臼杵市でツーリズムの推進活動などに励む小金丸麻子さん。「地域に根差した場所で暮らしていきたい」と語る
「うすきツーリズム活性化協議会」の事務局員として、臼杵市や九州のグリーンツーリズムの推進、地域おこし協力隊への支援、街おこしイベントの展開など多様な活動に奮闘中。地域を元気にするため、人と人、団体と団体、資源と資源をそれぞれの手法で紡いでいく「コーディネーター」を自任する。
大学卒業後、宇佐市や地元の福岡県で働いた後、知人の紹介で同協議会に入り、臼杵市に移住。「比較的都会の福岡市で過ごすよりも、より地域に根差した場所で住民と共に考え、暮らしていきたい」と考えていたさなかだった。
もともと、途上国の貧困問題などに取り組む国際協力に関心があった。学生時代、勉強や海外での経験を重ねるうち、徐々に国内に目が向くように。「どこの国も地方の疲弊など同じ問題を抱えている。まず日本の地方を知り、問題解決に役立ちたいと思った」。農村漁村の再興、伝統文化の保護など、「日本の地方が元気であれば、国内外によりよいメッセージを送れる」と考えている。
現在、特に力を入れるのは、臼杵の暮らしを体験する参加型ツアー「種まく暮らし」。農産物の収穫や釣り、日曜大工、竹細工など、臼杵に息づく日常を体感する。「暮らしの中の当たり前を伝え、交流や臼杵への関心のきっかけにしてほしい」との思いを込めた。
種まく暮らしのもう一つの目的は「地域の魅力の再発見」だ。市外からの参加者を迎え、暮らしを伝える中で、住民に臼杵の素晴らしさに気付いてほしいと願っている。
移住定住を増やすのも、地域に活力を呼び込むのも、主体となるのは地域。だからこそ、「そこに住む人自らが価値や魅力を見いだし広げていく、その手助けをしている」。
【プロフィル】
福岡市出身。立命館アジア太平洋大学を卒業後、安心院町グリーンツーリズム研究会(宇佐市)などを経て、2013年に臼杵市に移住。臼杵市内のコミュニティーハウス「A・KA・RI(あかり)」に暮らす。29歳。