山田温泉 “熱めの湯”染み渡る
全国クラブラグビー大会に初出場した「玖珠クラブ」は佐賀県鳥栖市で9日にあった1回戦を突破し、今月下旬の2回戦に進んだ。メンバーはほぼ玖珠郡出身という地域密着チームの活躍を取材しながら、ふと気になった。仕事をしながら競技に取り組む選手たちは、どうやって体をケアしているのだろう。
選手に話を聞くと出てきたのは「近くの山田温泉」の言葉。地図を頼りに玖珠町山田へと向かった。
温泉は「ビジネスホテル山田」の中にあり、隣には「山田うどん」の建物。オーナーの生田俊夫さん(79)によると、40年ほど前に「山田うどん」をオープン。1998年に温泉を開業し、ほぼ同時期にホテルの営業も始めた。「温泉に入った後、一杯飲みながらうどんを食べる人が多い」という。
クラブのメンバーは週に2回の練習後によく訪れる。「練習している町総合運動公園から近く、食事もできる。湯温が高いのがお気に入り。疲労の取れ方が全然違う」とがっしりした体格の跡田誠治さん(29)=同町北山田。川野雄二さん(39)=同町森=は「電気風呂もあり、疲れた体にぴりぴりと気持ちいい。明日も頑張ろうと、英気を養う場所」と話す。
入ってみると、確かにかなり熱い。ただ、手足がじんじんとするのを我慢していると、柔らかい湯に包まれるような心地よい感覚がやってきた。無色の単純泉は、毎日でも入りたくなる優しい湯。地元の期待を背負って戦うメンバーが、足しげく通う理由が分かったような気がした。
(メモ) 山田温泉は大分自動車道玖珠インターチェンジから約5キロの国道210号沿い。入浴料金は320円(3歳~小学生は半額)。10カ所ある家族風呂は50分850円~。営業時間は正午~午前0時。問い合わせはホテル、うどん店ともにTEL0973・72・1126。
変わらぬ優しい味 “干ししいたけ”が決め手
「山田うどん」では、うどんや丼ものが楽しめ、大人数の宴会もできる。ほとんどの客が注文するのは、やはりうどん。中でも県産牛を甘辛く煮込んだ肉うどん(600円)は不動の1番人気だ。
たっぷり使う玖珠町産の干ししいたけがだしの決め手。これに北海道産の昆布と佐伯産の煮干しを加えたシンプルなもので、創業時から変わらぬ優しい味わいが特徴。「温泉でゆっくり温まった後のうどんは、また格別です」と生田さん。