杵築市山香温泉センター 塩分多い泉質、県外ファンも
身も心もぽかぽかに 塩分多い泉質、県外ファンも
12月に入り、慌ただしさが増してきた。厳しい冷え込みも続いている。ぽかぽかと身も心も癒やされたい―。国道10号を大分市中心部から中津市方面に車で走ること約1時間、杵築市山香町野原の「市山香温泉センター」に到着した。
一見すると民家のような建物。券売機で入浴券を購入し、早速浴場へ。仕切りで二つに分かれた浴槽はやや深さと温度が違う。「ここの温泉に入るとな、外に出ても1時間は湯冷めせん。肩も腰も楽になってな」。30年近く通う同市大田永松の小島重喜さん(85)は話した。
通称は「神塩(こうじお)温泉」。古くから多量の塩分を含んだ温泉が湧いていたことに由来する。付近の民家では塩を清めの儀式に用いていたため、「神塩」の地名も残っている。1992年に源泉を旧山香町が買い取り、センターを開設した。
泉質はナトリウム―塩化物強塩泉。源泉は透明だが、酸化し湯船の中では黄濁色になる。口に含むと塩辛く鉄の味が残る。リウマチ性疾患、あせも、切り傷に効くという。「常連客が多いが、泉質が良いと県外からもお客が来ることもあります」と管理人の横山健一さん(67)。
訪れたのは平日の午後4時ごろだったが、6人ほどが世間話に花を咲かせていた。みんな高齢者のようだが元気いっぱいだ。毎日通う近くの吉岩秀勝さん(76)は「みんなで湯に漬かり、冗談を言い合って笑うのが一番。体も心も軽くなる」と健康の秘訣(ひけつ)を教えてくれた。
( メモ //) 営業時間は午後2時~同9時。定休日は毎週月曜日。高校生以上の入浴料は杵築市在住者が210円、市外在住者は320円。小中学生は一律110円。6歳未満は無料。問い合わせは市山香温泉センター(TEL0977・75・0351)へ。
食材の味生かしたピザやパスタ 田んぼの中にイタリア料理店
杵築市山香温泉センターから国道10号を車で北に約10分。田んぼの中に赤色の日よけテントが目を引く店がある。「イタリア料理ベアトリーチェ」(同市山香町立石)だ。
地元出身のオーナーシェフ阿部修一さん(44)のこだわりは「食材の味を生かすこと」。自家栽培の野菜などを使ったピザやパスタを楽しむことができる。人気のランチセットは1200円。
昼の営業時間は午前11時半~午後2時。夜は予約が必要。問い合わせは同店(TEL0977・51・5191)。