやすい環境を整える。
新たに広大な用地も取得する予定。ゆっくり滞在を楽しんでもらうため、サンリオの世界を満喫できるホテルを建てる。
事業計画の具体化に当たっては、国内外から広く参加できるコミュニティー「ハーモニーランド未来共創室(仮称)」を新設。施設や装飾のデザイン、グッズ、飲食のメニューなどを一緒に開発していくユニークな手法を取る。
ハーモニーランドは1991年に開園し、来年35周年を迎える。サンリオは2024年12月に大分県と包括連携協定を締結し、リゾート化に向けて水面下の調整を県と重ねてきた。天空のパーク構想は40周年となる31年を一つの節目に段階的に進めていく見通し。
県にとっても経済波及効果は大きい。ランドの年間来場者数は現状の50万人から数倍に増え、数百人規模の雇用が生まれるとみられる。ハローキティなどのキャラクターは世界的な人気を誇り、ランドを訪れた訪日客らの県内周遊も期待できる。
実現に向けては交通環境の整備が課題の一つ。大分空港(国東市)、特急列車が止まるJR杵築駅(杵築市)などからランドへのアクセス改善は欠かせず、行政の後押しも重要となりそう。
<メモ>
ハーモニーランドは、サンリオと地元(県、県内企業)が出資をほぼ折半した第三セクターの運営で開業した。2009年からサンリオの子会社サンリオエンターテイメントが運営。観覧車、乗り物といったアトラクション、レストランなどがある。