韓国の尹錫悦大統領が、民意によってその権力を封じられた。非常戒厳を一時宣言した尹氏に対し、韓国国会は弾劾訴追案を賛成多数で可決した。尹氏は職務停止となり、憲法裁判所が最長180日間をかけて、罷免するかどうかを審理する。尹氏は、野党の攻勢で...
厚生労働省が公的医療保険の「高額療養費制度」の見直しを検討している。同制度は、患者が医療機関の窓口で支払う自己負担に1カ月当たりの上限額を設け、大きな手術などによる高額な医療費の負担に歯止めをかける仕組みだ。利用実績は2021年度で計61...
大分市と大分空港(国東市)の定期便就航が間近に迫ったホーバークラフト。空港へのアクセス改善や県観光の起爆剤としての期待は大きい。一方で国への報告を怠ったなどとして運航会社の操縦士らが大分地検に3度書類送検された。国内唯一の運航ではあるが、...
韓国の尹錫悦大統領が、自ら手を下した民主主義を否定する行為によって窮地に立たされている。 尹氏に「非常戒厳」を進言したとされる最側近の前国防相を内乱の疑いで検察が逮捕。警察は警察庁長官とソウル警察庁長官を拘束し、大統領府の家宅捜索に着...
日本原水爆被害者団体協議会(被団協)へのノーベル平和賞授賞式が、ノルウェー・オスロで開かれた。人類史上で唯一、核兵器で被爆した当事者として「ふたたび被爆者をつくるな」と核廃絶を訴え続けてきた努力が世界に認められた。心から祝意を送りたい。 ...
シリアの反体制派が首都ダマスカスを制圧し、アサド大統領の政権が崩壊した。父ハフェズ氏の代から半世紀以上続いた独裁体制が終焉(しゅうえん)し、2011年から続く泥沼の内戦にもようやく出口が見えた。 攻勢を主導した過激派組織「シリア解放機...
静岡県で1966年に起きた一家4人殺害事件で再審無罪が確定した袴田巌さんと姉ひで子さんに静岡地検の検事正が面会し、謝罪した。「長期間にわたり法的地位が不安定な状況となり、大変申し訳なく思う」と頭を下げた。また「控訴しないと決めた以上、袴田...
雇用されて働き、一定以上の収入がある高齢者の厚生年金の支給を減額する「在職老齢年金制度」について、厚生労働省は見直す検討に入った。 同制度は、賃金と厚生年金(基礎年金を除く)の合計額が月50万円を上回ると、超過額の2分の1に当たる年金...
プラスチックごみによる環境汚染を防ぐための国際条約作りを進める政府間交渉委員会は、条約案への合意を先送りすることを決めた。各国の意見の隔たりは大きいが、汚染は深刻化する一方で、一刻の猶予もならない。交渉に前向きだったとは言えない日本も含め...
韓国の尹錫悦大統領が緊急談話を発表し、非常戒厳を宣言した。国会で過半数を占める野党が政府高官の弾劾訴追案を繰り返し提出するなどし、国政をまひさせているとして「憲政秩序を守る」ことを理由に挙げているが、民主主義の根幹を脅かす暴挙で到底理解で...
衆院選で議席を減らした日本維新の会は、新たな代表に吉村洋文大阪府知事を選出した。待ったなしの課題は党の再建だ。国政の場での立ち位置を明確にして足元を固め、政策力を磨き、一致結束していくほかない。 昨年の統一地方選で躍進し、野党第1党の...
自民党の裏金事件で増幅した政治不信は解消できるのか。その剣が峰に与野党ともに立たされた国会論戦がスタートした。各党は政治再生に向け、国民が納得する説得力ある主張を展開し、政府も積極的に応えてもらいたい。 石破茂首相の所信表明演説に対す...
2020年9月に予定されていた香港立法会(議会)選挙で政権転覆を共謀したとして香港国家安全維持法(国安法)違反に問われた民主派の元議員ら45人に対し、香港高等法院(高裁)は懲役10年~4年2月を言い渡した。 元議員らは議会選で過半数を...
医療機関への受診時に使う従来の健康保険証は2日で新規発行が停止される。石破茂首相は自民党総裁選で、マイナンバーカードに保険証機能を持たせたマイナ保険証との併用を選択肢として挙げたが、結局政府はマイナ保険証への一本化を貫く。利用率が十数%と...
石破茂首相が衆院選後、初の所信表明演説に臨んだ。少数与党の国会情勢の下、政権延命の数合わせに走るのではなく、国民の期待に向き合う姿勢が求められる。持ち前の生真面目さを武器に、難局を正面突破する覚悟を示してほしい。 所信表明は前半に重要...
「故意」か「過失」か。大分市の時速194キロ交通死亡事故の裁判員裁判で、大分地裁は被告の男(23)に悪質運転に適用される危険運転致死罪に相当するとして懲役8年の実刑判決を言い渡した。危険運転の適用要件の曖昧さからその可否が争われた裁判。発...
昨年10月以来続いてきたイスラエルとレバノンの親イラン民兵組織ヒズボラの戦闘を巡り、60日間の停戦合意が成立した。レバノンで約3800人が死亡、100万人超の避難民が発生した人道危機を前に、戦闘停止は急務だった。双方の決断と米国などの仲介...
政治とカネの問題の抜本改革なくして、信頼回復は困難だ。その場しのぎの対応は通用せず、与党の覚悟が問われる。 自民党は政治資金規正法の再改正に向けた基本方針をまとめ、与野党協議が始まった。最大の争点は企業・団体献金の扱いだ。野党は「腐敗...
アゼルバイジャンで開かれていた気候変動枠組み条約第29回締約国会議(COP29)は、発展途上国の温暖化対策のため先進国が2035年までに官民合わせて少なくとも年3千億ドルを支援するとの目標で合意した。 一定の成果ではあるが、既に気候危...
いま国民に不可欠な政策は何かの議論をなおざりにして、政権延命と党利党略を優先した結果だろう。総花的で焦点が定まらず、歳出規模が膨張したのは当然と言える。 政府は経済対策を閣議決定した。物価高対策として低所得世帯への給付金に加え、ガソリ...
現代日本を代表する詩人の谷川俊太郎さんが92歳で死去した。70年を超える活動で詩の世界はもとより、翻訳、音楽、映画など多彩な分野に足跡を残した。表現は軽やかに見えるが、反戦の思いを込めた詩などで現代社会に厳しい視線を向ける人でもあった。言...
スポーツの国際舞台でこれほど高く評価され、愛される日本選手がこれまでいただろうか。大リーグ、ドジャースの大谷翔平選手がナ・リーグの最優秀選手(MVP)に選ばれた。ア・リーグ時代の2度の受賞に続く2年連続3度目の栄誉だ。東北地方出身の青年が...
ソニーグループが出版大手KADOKAWAを買収するための協議に入った。音楽、映画、ゲームなどエンターテインメント事業の先駆けであるソニーはKADOKAWAの持つ豊富なアニメや動画に魅力を感じているのだろう。 グループの売上高が13兆円...
米共和党のトランプ次期大統領が、新政権の閣僚候補を次々に発表している。対中強硬路線や地球温暖化対策の拒否など政権の方向性が示される一方、司法長官など主要ポスト候補の資質に早くも疑問符が付いた。 上院での指名承認は波乱含みだが、トランプ...
兵庫県知事選で、前職の斎藤元彦氏が当選を果たした。知事だった時に自らのパワハラ疑惑などを告発する文書が配布され、側近らに告発者の特定を指示。県の公益通報窓口にも通報していた元県幹部の男性を懲戒処分にしたが、男性は「死をもって抗議する」との...
日中両国の間には諸懸案が山積みのまま放置されている。一層の対話促進につなげ、冷え込んだ関係を仕切り直すきっかけにしてもらいたい。 石破茂首相が中国の習近平国家主席と訪問先のペルーで初の首脳会談に臨んだ。両氏は東京電力福島第1原発の処理...
日弁連が事務局を担う「日本の死刑制度について考える懇話会」が「現行制度には放置できない数多くの問題があり、このまま存続させてはならない」とし、国会などに検討組織を設置して存廃や改革を議論するよう求める報告書をまとめた。 民間の懇話会で...
厚生労働省は、パートなど短時間労働者が厚生年金に加入しなければならない収入要件「106万円の壁」を撤廃する方向で調整している。勤務先の従業員数を51人以上とする要件もなくす。学生ではなく労働時間が週20時間以上なら収入を問わず加入が必要に...
国内の障害者スポーツの草分けとなった「大分国際車いすマラソン」が17日、大分市で開かれる。43回目の今年は県内からの31人を含め国内外の計223人がエントリー。福祉先進県を標ぼうする大分ならではのホスピタリティで、己の限界に挑む選手たちを...
文部科学省の調査で、2023年度に全国の小中高校などが認知したいじめは73万2568件に上る。子どもの心身に深刻な被害が及んだり、長期欠席につながったりした「重大事態」は1306件。22年度から4割余りも増え、初めて千件を超えた。いずれも...
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