高崎山温泉 おさるの湯 山奥で穏やかな時間
高崎山の南麓から、のぼり旗や看板を目印に山道へ。対向車に注意しながら坂道を登ると、木造の建物が見えてきた。由布市挾間町高崎にある「高崎山温泉おさるの湯」だ。
露天風呂から見える青い空。日常の喧騒(けんそう)から離れ、穏やかな時間が流れている。泉質はアルカリ性の単純温泉。無色透明でほぼ無臭。神経痛や筋肉痛、五十肩、冷え症などに効能があるという。
大分市賀来の安部正夫さん(80)は毎日通う常連だ。「泉質が良くて気持ちいい。湯温もちょうどいい」と笑顔を見せる。
おさるの湯は佐藤修二社長(64)が、先祖から受け継いだ土地に温泉を掘ったことから始まった。当初は営業する計画はなかったが、温泉人気に後押しされた。地元住民らに無料開放していた時期を経て、2002年にオープン。その後、露天風呂やサウナなどを増設した。今では、平日は約300人、休日は倍近くの客が訪れる人気の湯になっている。
山奥にあるため、知人から「サルは来ても、人は来ないんじゃないの」と言われた言葉をヒントに命名。ネーミングから誤解されることもあるが、佐藤さんは「温泉にサルは入っていません」と付け加えた。
営業時間は早朝から深夜に及ぶ。朝一番に体を温めてから仕事に向かう人、夜に仕事の疲れを癒やしに来る人など、楽しみ方もさまざま。木のぬくもりあふれる空間が活力を生み出す。
( メモ //) 木曜定休。営業時間は午前5時~午後11時。入浴料は、内湯・露天風呂が中学生以上400円、小学生以下200円。サウナ風呂は中学生以上600円。家族風呂は60分2千円、90分3千円。問い合わせは「おさるの湯」(TEL097・583・5966)。
絶妙な甘じょっぱさ ニューヨークスタイルのピザ
「高崎山温泉おさるの湯」から直線距離で約4キロの「リトルチアフル」(由布市挾間町北方)。厚い生地と甘めのトマトソースが特徴のニューヨークスタイルのピザが味わえる。米国シアトル出身のオーナー、スティーブン・ワットさん(52)が注文を受けてから焼き上げる。
一押しは「ベーコン&パイナップル」(1300円)。ベーコンのしょっぱさと、パイナップルの甘さが絶妙な加減で口に広がる。納豆やきんぴらごぼうなどがトッピングされたユニークなピザも楽しめる。
日曜・祝日は休み。問い合わせは同店(TEL097・583・2520)。