駅前温泉 疲れ癒やす地域の財産
玖珠川と同じ目線に 疲れ癒やす地域の財産
日田市天瀬町の玖珠川沿いにある天ケ瀬温泉。川沿いに旅館が立ち並び、歴史情緒漂う温泉街の一角に共同露天風呂「駅前温泉」(同町桜竹)がある。河川敷に造られた湯船からは川のせせらぎが聞こえ、緑豊かな木々を眺めながらゆったりとした時間が流れる。
7月に全線復旧したJR久大線の天ケ瀬駅を下車して徒歩1分。路地を抜けて河川敷へ下ると10人ほどが入れる露天風呂が現れる。温泉は男女混浴で脱衣所と浴槽だけ。湯船に漬かれば川と同じ目線になる。開放感と心地よさが味わえるのが醍醐味(だいごみ)だ。
温泉は、天瀬駅前温泉管理組合(江藤健一郎組合長)が管理する。7月の西日本豪雨では川の増水で2メートル近く浸水。湯船に泥や砂が入ったが、住民らが取り除き3日後に復旧させた。
源泉かけ流しで硫黄の匂いがほのかに香る。お湯の温度は約40度。無色透明だが、日によってコバルトブルーや乳白色などに変わることもある。
仕事疲れを癒やしに訪れた近くの特別養護老人ホーム喜楽苑事務長の古賀和成さん(49)、ケアワーカーの佐藤秀次さん(24)は「川が近くにあるロケーションが一番」「気軽に入れるのが魅力」と笑顔。ツーリング中の長崎県西海市の宮本繁人さん(50)も「自然に囲まれて最高です」と話した。
地域の財産として、これからも地域住民らに癒やしとぬくもりを与え続ける。
( メモ ) 泉質は単純泉で、神経痛や関節痛などに効果がある。入浴料は100円。浴槽前にあるポストにお金を入れて入る。営業時間は午前7時半~午後10時。温泉そばに駐車場はないが、天ケ瀬駅近くにある無料の日田市営駐車場が利用できる。問い合わせは市観光協会天瀬支部(TEL0973・57・2166)へ。
風呂上がりにカレー 地元の夏野菜たっぷり
JR天ケ瀬駅前に店を構える和風喫茶Azuki(あづき)は2016年6月にオープンした。岡山富美子さん(61)、柴中和江さん(43)の2人が切り盛りする。
メニューはとろろ飯やだんご汁、手作りケーキなど約10種類。チキンカレーランチ(800円)は鶏肉やゴーヤー、ナス、オクラなど地元の夏野菜を煮込んでおり、辛さと深みが楽しめる一品。サラダやデザートが付く。「風呂上がりにカレーで夏を満喫してほしい」と薦めている。
営業時間は午前9時~午後6時。火曜定休。問い合わせは同店(TEL0973・57・2200)へ。