東京電力は福島第1原発2号機で、溶け落ちた核燃料(デブリ)の試験的な取り出しを完了したと発表した。 デブリの採取は2011年3月の原発事故後初めてで、廃炉に向け一歩前進したといえる。だが今回はごくわずかで、全量を取り出せる見通しは立っ...
自民党の石破茂総裁が衆参両院の首相指名選挙で再び首相に選出され、第2次石破内閣を発足させた。 先の衆院選で自民、公明両党の与党が過半数を割った。自民派閥の裏金事件への真摯(しんし)な反省がうかがえない石破首相の政権運営に、有権者が不信...
高齢化の進展に伴い、認知症やその疑いのある人の行方不明が後を絶たない。命に関わる危険性があるものの、介護に当たる家族が常時見守り続けることは難しい。誰もがなり得る認知症への理解を深め、行方不明者が出た際、地域ぐるみで捜す体制の拡充が求めら...
自民、公明の与党は国民民主党と政策協議を始めた。国民の要求する所得税「103万円の壁」の引き上げと、「トリガー条項」の凍結解除を含む価格引き下げのためのガソリン減税が焦点だ。 しかしいずれも内容次第では大幅に税収が減ったり、国民間の不...
米大統領選で共和党のトランプ前大統領が勝利を収めた。中国やロシアなどの覇権主義国が従来の世界秩序を変える姿勢を強める中で、米国第一主義を掲げる同氏の再登板は国際社会に不安と動揺を与えている。 親密な同盟国を自任する日本はトランプ政権に...
米国の大統領選で、共和党候補のトランプ前大統領が勝利した。2度の弾劾訴追に加え議会襲撃など4事件での起訴、2度の暗殺未遂を経験した異例ずくめの政治家が、世界で最も重要な権力の座に再び就く。 トランプ氏は、東部ペンシルベニア州など重要な...
北朝鮮が、ウクライナ侵攻を続けるロシアへ、大規模な派兵を進めているとみられる。侵略への加担という国際法を踏みにじる行為で、決して許されない。ロシアと北朝鮮の軍事協力が深まれば、朝鮮半島情勢に影響を与える可能性が高く、東アジアの安全保障を揺...
東北電力の女川原発(宮城県女川町、石巻市)2号機が再稼働した。 2011年の東京電力福島第1原発事故から13年7カ月。事故の後、再稼働はこれで13基目だ。女川原発は東日本大震災の被災地にある原発として初、また福島第1原発と同じ構造の沸...
国連の女性差別撤廃委員会が、日本の女性政策について「最終見解」を公表した。8年ぶりとなる日本への対面審査を経て、選択的夫婦別姓を導入するよう勧告した。 国内外から「差別だ」と指摘されている状況を、日本政府は放置してきた。女性を差別し、...
首都圏を中心に闇バイト強盗が相次ぎ、社会への大きな脅威になっている。交流サイト(SNS)の「高額報酬」「即日即金」といった投稿で集められた若者が複数で押し入り、住人を縛り上げて暴行。主に一戸建てに住む高齢者を狙う。横浜市の事件では、75歳...
自民党と国民民主党は幹事長会談で、与野党の枠を超えて政策協議を開始することで一致した。両党は、公明党を交えて政策ごとに連携する「部分連合」を模索していくことになる。 先の衆院選では、自民派閥の裏金事件に対する有権者の反発が収まらず、自...
一向に重い腰を上げようとしない立法府に、司法が繰り返し対応を迫ったと言えるだろう。 同性婚を認めない現行法制の適否が争われた訴訟の控訴審判決で、東京高裁が「違憲」と断じた。同種訴訟6件のうち、高裁レベルの判決は2例目だが、1例目の札幌...
今回の衆院選がもたらした与野党の議席が伯仲する状況は、政治に緊張感を生み、国会を再生させるチャンスだ。自民党1強体制の終焉(しゅうえん)を契機に、本来の使命である熟議を通じて幅広い合意を追求する場に脱皮してもらいたい。 2012年の衆...
米大統領選の投開票が11月5日に迫った。民主党のハリス副大統領と共和党のトランプ前大統領が、歴史的な接戦を展開中だ。求められるのは国民の深刻な分断に対する政治の処方箋だが、過激な発言や個人攻撃が目立ち、融和の道や新しい米国の姿は浮かんでこ...
衆院選で自民、公明両党が過半数割れの大敗を喫した。反省の色が見られない、政治とカネの問題に対する有権者による怒りの表明であることは間違いない。同時に安倍政権以来続いた、少数意見に耳を貸さない1強政治への疑念が背景にあることを与野党双方は忘...
政権選択選挙に位置付けられる衆院選で、自民党は単独過半数に届かなかった上、公明党と合わせた与党公認での過半数割れが確実となった。自民の派閥裏金事件に対する有権者の反発、怒りが要因であることは間違いない。 最大の焦点は小選挙区と比例代表...
衆院選が投票日を迎えた。自分たちのことは自分たちで決める、それが憲法に定められた国民主権の精神。そのための代表を選ぶのが選挙だ。私たちの意思を政治に伝える1票の重みをあらためてかみしめよう。 投票の物差しは二つ、「過去」と「未来」に対...
電話やSNS(交流サイト)を使った詐欺が深刻な社会問題となる中、「警察官をかたる詐欺被害」が全国的に広がっている。大分県内でも10月に入ってから急増。巧妙化する詐欺に対する注意喚起と手口の周知徹底が求められる。続発する卑劣な犯行を許しては...
静岡県の一家4人殺害事件から58年もの歳月を経て、いったんは死刑とされた袴田巌さんの再審無罪が確定し、わずか2週間後である。別の事件でまたもや再審開始の判断が示された。 38年前の福井市女子中学生殺害事件で既に懲役7年の刑を終えた男性...
憲法の改正を巡る衆院選の各党公約は、どの条項を優先するのかで主張の隔たりが目立つ。 各党がどの条項の改正に優先的に取り組もうとしているのか。選挙戦でしっかりと説明してもらいたい。有権者はその中身を比較し、違いを見極めたい。 自民党...
衆院選の論戦は後半に入った。日本は2040年ごろ高齢者人口がピークを迎え、働き手の現役世代が急減していく。社会保障制度を持続可能にして将来に引き継ぐにはどうするべきか。その議論が避けて通れない。 年金、医療、介護などの社会保障はサービ...
民主主義の基盤である選挙のさなかに、またしても政治に対する暴力事件が起きた。 衆院選公示後初の週末となった19日早朝、政治の中枢施設である東京・永田町の自民党本部と首相官邸が相次いで火炎瓶などで襲われ、49歳の男が現行犯逮捕された。 ...
中国が台湾を包囲する軍事演習を実施し、北朝鮮が韓国に向かう道路を爆破する状況下での衆院選となった。日本周辺の緊張緩和をどう実現するのか。与野党の外交・安全保障戦略が問われる。 自民党は岸田前政権の路線を踏襲し、日米同盟を基軸とする防衛...
中国は台湾を包囲する海空域で軍事演習を行った。台湾が正式名称とする「中華民国」の双十節(建国記念日に相当)を祝う式典で、頼清徳総統が「一つの中国」原則を認めない立場を表明したことなどに反発した。 中国はロシアのウクライナ侵攻など地域紛...
いまが右肩上がりの時代でないことは誰もが知っている。むしろこの先20年ほどは、日本の人口減少と高齢化が一層進む見通しだ。その次代を生きる子や孫の負う国の借金など「重荷」は、できるだけ軽いのが望ましい。衆院選で有権者は、各党の物価高対策や経...
失墜した政治の信頼を取り戻せるのか。衆院選の最大の争点は、政治とカネを巡る問題への対応だ。ところが、石破茂首相の判断は甘く、改革に懸ける熱量は極めて乏しい。「平成の政治改革」で若手論客として注目を集めた面影はない。 石破首相は、自民党...
大人に代わって家族の介護や世話を日常的に担う「ヤングケアラー」。大分県内に少なくとも2100人いるとの調査結果が明らかになった。自治体や関係機関が連携し、悩みを抱える子どもの存在に気づき、本人の将来にまで影響が出ないよう支援する取り組みが...
衆院選が公示され、小選挙区289、比例代表176の計465議席を争う選挙戦に突入した。大分県内では3小選挙区に計10人が立候補を届け出た。各候補には27日の投開票に向け、有権者の審判に値する論戦を望みたい。 政権選択と位置付けられる、...
衆院が解散され、事実上の選挙戦に突入した。注目度は高いとはいえないが、今の日本にとって極めて重要なものにエネルギー政策がある。異常気象の多発を招く気候危機対策に密接に関連し、国の将来や国際社会での日本の立ち位置にも大きな影響を与えるからだ...
石破茂首相は、ラオスで開かれた東南アジア諸国連合(ASEAN)関連会議に出席、各国首脳との2国間会談もこなし、外交デビューした。就任わずか10日の外国訪問とあって、信頼関係構築のきっかけにすることに主眼が置かれた。 注目されたのは、両...
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