虐げられた環境の中で暮らしてきた女性が、新しい人生を踏み出そうとする姿をユーモラスに描いたコメディー。 1946年、敗戦間もないイタリア・ローマが舞台。半地下で貧しい生活を送っているデリアは、いくつもの仕事を掛け持ちし、同居する義父の介護もするなどせわしない日々を送っている。だが、夫は彼女を無能とさげすみ、事あるごとに暴力を振るってくる。娘は、理不尽な扱いにあらがわない母親に対し「ママのような人生は死んでもイヤ」と手厳しい。 そんな時、デリア宛てに送られてきた一通の手紙。それを読んだ彼女は、ある計画を立てるのだが…。 タイトルの「ドマーニ」とはイタリア語で「明日」を意味する言葉。作中、登場するせりふの一部分でもある。目を覆いたくなるほどの男尊女卑の社会で、デリアは「明日」に何を求めていたのか。物語は彼女に恋心を持つニーノや、友人のマリーザなど個性的なキャラクターを交えながら、想定外の展開を迎えていく。 監督、主演を務めるのは、イタリアの国民的俳優でコメディエンヌのパオラ・コルテッレージ。主人公を、家族愛や意思の強さ、したたかさを持ち合わせる人物として創造。コミカルな演出や展開を加えることで、重苦しさのない、さわやかな作品にまとめ上げている。 シネマ5で4月5日(土)~11日(金)の午前11時20分、午後4時5分。(この日程以外も上映あり) ◇ ◇ ◇ 「大分合同新聞ムービーアワー」は厳選した映画をお届けするプロジェクト。テーマや話題性を吟味した作品を週替わりで上映します。
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