国見温泉あかねの郷 山並み眺め、のんびり
「おんせん県」にありながら温泉が2カ所しかない国東市。そんな地でぜいたくにも掛け流しの源泉を味わえるのが、国見町赤根の「国見温泉あかねの郷」だ。温泉好きなら拝んでしまうかもしれない。
国道213号沿いの「道の駅くにみ」から西へ進んだところで、海岸線から国東半島中央部へ。谷筋を15分ほど上り、市内のもう一つの湯「湯の里渓泉」を過ぎるとその先に赤根の郷が現れた。
男女とも内風呂と露天風呂が一つずつ。大きくはないが、5、6人ならゆったりできそうだ。少し濁りのある湯は無臭で癖がない。成分は「カルシウム―硫酸塩泉」。加温しているが、混じり物はいっさいないという。
近くにある湯の里渓泉とは源泉が別。常連は気分や曜日によって行き来し、宿泊客の中には、はしごして楽しむ人もいるらしい。
毎日通う町内伊美の溝口照二さん(63)は足を伸ばして気持ちよさそう。趣味のツーリングを兼ねて県内各地の温泉も巡ったという。それでは、あかねの郷の魅力は? 「渓泉と合わせ、自分の庭と思えることが一番。常連同士で話に熱中する余り、漬かりすぎて倒れたこともあったかな」
常連仲間の松本軍治さん(85)=同町伊美=は還暦を過ぎて肩や腰が痛みだしたが、「温泉通いを始めてからは調子が良い」と話す。
露天風呂からは地元の名峰・千燈岳が真正面に見える。山並みを前に深呼吸すると気分も一新した。
( メモ //) 営業は午前11時~午後9時。定休日は火曜。入浴料は中学生以上が400円、小学生以下が200円。3歳以下は無料。問い合わせは国見温泉あかねの郷(TEL0978・82・1571)。
野菜たっぷり! 小鉢5品もうれしい
道の駅くにみ向かいの「喫茶やんやん」は地元住民や観光客が集う社交場だ。「やんちゃん」と親しまれる山口フミ子さん(63)が1人で切り盛りしている。
しょうが焼き、カキフライなど9種類ある定食(800~900円)には小鉢が最低5品。山口さんが小鉢が好きな上、お客さんが材料となる海産物や野菜を持ち込むこともある。ちゃんぽんも名物。常連は「ママが明るい」と話し、人柄に引かれて通っているようだ。
午前9時~午後8時。定休日は木曜。問い合わせは同店(TEL0978・82・0807)へ。