数年ぶりに歯科医にかかった。奥歯に強い痛みを感じて、駆け込んだ。前に治療した歯に抱えた違和感を放っておいたのが悪かった。生きるため大切な器官だと実感させられる。「歯が立たない」「歯止めをかける」「歯牙にもかけない」。...
体づくりや変化球などの身体的な目標以上に、メンタル、人間性など精神面の項目が特徴的だ。...
「おひとりさま消費」と言うと行動の嗜好(しこう)や商機と捉えて肯定的な響きもなくはない。それが「おひとりさま社会」となると孤独やわびしさを感じてしまう。...
「自分の特性と向き合うのは大変。でもやりがいのある仕事に就きたい」。働くことを真剣に考える姿勢が伝わってきた▼知的障害のある生徒が就労を目指す「さくらの杜(もり)高等支援学校」(大分市)で企業向け見学会があった。...
1981年から収集を始めたという日本画に特化したコレクションは、1100点に上る。94年に開館した二階堂美術館が30周年を迎えた。...
怪しいメールが届いた。「大変お世話になった。今度会ったときに先日のお礼がしたい」といった内容で、文末には体調を気遣う記述がある。誰なのか名乗っていないし、知らないアドレスなので無視した。...
何げなく手に取った本が新しい興味の世界にいざなってくれる、そんな体験は読書の醍醐味(だいごみ)だろう。筆者には全く門外漢の漢詩の世界を垣間見せてくれたのは、葉室麟の歴史小説『雨と詩人と落花と』。...
「合理的配慮」が定着しつつあるが、社会福祉法人「太陽の家」理事長の山下達夫さんはこの言葉への違和感を訴える。...
秋の深まりと、冬への備えと。両方が同時進行するのが11月だと思っていた。7日は立冬。七十二候だと12~16日が「地始凍(ちはじめてこおる)」。暦の上では冬の足音を感じる言葉が並んでいる。...
夜の田舎道でシカを見かけた。数十年前には通り周辺で姿を見るようなことはなかった場所なので、ちょっと驚いた。初めて耳にした鳴き声は意外と甲高い。松尾芭蕉の句に「びいと啼(なく)尻声悲し夜の鹿(しか)」とある。...
河川敷に広げられたござに腰を下ろした大勢の家族連れ。夜間、かがり火をたいて繰り広げられた「合戦絵巻」を見物する光景は行事の歴史は浅いながら祭りの原風景を感じさせた。...
発酵デザイナーの小倉ヒラクさんは発酵文化の奥深さにとりつかれ、全国を回って情報発信している。...
与党として臨んだ10月下旬の総選挙で、自民・公明両党は過半数割れ。派閥裏金事件に端を発し、有権者の不信を買った政治はしばらく混迷が続きそうな状況になっている。...
昨年福島第1原発を視察した折に、東京電力の廃炉資料館(福島県富岡町)を訪れた。原発事故の振り返りや作業員たちの思いなどの展示と共に、溶融核燃料(デブリ)の取り出しに関するコーナーもあった。...
自宅でテレビを見ていたら画面の一角に黒いしみが現れ、みるみる全体を覆った。音声は聞こえるが映像は途絶え、画面はチラチラと点滅を繰り返すだけ。業者に点検してもらうとやはり故障。...
4年前の前回以上に共和、民主両党の大接戦になるとの大方の予想に反して、早い段階での決着だった。アメリカはどこか変わってしまったのだろうか…。そんなことを感じた大統領選だった。...
本屋に行くとなぜかトイレに行きたくなる。この状態を「青木まりこ現象」と呼ぶ。雑誌への投稿記事が発端で、作家の椎名誠さんが命名した。...
しばらく前からクモとの攻防が続いている。洗面台の前、窓辺に薄く広く糸を張る。毎朝、巣の成長ぶりを眺めながら、目に余るようになれば払うようにしている。...
「伝える」と「伝わる」。違いはたった一文字なのに、実のところ、その隔たりは受け手に聞くまで分からないし、後になってすれ違いに気付くこともある。...
米大統領選は世界が注目する。筆者が記者1年目の時は46歳の新人ビル・クリントン氏が、現職のブッシュ(父)氏に勝った。...
ペドロ&カプリシャスの「五番街のマリーへ」を口ずさめる読者は多いに違いない。阿久悠の詞の世界は想像にお任せするとして、大分市中心部にも「五番街」がある。...
政治とカネの問題が「自民1強」体制を崩し、政権与党を過半数割れに追い込んだ。先日投開票された第50回衆院選。...
さまざまな彫刻に触れて、輪郭や素材の感触を確かめる。逆にへこませた前方後円墳の中に身を横たえ、古墳の形を体感する。...
年齢を重ねるにつれ結婚式などの慶事よりも、葬儀などに参列する割合の方が増えてくる。...
一般的によく「タコの足」というが、研究者の立場からみれば腕なのだそうだ。タコやイカの知覚などを研究する琉球大学・池田譲教授は、タコを「腕で考える動物」と評している(『タコは海のスーパーインテリジェンス』)。...
北海道でJRに乗っていたら「次は、しゅうちゃくぅー、サッポロォー」というアナウンスが流れた。窓から夜の明かりが見え、ガタンゴトンと車輪の音が響く静かな車内で、「終着」という言い回しは心地よかった。...
秋空とは呼べない天候の下、各地でイベントやスポーツがめじろ押しだった昨日。何はさておき、総選挙の一日だった。...
久しぶりに生け垣の手入れをした。伸び伸びと枝葉を茂らせたキンモクセイが、だいだい色の花を咲かせていた。枝をつかむと何かしがみついている。セミの抜け殻だった。...
新聞原稿を伝書バトが運んでいた時代がある。各社の記者は取材現場にハトを連れて行き、記事や写真フィルムを持たせて空に放った。多くは超特急で鳩舎に戻ることができ、重宝された。...
子どもの広場が狭くて好きに遊べない。大人の選挙をまねて、投票で決めることにした。多数決で野球に決まったが、いろんなケースが出てきてうまくいかない。...
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