声援を送る大分トリニータのサポーター=クラサスドーム大分
ひやひやしながら他会場の結果を待った。大分トリニータは23日のホーム最終戦で敗れたものの、なんとかJ2残留が決まった。試合後のセレモニーでは、厳しい言葉が書かれた横幕も目立つ。その言葉はサポーターの「トリニータ愛」が大きいからこそだと感じる。
入社と同時に運動部に配属されて3年目。本年度からトリニータ担当になった。県外出身で、入社するまで大分に住んだことがない。正直、なじみは薄かった。
初めての練習取材でサポーターの熱量を思い知った。平日の午前中にもかかわらず、開始前に数十人が選手の登場を待っている。ホームゲームには1万人以上が詰めかける。毎試合、迫力のある応援に圧倒された。
最も印象に残った取材は、記者としてアウェーデビューとなった第17節今治戦(6月7日)。余裕を持って1カ月前にフェリーの予約サイトをのぞくと、試合日の佐賀関発の便は全て満席。慌てて臼杵を出る便を押さえた。
当日港に着くと、予想通り、ユニホームを着た大勢の人が出港を待っていた。船内でもいたるところからトリニータの話題が聞こえ、勝手に仲間意識を持った。
肝心の試合は追い付かれて引き分け。ただホームかと錯覚するほどの応援の勢いや声量は、間違いなく勝っていた。相手は昇格したばかりということもあると思うが、改めてクラブの歴史を実感した。
今では運転中や入浴中、ふとした瞬間にチャント(応援歌)を口ずさむ。ついにはゴール裏で跳びはねながら応援する夢も見るようになった。
来季は昇降格がない特別大会。九州での試合が増え、より熱のこもった応援も期待できそうだ。サポーターの熱い魂を感じながら、戦いを追いかけていきたい。
(中丸遼)