おおいた温泉道 スチッタ・グナセカラさん 別府市北浜・山田別荘
和と洋が融合し、随所に昭和のたたずまいが残る温泉宿。スリランカ出身の温泉道名人、スチッタ・グナセカラさん(32)は「日本らしさを感じながら、ゆっくりしたい時に来るんです」と、リラックスした表情を見せる。
スチッタさんは2004年から別府大学で学び、現在は同大学院博士課程1年。母国のテレビで放映されていたドラマ「おしん」を見て、日本に関心を持った。山田別荘を訪ねたときの温かいおもてなしは、思い描いていた古き良き日本のイメージと重なる。
岩に囲まれた露天湯を貸し切り、結婚したばかりの妻・ティリニーさん(25)と入浴。住宅街にありながら、開放感がある。源泉掛け流しで、泉質はナトリウム—炭酸水素塩泉。無味無臭でなめらかな感触だ。「入浴後は肌がしっとりすべすべ。柔らかい湯で、気持ちも優しくなります」とスチッタさん。4月に来日したばかりで、露天風呂に慣れていないティリニーさんも「広い感じがいい。気持ちいいですね」と話す。
山田別荘にある露天湯と内湯は同じ敷地にある別の源泉を使っており、成分の違いも楽しめる。内湯の内装は細かいタイルが並ぶレトロな雰囲気で、3代目おかみの山田るみさん(45)は「健康に良いと入り比べる人もいる。海外からのファンも多い」。
スリランカでの入浴はほとんどがシャワー。湯船に漬かる習慣はなく、他人と一緒に入る公衆浴場もない。最初は日本の温泉文化に戸惑ったが、入浴者との会話に楽しさを感じたという。温泉道を始めてから約1年半で名人となった。
現在は夫婦で温泉巡りを楽しむ。「僕が感じた温泉の魅力を妻にも知ってほしい」。スチッタさんはティリニーさんと笑顔を交わした。
マラシンハ・アラッチゲー・スチッタ・グナセカラ スリランカの言葉と日本語の比較研究に取り組む。母国に日本語学校を設立し、両国の友好に力を入れる。2243代温泉道名人。
入浴のみの利用は月、水、木曜日の午前10時〜午後3時まで。料金は大人500円、小学生以下250円。家族湯として貸し切りもできる。問い合わせはTEL0977・24・2121。