大分のブランド魚「かぼすブリ」
初めてかぼすブリを食べた時、私は「こんなに美味しいブリがあるのか」と驚いた。そんな想いから映像を通してかぼすブリのことを紹介したいと思うようになった。
大分県の漁業は生産量の多い養殖ブリを、遠方へ良い状態で出荷したかったがそれが難しかった。ブリは血合いのところが変色しやすく、見た目が悪くなるのである。そこでブリの変色を抑えるために試行錯誤したところ、大分県名産のカボスに抑制効果があると分かった。それはカボスに含まれるポリフェノールやビタミンCが作用したからだ。この発見から餌にカボスの粉末を入れたかぼすブリが誕生したのだ。
かぼすブリは香りや味についても良い変化をもたらしたという。魚特有の臭みが抑えられて、口当たりの良いさっぱりとした旨味が増したそうだ。こうして今では餌の量や出荷時期など厳しい条件下で育てられるブランド魚となった。養殖は海で行うため自然の力にはどうしても逆らえない時がある。それをコントロールして育てなければならないので、養殖場員は毎日ブリの体調を目視して確認している。ひとたび出荷となれば朝早くから作業を行い、その日のうちに新鮮なものを遠方へ出荷していく。このような日々の努力が、かぼすブリの人気の秘密なのだろう。
(日本文理大学工学部情報メディア学科3年 星野司音)