梅園温泉 多くの熱い思い、結実
100年続く、泉都の「路地裏の秘湯」がついに復活―。
別府市元町にある梅園温泉は2016年の熊本・大分地震で被災し、老朽化が進んでいた建物は解体を余儀なくされた。インターネットのクラウドファンディングや寄付などで資金を募り、温泉施設を再建。今月12日に悲願の再オープンを迎えた。
単純泉で源泉は46度ほど。新たな浴室の壁面には、明治、大正、昭和期に使われた絵皿を使って梅の花をデザインした。富士山のタイル絵は、別府観光の父・油屋熊八が考案した「山は富士、海は瀬戸内、湯は別府」にちなんだ。
近くに住む大渡優二さん(61)は旧梅園温泉の常連。以前のように毎日、通っている。「再開後、初めて温泉に入ったときは感動した。ここはお湯が軟らかくて肌にいい。これからもずっと入り続けたいね」と笑顔を見せた。
再建に尽力した梅園温泉組合長の平野芳弘さん(67)は「たくさんの人の熱い思いや協力があって実現した。これからも助け合い、昔ながらの温泉文化を守っていきたい」と決意を新たにする。
暖房器具など備品の多くは寄付。入り口に掲げるのれんの文字は知り合いの中国人画家に依頼し、快く書いてもらった。多言語表記の入浴マナー表示板も立命館アジア太平洋大学の留学生の協力で実現した。当初は予定になかった足湯も寄付により、年内に完成する予定だ。
(メモ//) 営業時間は午前11時~午後11時まで。2千円以上の寄付で会員登録できる。入浴料は会員が200円、一般は300円、小学生以下は無料。1カ月定期券は2千円(初回は登録料300円が必要)。問い合わせは梅園温泉組合(TEL0977・23・4748)。
韓国の家庭料理を 漢方で半日以上煮込み
梅園温泉から5分ほど歩いた駅前町の小道の奥に「民家カフェ uri chip(ウリチップ)」はある。
韓国の家庭料理を味わってもらおうと、店主の梁原仙喜(やなはらそに)さん(28)が2015年に開業した。冬にお薦めのメニューは、韓国から仕入れた漢方で半日以上煮込んだ優しい味わいの参鶏湯(サムゲタン)とチヂミのセット(1300円)。
営業時間は午前11時半~午後2時半。夜の営業は予約のみ受け付ける。木、日曜は休み。問い合わせは同店(TEL0977・85・7947)。