おおいた温泉道 阿部正幸さん 日出町大神・大神の湯
切り立った崖の上にある露天風呂からは別府湾を一望できる。大分市の臨海工業地帯、湾内を行き来する船舶、砂浜を飛び交う鳥。海は季節や時間、潮の干満の変化でさまざまな表情を見せる。取材した12月下旬の午前中は薄曇りの中、海面が銀色に輝いていた。
「この景色が好きなんです。ボーッとしながらゆっくりとした時間を過ごすことができる」。阿部正幸さん(26)=杵築市南杵築=の一押し「スパ&リゾート・ホテルソラージュ大分日出」(日出町大神)の「大神の湯」は絶景が楽しめる温泉だ。
もともとは国が設置した厚生年金休暇センターでホテルやプール、スポーツ施設も兼ね備える。2009年に売却され、大分市内の企業が落札した。「ソラージュ」とはイタリア語とラテン語で「太陽」と「場所・集まり」を意味する言葉を組み合わせた造語。日出にちなんで「太陽の降り注ぐ場所」という意味を込めて名付けたという。
温泉は地下700メートルからくみ上げている。泉質はナトリウム・カルシウム—塩化物・炭酸水素塩泉。温度は44度で加温、加水している。無色でややしょっぱい。「湯冷めしにくくて、ずっと体がポカポカしてるんです」と阿部さん。普段は警備員の仕事をしており、交通誘導など一日中外で仕事をした帰りにリフレッシュに訪れているという。
阿部さんが温泉道を始めたのは4、5年前、友人に誘われたのがきっかけだった。「仲間と楽しみながら温泉に入るのが何より楽しい。マイペースで回っています」と今年4巡目に突入した。最近は熱が入っており週に数日、温泉仲間と一緒に何湯か“はしご”する。大神の湯は別府から杵築への帰り道にあるため、「“シメ”として立ち寄ることもあります」。
あべ・まさゆき 杵築市出身。警備会社に勤務する。趣味は野球観戦で福岡ソフトバンクホークスのファン。年に数回は福岡市のヤフオクドームに足を運ぶ。
立ち寄り湯は大人550円。午前11時(火曜日は午後4時)から受け付け。終了時間は曜日で異なる。サウナ、ジェットバスも備えている。問い合わせは(TEL0977・72・1800)へ。