先行きが不透明な時代に、地方の未来をどう描くか。石破茂首相は、これまでの地方創生の取り組みを「再起動」すると打ち出した。人口減少と担い手不足で、地方を取り巻く環境は厳しさを増している。魅力ある地域づくりへ、国と地方双方の本気度が問われる。...
今年も残すところあと1日。辰年は激動の年になりやすいとされるが、まさに世界中で自然災害や政変が相次いだ。国内では記録的な猛暑が農作物の生育に大きな影響を及ぼし、「令和の米騒動」も起きた。10月には石破茂内閣が発足し、直後の衆院選では与党が...
2024年は、逮捕した容疑者に対する検事の侮辱的、威圧的な取り調べが、相次いで問題化した1年だった。 11月下旬には、和歌山市で23年に起きた岸田文雄首相(当時)襲撃事件の取り調べで、検事が容疑者の人格を否定するような発言を繰り返して...
税収が好調だからといって、歳出膨張が許されるはずはない。多額の借金に頼る点に変わりはないからだ。自然災害をはじめ将来の危機に備えるためにも、財政の深刻さに向き合い、健全化に取り組む時だ。 政府は、一般会計の総額が115兆5415億円と...
1966年の静岡県一家4人殺害事件で袴田巌さんの再審無罪が確定したのを受けて、最高検は再審や捜査に関する検証結果を公表した。その中で、警察の取り調べが連日深夜まで長時間にわたり、任意性を欠いていたとした上で「検察も、袴田さんを犯人と決めつ...
厚生労働省は年金制度改革に関する報告書をまとめた。来年の通常国会への法案提出を目指す。報告書は、働く高齢者の年金を減額する「在職老齢年金」の見直しや、「年収の壁」対策、遺族厚生年金の有期給付化など多岐にわたるが、焦点は基礎年金(国民年金)...
日銀は、過去四半世紀にわたる金融緩和策のレビュー(検証)結果を公表、同時に現在の政策について追加利上げの見送りを決めた。前者では、いわゆる異次元緩和がデフレでない状況をつくり出すなど「わが国経済に対してプラスの影響をもたらした」と肯定的に...
与野党伯仲下で迎えた初めての臨時国会が閉幕した。野党の協力がなければ予算も法案も成立しない少数与党だけに、野党の提案に向き合う場面が増えた。変化が生まれつつある言論の府の再生に向けた歩みをさらに進めなければならない。 国会で焦点となっ...
電話やメール、交流サイト(SNS)を介した特殊詐欺が全国的に横行し、大分県内でも被害が過去最悪を更新している。県警は警告や録音機能付きの電話の設置や、着信に「+」の表示が出る国際電話には出ないようにするなどの対策を逐次情報発信しているが、...
北九州市のファストフード店で中学3年の男女が殺傷された事件で、地元警察が近くに住む43歳の男の容疑者を逮捕した。事件発生から6日目のことだ。 この間、地域住民らは強い不安に襲われ、小中高校などの児童生徒ら延べ1万人近くが登校を見合わせ...
自民党の派閥裏金事件で、旧安倍派幹部が真相を知りうる立場にあり、重い責任を負っていることが改めて浮き彫りになったと言える。政治不信の解消には、証人喚問などでさらに説明を求める必要があろう。 衆参両院で裏金事件を巡る政治倫理審査会が相次...
自民・公明の与党は2025年度の税制改正大綱を決定した。所得税が生じる「年収103万円の壁」の引き上げを明記し、防衛増税の開始時期では法人税とたばこ税は決めたものの、所得税は先送りした。 衆院で過半数を割る与党が国会運営の協力を得るた...
日本を代表するメーカーの大型再編が実現するかもしれないが、華やかさよりも切迫感ばかりが漂っている。 ホンダと日産自動車が経営統合の交渉に入る。日産は業績不振から抜け出せず、ホンダも電気自動車(EV)の開発やデジタル技術との融合に不安が...
野党7党提出の政治資金規正法再改正案が衆院本会議で可決された。参院審議を経て今国会で成立する見通しだ。 自民党の派閥裏金事件を踏まえた再改正案は、使途公開不要な政策活動費の全面廃止が柱。自民は政党の資金支出先を一部非公開にできる独自法...
闇バイトが絡む強盗事件を巡り、警察庁は「仮装身分捜査」を導入する方針を固めた。捜査員が交流サイト(SNS)などを通じて闇バイトに応募し、偽の運転免許証などの画像を送信して架空の人物に成り済ます。実行役として犯行グループに潜入。指示役らとや...
大げさな身ぶりに惑わされ、戦略の進化を見逃してはならない。 来年1月、米大統領に就任するトランプ氏が中国、メキシコ、カナダからの輸入品の関税を引き上げると表明した。 メキシコやカナダには不法移民や麻薬が米国に流入するのを防止するこ...
兵庫県知事選で再選された斎藤元彦知事は交流サイト(SNS)を積極的に活用し、若者を中心に支持を大きく伸ばしたとされる。その威力を目の当たりにした各党は来年の参院選をにらみ、インターネット戦略の練り直しを急ぐ。一方、選挙戦のさなかにはSNS...
韓国の尹錫悦大統領が、民意によってその権力を封じられた。非常戒厳を一時宣言した尹氏に対し、韓国国会は弾劾訴追案を賛成多数で可決した。尹氏は職務停止となり、憲法裁判所が最長180日間をかけて、罷免するかどうかを審理する。尹氏は、野党の攻勢で...
厚生労働省が公的医療保険の「高額療養費制度」の見直しを検討している。同制度は、患者が医療機関の窓口で支払う自己負担に1カ月当たりの上限額を設け、大きな手術などによる高額な医療費の負担に歯止めをかける仕組みだ。利用実績は2021年度で計61...
大分市と大分空港(国東市)の定期便就航が間近に迫ったホーバークラフト。空港へのアクセス改善や県観光の起爆剤としての期待は大きい。一方で国への報告を怠ったなどとして運航会社の操縦士らが大分地検に3度書類送検された。国内唯一の運航ではあるが、...
韓国の尹錫悦大統領が、自ら手を下した民主主義を否定する行為によって窮地に立たされている。 尹氏に「非常戒厳」を進言したとされる最側近の前国防相を内乱の疑いで検察が逮捕。警察は警察庁長官とソウル警察庁長官を拘束し、大統領府の家宅捜索に着...
日本原水爆被害者団体協議会(被団協)へのノーベル平和賞授賞式が、ノルウェー・オスロで開かれた。人類史上で唯一、核兵器で被爆した当事者として「ふたたび被爆者をつくるな」と核廃絶を訴え続けてきた努力が世界に認められた。心から祝意を送りたい。 ...
シリアの反体制派が首都ダマスカスを制圧し、アサド大統領の政権が崩壊した。父ハフェズ氏の代から半世紀以上続いた独裁体制が終焉(しゅうえん)し、2011年から続く泥沼の内戦にもようやく出口が見えた。 攻勢を主導した過激派組織「シリア解放機...
静岡県で1966年に起きた一家4人殺害事件で再審無罪が確定した袴田巌さんと姉ひで子さんに静岡地検の検事正が面会し、謝罪した。「長期間にわたり法的地位が不安定な状況となり、大変申し訳なく思う」と頭を下げた。また「控訴しないと決めた以上、袴田...
雇用されて働き、一定以上の収入がある高齢者の厚生年金の支給を減額する「在職老齢年金制度」について、厚生労働省は見直す検討に入った。 同制度は、賃金と厚生年金(基礎年金を除く)の合計額が月50万円を上回ると、超過額の2分の1に当たる年金...
プラスチックごみによる環境汚染を防ぐための国際条約作りを進める政府間交渉委員会は、条約案への合意を先送りすることを決めた。各国の意見の隔たりは大きいが、汚染は深刻化する一方で、一刻の猶予もならない。交渉に前向きだったとは言えない日本も含め...
韓国の尹錫悦大統領が緊急談話を発表し、非常戒厳を宣言した。国会で過半数を占める野党が政府高官の弾劾訴追案を繰り返し提出するなどし、国政をまひさせているとして「憲政秩序を守る」ことを理由に挙げているが、民主主義の根幹を脅かす暴挙で到底理解で...
衆院選で議席を減らした日本維新の会は、新たな代表に吉村洋文大阪府知事を選出した。待ったなしの課題は党の再建だ。国政の場での立ち位置を明確にして足元を固め、政策力を磨き、一致結束していくほかない。 昨年の統一地方選で躍進し、野党第1党の...
自民党の裏金事件で増幅した政治不信は解消できるのか。その剣が峰に与野党ともに立たされた国会論戦がスタートした。各党は政治再生に向け、国民が納得する説得力ある主張を展開し、政府も積極的に応えてもらいたい。 石破茂首相の所信表明演説に対す...
2020年9月に予定されていた香港立法会(議会)選挙で政権転覆を共謀したとして香港国家安全維持法(国安法)違反に問われた民主派の元議員ら45人に対し、香港高等法院(高裁)は懲役10年~4年2月を言い渡した。 元議員らは議会選で過半数を...
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