◆続いていた2人の“孤独な戦争”
終戦を知らず、木の上で2年間生き延びた日本兵の物語。原作は実話を基に劇作家の井上ひさしが原案を残した舞台作品。
太平洋戦争末期、沖縄本島から9キロメートル離れた伊江島は日本軍から「不沈空母」と呼ばれ、航空戦の要としての役割を求められる。沖縄県出身の新兵、セイジュンは友人と共に飛行場建設などに従事していた。
1945年4月、米軍が侵攻し激しい攻防戦を展開。セイジュンは上官である山下と共に追い詰められていく。次々と殺される仲間や島民。2人はガジュマルの木の上で身を潜めながら、援軍が到着するのを待つことになる。