高橋剛さん 中津市耶馬渓町・せせらぎの郷華じ花
「知る人ぞ知る本物の自然に囲まれた温泉。ぬる湯の露天風呂にゆっくりと漬かれば、身も心も自然と一体化できます」
名人の高橋剛さん(25)=別府市内竈=と訪れたのは「錦谷温泉」が湧く「せせらぎの郷 華(か)じ花(か)」。山深い深耶馬渓の一角に自然の地形を生かして建てたログハウス10棟が姿を現す。
ログハウス横の温泉は立ち寄り湯が可能で、男女ともに内湯と露天風呂を備える。露天風呂に足を踏み入れた高橋さんは「この景色が最高なんです」と、新緑が深まる森と緩やかに流れる奈女川を指さした。
泉質は炭酸泉。「これを見てください」と差し出した高橋さんの腕にはびっしりと気泡が付いていた。「ぬる湯の炭酸泉はゆったりと楽しめて気持ちいいです」。高橋さんはそっと目を閉じ、川のせせらぎや小鳥の鳴き声に耳を澄ませた。
奈女川には5月末ごろからホタルが舞う。カブトムシがログハウスに飛んでくる夏が終われば、紅葉が始まる。山間部のために寒さは厳しく、露天風呂の利用は5〜10月のみ。桜本優支配人(61)は「暖かい時季限定の温泉ですが、春、夏、秋と露天風呂の風景が変わるので飽きませんよ。県外からのリピーターも多いです」と話す。
高橋さんは2009年2月、友人に誘われて温泉道を始めた。それまでは温泉に入る習慣はなかったという。「友人と各地を巡り、温泉について議論するのが楽しい」。今では休日を利用してどっぷりと温泉道にのめり込んでいる。
「華じ花」はオートキャンプ場も併設し、週末は家族連れや学生グループなどでにぎわう。駐車スペースに県外ナンバーの車が止まった。「温泉だけでも素晴らしいけれど、友人と宿泊するのも面白そうですね」。高橋さんはほほ笑んだ。