由布岳温泉 どこからでも名峰一望
観光客でにぎわう由布市湯布院町のJR由布院駅から約1・5キロの所にある「由布岳温泉」(川上)。周囲は田畑に囲まれており、喧騒(けんそう)から離れて自然と温泉を満喫できる穴場スポットだ。
12の家族風呂と男湯、女湯があり、どこからでも由布岳を一望できるのが最大の魅力。47・7度の単純温泉を源泉掛け流ししており、熱すぎず、ぬるすぎないお湯にゆっくりと漬かることができる。
近くに住む会社員河野順也さん(34)は「以前は福岡で働いていたが、帰省するたびに来ていた。地元に帰ってからも頻繁に通っており、景色を見ながら温泉に入ると疲れも吹き飛びます」と笑顔で話す。居心地のよさが、観光地にありながら、地元民に愛されている理由のようだ。落ち着いた雰囲気の湯船に身を任せていると、時間がたつのを忘れてしまいそうになる。
元々は支配人を務める太田優作さん(34)の祖父がスッポンなどの養殖をしていた場所。24年前、祖父が家族風呂をメインに営業を始めた。
太田さんは「熊本・大分地震で瓦が落ちたりして復旧まで1カ月ほどかかった。常連客や観光客が戻ってくれて感謝の気持ちでいっぱい」と思いを語る。敷地内では、由布岳の湧き水も無料でくむことができ、それを目当てに来る人も多いという。
名前そのままに「由布岳」の魅力がいっぱいに詰まっている。
(メモ) JR由布院駅から徒歩で約20分。散歩がてらに立ち寄るにはちょうどいい。営業は午前9時半~午後7時(12~3月は午後6時まで)。不定休。入浴料は500円、小学生以下300円。家族風呂は1時間2千円。問い合わせは由布岳温泉(TEL0977・84・2453)。
基本の「赤」と「白」 季節の野菜やもちチーズも
「由布岳温泉」から車で約10分。県道617号を北に進んで小道に入ると、見晴らしの良い丘にあるのが山椒(さんしょう)カレーうどん「菊すけ」だ。山椒のスパイスが効いた「赤」とカシューナッツでまろやかに仕上げた「白」(いずれも税別1060円)が基本メニュー。国産小麦を使用した自家製麺で、季節の野菜やもちチーズが入ったものもある。スープに混ぜる白ご飯が付く。
店主の菊地昇さん(56)は「1人でも家族連れでも気軽に来てください」。営業は午前11時~午後3時。定休日は水曜日。問い合わせは同店(TEL0977・85・5262)。