舞子浜温泉センター 天候によって色が変化
商店や公共施設、住宅が並ぶ大分市東部の大在地区中心地にある舞子浜温泉センター(政所)。開店とともに、せっけんやシャンプーを入れた「入浴セット」を手にした人が次から次へと訪れ、大きなのれんをくぐっていく。
「うちは常連さんが多いんですよ」と森田克哉社長(58)が教えてくれた。「見かけん顔やねえ」と話し掛けてきたのは、近くに住む姫野セツ子さん(81)。夫を亡くした5年前からほぼ毎日自転車で通い、1時間近く電気風呂と冷鉱泉に交互に入っているという。冷鉱泉は地下200メートルからくみ上げており、鉄分を多く含む。サウナと冷鉱泉を交互に2時間近く入っている人もいるという。「温泉のおかげで体の調子がいいわ。近くにあるからうれしい」と笑顔で話した。
地下850メートルから湧く大深度地熱温泉でナトリウム塩化物泉。浴場は20人以上は漬かることができそうな広さ。湯は少し緑色がかっている。天候によって青っぽくなったり、黄色にもなるという。湯は少しぬめりがあり、なめると塩気も感じる。
センターは1994年7月にオープン。佐賀関方面からバスを乗り継いで来る人もいる。午前1時と遅くまで開いているため、大学生も多く利用する。顔なじみになった客同士で「じゃあお先に。また明日ね」と交わされるあいさつが日常の光景。世代を問わず交流できる憩いの場になっている。
メモ 舞子浜温泉センターはJR大在駅から徒歩約10分。政所公民館の隣にある。入浴料は中学生以上が350円、小学生が180円、幼児が100円。営業時間は平日が午後3時~翌日の午前1時、土、日、祝日は午前11時~翌日午前1時まで。問い合わせはセンター(TEL097・592・4545)。
地域に愛されて35年 中華定食が人気
舞子浜温泉センターの常連も通う中華料理の「豚豚亭(とんとんてい)」。センターから歩いて5分ほどで、ラーメンや酢豚、チャーハン、ギョーザなど中華の定番料理が並ぶ。人気があるのは中華定食。豚肉と野菜に甘酸っぱいあんがからんだ酢豚、からっと揚がった鳥天にサラダ、中華スープ、ご飯が付いて800円。店主の田中孝勇(たかお)さん(66)は「大在に店を開いて35年。ここまで来られたのは、地域の皆さんが支えてくれたおかげ」と感謝の気持ちを忘れず、腕をふるう。