ほのぼの温泉館 優しく利用者癒やす
田畑が広がる由布市庄内町の国道210号沿いにある市直営の「ほのぼの温泉館」(同町庄内原)。JR庄内駅に近い木造平屋の建物にはゆったりとした時間が流れている。
「通い始めて7、8年になる」と話すのは農業安部昇志さん(64)=同町平石。5年ほど前に脚を骨折してからは毎日のように通っており、「ここに入ると調子が良くて」とうれしそう。大浴場は洗い場が広く、天井も高い。「温泉が好きで、いろいろ行ったけどここが使いやすい。洗い場の台の高さもちょうどいい」と気に入っている。湯加減はやや熱めの約44度。単純温泉で神経痛、関節痛などに効くとされる。
露天風呂もあり、夜は星空がきれいに見えるという。「雪が降ると情緒があるよ」と安部さん。常連さんとの会話も弾み、「イノシシが出たとか田んぼの話とか、情報交換もできる」。差し込む優しい光の中で湯気が揺れるのを眺めていると、時間の流れを忘れてホッとひと息つける。名の通り「ほのぼの」とした空間が利用者を癒やしている。
毎日100人ほどが訪れ、休憩場は食べ物の持ち込みができる。管理人の田代信一郎さん(82)は「食事をしたり談笑したり、憩いの場になっている」と話す。温泉館は旧庄内町が1999年4月に開いた。担当する市庄内地域振興課の古長寛幸さん(41)は「人と人の触れ合いがあり、愛され続ける施設であってほしい」と期待した。
(メモ//) 10月~3月は午前11時~午後9時、4~9月は午前11時~午後10時まで営業。毎月第2水曜が休館日。高校生以上300円、中学生以下200円、70歳以上250円。由布市民はいずれも100円引き。割安な回数券もある。タオルなどは持参が必要。問い合わせは温泉館(TEL097・582・2864)。
サクッとジューシー 地元が愛するからあげ
ほのぼの温泉館から徒歩で5分。JR庄内駅前の商店街に地元で愛される「さとう精肉店」のからあげがある。約40年前から販売。「外はサクッ、中はジューシーな仕上がりを目指しています」と店を切り盛りする佐藤美代子さん。カボスやユズを搾って食べたり、残ったら酢鶏にするのもお薦めで「素直な味。自由にアレンジできます」。
2日前までの予約が必要。骨なしが1800円(1キロ)、骨付きが1500円(同)、揚げていない骨なしは1300円(同)。問い合わせは同店(TEL097・582・0401)。