馬に乗った女性が詰め込んできた荷物は、たくさんの本だった。雨の日も、雪の日も、危険を恐れずに山を登ってくる。...
少年から青年へと、食べ盛りが頬張るご飯の量に驚かされる時期がある。箸を動かすたび、てんこ盛りの白ご飯が口の中に勢いよく消えていく。...
「男子厨房(ちゅうぼう)に入らず」なんて言葉はジェンダーフリー、ジェンダーレスの現代に不適格か。今では料理男子というカテゴリーもあるし、シニア男性向けの料理教室も人気。...
突然イスラエル軍の射撃場にすると宣言され、強制的に住宅を破壊される。...
「戦後間もない頃、小学校低学年でした」。大分市府内町に住んでいた女性読者(86)からの手紙。...
公安調査庁が公開したデジタルアーカイブのサイトは、いくつかの数字がちりばめられている。「1万1400人」は国内最盛期の構成員数。「1000丁」は教祖が製造指示した自動小銃の数。...
「もしもこんな…がいたら」。かつて有名なコントがあった。ラーメン屋の店主だったり税関職員だったり。実際にはあり得ないキャラクターに扮(ふん)した芸人が極端な表現と演出で笑わせる▼「もしも取引好きの大統領がいたら」。...
たい焼きにも天然と養殖がある。違いは焼き型にある。専用の焼き器で1匹ずつ焼くのが天然物。一度にたくさん焼くのが養殖物とされる。皮の食感やあんこの量などが異なるらしい▼タイは魚の王とも呼ばれる。...
当初は夕刊1面に組まれていたコラム。現在は朝刊中面に掲載の「灯」は、今も親しんでくださる読者が多いのではないか。...
パック入りのカイワレダイコンをザクッと切る。器に移し、かつお節を多めにつまんでのせ、しょうゆをかけてまぶす。ただそれだけでビールの友になる。ピリッとくる辛さが格別だ。切った後のスポンジは捨てず、水に浸しておく。...
海部俊樹元首相は若手の頃、恩師・三木武夫氏が自民党総裁選に敗れ男泣きに泣いたという。負けた悔しさのせいではなく、三木氏がカネを配っていたからだった。...
「外国人の就労支援をする会社を設立したい」。若者のスピーチは興味深いエピソードと志に満ちていた。...
とりちらかった頭と心を解きほぐすには、笑う、泣く、睡眠、没頭がよいらしい。吉野槇一さん著『脳内リセット!笑って泣いて健康術』で知った。笑いヨガ、涙活は人気。睡眠の大事さも昨今、指摘されている。...
大きいのや小さいの。ふぞろいな形が野性味を感じさせる。ほのかに土臭い山の空気と一緒に袋からこぼれ出た。...
初めて訪れたのは夕刻遅く。まだ震災の傷痕が生々しかった時期だった。ハロウィーンの明かりが犠牲となった子どもを慰めるようにともる以外は真っ暗。...
幼い頃、祖父に連れられて自家製の炭窯を訪れたことを、おぼろげに記憶している。当時炭を焼いていたか定かではないが、自宅の炭置き場には炭が積んであった。...
ツバキはゆるゆると咲き続ける。杵築市山香町のるるパークで開かれている「椿まつり」を観賞した。園内には屋内に約100種、屋外に約400種類があり、この時季は多くの品種が見頃を迎えている。...
蠢(うごめ)く。春の下に虫虫。春が来て小さな生き物が動き始める様子を表している。5日は二十四節気の「啓蟄(けいちつ)」だった。七十二候では「蟄虫啓戸(すごもりのむしとをひらく)」。...
発災翌日、家財が散乱しライフラインも寸断されていた。被災した大分県出身の男性は本紙の電話取材に「主な情報源はラジオ」と答えた。2011年の東日本大震災。...
国東市国東町の中央を流れる田深川がつくる豊かな沖積地に広がる田園地帯。...
〈「この味がいいね」と君が言ったから―〉。歌人、俵万智さんの「サラダ記念日」の一節。...
発生から1年余りで記憶が生々しい能登半島地震。復旧に全力を挙げる被災地では昨年9月の豪雨災害が「二重被災」を生んだ。...
誰が言い出したのか知らないが、「親ガチャ」なる言葉が大辞泉の新語大賞に選ばれたのは2021年のこと。...
ブレードランナー、バック・トゥ・ザ・フューチャー、フィフス・エレメント…。1980、90年代には夢の未来を描いた名作SF映画が多数誕生した。...
ようやくお目覚めか。梅がほころびはじめた。長引く最強寒波の影響で遅れていた。日中は暖かいと思える日もあったのだが自然界は正直だ。春を代表する季語で春告草、風待草の異名を持つ。「梅は百花の魁(さきがけ)」。...
時代とともに聞かれなくなる言葉がある。母親の子ども時代の思い出話に出てきた「モーヤン」は何だったか。辞書にはもちろんない。以後は耳にすることもなかった。...
ソフトとハード。柔らかい、固いと訳すのが一般的。やさしい、難しいの場合もある。IT慣れした人ならプログラムと機器と捉えるかもしれない。...
今年の大学入学共通テストに長谷川町子の漫画「意地悪ばあさん」が登場した。...
「誰一人として戦争を望んでいません。でもどうやって平和な世界を実現したらいいのでしょう?」。...
くじゅう連山で見る、澄んだ青空。人はそれを「くじゅうブルー」という。雪の山道で見上げる青は、ひときわ美しい▼先日、中岳山頂付近にある御池(みいけ)を目指して九重町の牧ノ戸峠を出発した。...
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