猫のパラダイス! 佐伯市深島
流行や個人の生き方など、大分の“ちょっとすてき”な姿を紹介する「スタイル」。1回目は最近、その自由で気高い姿に引かれる人が増えているという猫の魅力を取材。県南にある猫のパラダイス、佐伯市蒲江深島を訪ねた。
宮崎県境に浮かぶ離島・深島はなんと島民(約20人)の約5倍、100匹の猫がすんでいるという。蒲江港から船に揺られること30分。深島に上陸すると、船着き場でさっそく第1島猫発見! 日なたぼっこをしながらこちらを眺め歓迎してくれているようだ。
港から集落へと坂を上っていくと猫、ねこ、ネコ。軒下や庭先でゆっくり毛づくろいをしながらくつろぐ白やトラ柄のにゃんこたち。20匹はいるだろうか。マンホールの上で数匹で集まりのんびり温まっている姿もある。
そっと近づいてみる。ふかふかの毛並みをなでさせてくれた。そのまま、ぺろりと舌を出し指をなめられた。普通の野良猫だったら逃げられてしまうが、島猫たちは余裕たっぷり。人間がやって来てもマイペース。スマートフォンのカメラを向けても自然体だ。
島で白みそ造りをしている安部達也さん(36)、あづみさん(28)夫婦によると、島猫はそれぞれ島の各家の近くを“なわばり”にしている。島民有志が餌をやり、かわいがっているそうだ。一匹一匹に名前があり、島外に住むお孫さんの名前を付けている人もいるという。
集まっておしゃべりしながらツワブキの皮をむくおばあさんたちの横で静かに眠る猫。堤防で一匹静かに青い海を見つめる猫―。ゆったりとした猫の姿と島の時間に心がほぐれたようだった。