外国人の受け入れも万全。そうめん流しをする吉四六村グリーンツーリズム研究会=臼杵市野津町原のゆうきの里うすきほんまもん農産物広場
「外国人ツーリストの受け入れは韓国からが最多ですが、最近はイスラエルやオランダなど世界各国から訪れています」
増大する訪日客をいかに取り込むかで日本中が躍起になる中、臼杵市野津町の吉四六村グリーンツーリズム研究会は民泊で外国人を招き入れている。ハピカムでは、うすきツーリズム活性化協議会の小金丸麻子さん(29)の話に驚きの声が上がった。
8月初め、別府市の立命館アジア太平洋大学が入学希望者を招くサマーキャンプが開かれた。アジア各国を中心に高校生30人が参加。野津町の会員家庭に滞在した後、交流会があった。お母さんたちは流しそうめんや臼杵産ほんまもん野菜のかき揚げを手際良く準備し、振る舞った。
外国人は普段の日本の暮らしを体験したいと野津町にやって来る。熊本・大分地震前までは年間約2千人が訪れ、半数以上が外国人という。事務局の神野徳子さん(60)は「よそ行きではなく普段の生活に入ってもらうことが大切。割り切りが大事」と話す。研究会の発足は2002年。現在、市内の52世帯が登録し移住家族も3世帯入った。
神野さんは「外国語をしゃべれなくてもいい。最近は翻訳アプリの入ったタブレットを使い始めた先輩もいます」。自然体の交流で、国内外に臼杵ファンが増えている。
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「福岡・大分豪雨」で甚大な被害を受けた古里でボランティアに精を出した後、大分市内のホテルに移動。AI(人工知能)を活用したホテルマネジメントの進捗(しんちょく)をヒアリングした。
東京・港区在住でフリーのプロデューサー高木裕さん(52)=日田市上津江町出身=の7月半ばの一日だ。高木さんはインキュベーション企業にいた2006年、米国・ツイッター社への投資を決めた。「140文字のつぶやきが社会を変える」―SNSの広がりや社会の変化を確信した。
10年たって顕著なのは、時間の使い方の変化だ。「食・住など自分や家族のための時間、労働時間に加え、地域の時間が名乗りを上げてきた」と高木さん。若者を中心にボランティアやまちづくりといった地域や社会的つながりのために時間を使い始めた。「地域には、体験プログラムを用意するかどうかが問われている。SNSを使えばそこにいなくても地域との関係性は維持できるのです」と説明する。
それが、実際に移住するとなるとハードルは高い。「地面が付いてくるかどうかはまた別の問題。IUJターンに加え、現在はSターンの時代。ソーシャルのSですね」と高木さん。
SNSを通して人と地域との関係性も大きく変わろうとしている。