海門温泉 驚くほど高濃度の塩分
「おおっ、しょっぱい」―。驚くほどの高濃度の塩化物泉を源泉掛け流しで満喫できる「海門温泉」(豊後高田市中真玉)。温泉通が絶賛する名湯として、人気が高い。
海まで歩いて数分程度の集落にひっそりと施設が立つ。浴場は一度に5、6人が入れる内風呂だけ。源泉(40・3度)は海水を上回る塩分濃度で県内トップレベルという。茶褐色と表面の膜が泉質の良さを感じさせる。「湯冷めしにくい」と評判で、遠方から訪れる常連もいるという。
2014年9月に地域おこし協力隊員として東京都から同市新城に移住した玉野友理さん(35)は娘2人を連れて入浴するのが楽しみ。「肌にかゆみや擦り傷があるときに入ると、治りが早い気がする。この塩気はやみつきになります」。さらさらになった肌を触りながら語ってくれた。
「東京では、こんなに温泉が身近な暮らしをしたことがない。すごく日本的な生活ができてうれしい」。近くには「日本の夕陽(ゆうひ)百選」に選ばれている真玉海岸がある。日没が近づくと、「夕日を見て帰ります」と車を走らせた。
もともとは4年前に閉館した旅館「海門荘」の宿泊客限定の湯だった。「この温泉を閉めておくのはもったいない」と市観光まちづくり会社が昨夏、立ち寄り湯として復活させた。かつての宴会場(15畳)は湯上がりの休憩室として、温泉客に親しまれている。
鮮度、品数に満足 「おなかいっぱい食べて」
海門温泉から車で5分。国道213号沿いにボリューム満点の魚料理を堪能できる飲食店「美(み)のり」がある。
昼の日替わりランチは880円で刺し身、てんぷら、あら煮、炒め物など盛りだくさん。市場から直接仕入れる魚の鮮度はもちろん、品数の多さに驚く。1日15食限定の刺し身定食を出すと、「これは1人分ですか」と驚く客も。店主の鴨孝徳さん(57)は「新鮮な魚をおなかいっぱい食べてほしい」。
県外客も多く、予約をしないと入れない日もある。問い合わせは同店(TEL0978・53・5556)。
メモ 海門温泉は豊後高田市の海岸線を走る国道213号の真玉トンネル近く。営業時間は平日午後2時~同8時、土、日曜、祝日午前11時~午後8時。大人350円、子ども180円。定休日は第2、4木曜日。問い合わせは市観光まちづくり会社(TEL0978・23・1860)。