おおいた温泉道 工藤聖朗さん いちのいで会館
コバルトブルーの湯と聞けば、真っ先に思い浮かぶのはここではないか。
別府市上原町の「いちのいで会館」。豊富な源泉と泉質で知られる別府八湯の中でも、トップクラスの人気を誇る露天風呂だ。昨年は「おんせん県おおいた」をPRする県制作の動画「シンフロ」の舞台の一つとしても話題になった。
もともと仕出し・折り詰め弁当の店で、食事を注文した人が敷地内の温泉に入れる仕組み。まるでプールのような造りの「景観の湯」、木々に囲まれた「金鉱の湯」は男女日替わり。それに家族風呂がある。
「やっぱり、この色が魅力ですよね」。別府八湯温泉道の名人、工藤聖朗さん(40)=豊後大野市朝地町=が、湯を手ですくいながら話してくれた。
泉質はナトリウム塩化物泉。実は無色透明だ。メタケイ酸が多く含まれているので青色に見えるという。色合いは天気や気温に左右され、刻々と変化する。
幼いころから長湯温泉(竹田市)などに親しんできたが、別府で温泉道にチャレンジするようになったのは2年半ほど前から。セミナーを受けて「温泉ソムリエ」の資格を取ったのがきっかけになった。
「もっと詳しく学びたい」と、2013年9月からスパポートを手に、湯巡りにのめり込んだ。竹瓦温泉を皮切りに、約5カ月間で88カ所を制覇して名人に認定された。その88カ所目がいちのいで会館だった。
「記念の温泉はちょっと特別なところに入りたくて、取っておいたんです」。別府市街地を見渡しながら、雪見風呂を楽しんだという。
現在、温泉道は4巡目。別府にとどまらず、九州88湯も先日、制覇した。「温泉は癒やし。仲間との出会いも楽しい。これからはのんびり巡るつもりです」
くどう・せいろう 豊後大野市朝地町出身。大分市内の印刷会社勤務。温泉ソムリエのほか、NPO法人「別府八湯温泉道名人会」のメンバーとしても活動する。
データ
午前11時~午後5時(土、日曜、祝日は午前10時~)。不定休。食事・入浴料1500円。食事がお子さまランチの場合700円。家族風呂1時間2千円。TEL0977・21・4728。