まるた屋温泉 西方の湯 隠れ家みたいな雰囲気
「やっぱり泉質」。
大分市西部、住宅街の外れにある「まるた屋温泉 西方の湯」(南生石東)に集う常連客は、とりこになった理由について口をそろえる。
コーヒー系の色、無臭のナトリウム炭酸水素塩泉はペーハー値が高く、いわゆる美人湯。男女内湯と露天風呂は広すぎず、ちょうどよい大きさで、源泉掛け流しのぜいたく感もうれしい。
元々、ミカン山だった場所に温泉がオープンしたのは2009年。自然に囲まれ、露天風呂からは遠くに別府湾が見える。住宅街からの家族連れのほか、農作業の合間に訪れる人も多いという。
「隠れ家みたいな雰囲気がいいんですよ」。川並玄さん(71)=同市豊町・会社経営=の楽しみ方は平日の昼間に訪れること。浴場内に流れるジャズ。耳を澄ませば聞こえる野鳥の声。なるほど目を閉じて湯船に身を任せれば、「リラックスしよう」と語り掛けられているようだ。
家族と一緒に行くこともあれば、1人でも訪れる千原華美さん(47)=同市高崎・パート=は「しっとりまとわりつくようで、湯上がりはさっぱり」と自分の腕を眺めた。仕事の前後など、「自宅から近いし、週3回は癒やされに来ます」と満喫した表情を見せた。
オーナーの植木勝典さん(63)は「いろいろな楽しみ方で、ゆっくりしていただければ」と穏やかな笑顔で話した。
メモ 「まるた屋温泉 西方の湯」は大分市の大分西中学校から北へ約200メートル。名前の「まるた屋」は、かつてミカンを市場に卸していた際の屋号。営業時間は午前9時~午後10時。入浴料は中学生以上500円、小学生200円、幼児100円。6室ある家族湯(4人まで)は50分2千円。火曜定休。駐車場50台。問い合わせは同温泉(TEL097・514・0268)。
こだわりの素材 スイーツも種類豊富
西方の湯から車で十数分。大分市東院の田園地帯を通り抜けてたどりつくのが「天地庵」。素材からこだわった本格手打ちそばが味わえる。
お薦めは「和風出し冷麺」(1200円)。まるごと1本入った揚げなすが絶妙。南蛮もなか(140円)や、ずんだもち(700円)などスイーツも種類が豊富。オーナーの斎藤良男さん(82)のパティシエ経験が随所に盛り込まれたメニューを前に、あれこれ悩むのも楽しい。問い合わせは同店(TEL097・549・6055)へ。