NHKテレビの「日曜美術館」で司会を務めたことがある姜尚中さんが五木寛之さんとの対談本で、絵画との劇的な出会いを語っている。...
2016年に山口県で日ロ首脳会談が開かれた際、交歓のディナーは日本料理のフルコースが供された。その数24品。みやびを尽くした逸品ばかりだった▼冒頭、プーチン大統領と安倍晋三首相(当時)はご機嫌に乾杯のグラスを傾け合った。...
まさか自分が。お恥ずかしい限りだが、詐欺サイトに引っかかりかけた。気を付けていたはずなのに。前から探していた本が見つかり、知らないサイトだったがつい会員登録してカード番号などを入力。...
夜中から未明。道路を行き交う車の音が静まる時間帯に、暗闇の中で鳥のさえずりが聞こえてくる。雨上がりで空気が湿っているときは特によく響く。...
朝、掃除機をかける。ほこりがたまっていく透明のボックスを見ると、日々の掃除の大切さを実感する。就寝前に風呂を洗う。洗剤で泡立てたスポンジを滑らせ、浴槽や床の汚れを落とす。...
時事芸人のプチ鹿島さん(54)は常々、「世の中の興味はほぼ人事」だと唱えている。それが正鵠(せいこく)を射ていることは、プロ野球に置き換えると分かりやすい▼打順をどう組むか。その中軸に誰を置くか。...
よき法律家は悪しき隣人―。米国建国の父の一人であるベンジャミン・フランクリンは、自らが手がけて評判になった格言入りカレンダーにこんな一句を入れた。理屈で巧みに言いくるめられたり、社会常識が通じなかったり…。...
「忘れ雪」は春の半ば過ぎに降る。きのう15日の朝、鶴見岳(1375メートル)の頂は氷点下1度まで冷え込み、季節外れの降雪で白く染まった。思えばあの日も木(こ)の芽(め)冷(び)えの晩春だった▼土曜日の未明であった。...
「世界の国からこんにちは」。三波春夫が歌った1970年の大阪万博がすぐ浮かぶ。発表された67年は筆者の生まれ年。...
喉元過ぎれば熱さ忘れるのは、われわれの国民性らしい。思想家の和辻哲郎は著書『風土―人間学的考察』で日本人の性格を台風に例えた。...
人口わずか1300人余りの中津江村。サッカーW杯出場国・カメルーンのキャンプインが決まって以来、静かな「山村」は一躍、全世界が注目する「ときのムラ」となった―。...
硫黄島で戦死した栗林忠道中将の辞世の句は「散るぞ悲しき」で結ばれていたが、公表では「散るぞ口惜し」に改変された。軍人にふさわしくないとの大本営の思惑を反映したものだ。...
米(コメ)と米(アメリカ)の問題が日本の暮らしと経済を席巻している。仕事柄もあるが、新聞各紙に目を通していてつくづくそう感じる。どちらの「米」も先行き不透明感が強い▼「備蓄米放出の効果見えず」。...
おにぎりの形をした別府市の扇山(792メートル)はいわゆる通称で、正式名を大平山(おおひらやま)という。...
18歳。この年齢でビクトリア女王は即位し、19世紀末まで大英帝国を統治した。フランソワーズ・サガンは世界的ベストセラー『悲しみよこんにちは』を出版。...
「持続可能な開発目標」。SDGsという英略語を直訳した言葉の認知度はだいぶ高まった。2015年の国連サミットで採決され、貧困から環境、労働問題まで17のゴールが示された。...
やってみよう! ロックバンドWANIMA(ワニマ)の同名曲はいつ聴いても元気をくれる。...
「昨今のテレビ番組では爆食ともいえる感謝の気持ちがないような放送が多くなった」。...
英国は18世紀、国内の重税にならい植民地だったアメリカに関税を課す。茶葉の貿易と利益を英国の会社が独占できるよう、法律が制定された。横暴な姿勢に憤ったボストン市民は商船から積み荷の茶を投げ捨てる。...
春分から数えて15日目は二十四節気の「清明」。清浄明潔(しょうじょうめいけつ)の略で、万物が春の陽光を受けて清らかな気に満ち、明るく生き生きと輝く。あやかって身の回りを清めたい。...
え、今頃?と呆気(あっけ)に取られる方もいよう。この期に及んで大分県民を仰天させるトイレ未整備問題である。コトによっては「運航はできぬ」と国はニベもない。...
見放されがちな国をさらなる試練が見舞った。ミャンマーで起きた大地震は、2千人以上の死者が確認された。発生から72時間が経過し、なお全容が見えない。...
花冷えしてくれて良かった。思わずそんな言葉が口について出た。自宅近くで目を楽しませてくれる桜が早くも満開に。強い風が吹くとちらほら花びらが舞う。...
「ホタルイカの身投げ」というなんとも物騒な言葉がある。春の富山湾で見られる風物詩。波の穏やかな新月の夜、産卵期を迎えたホタルイカが浜辺に集まり、青白く神秘的な光で湾を埋め尽くす。...
明るく南国的な九州の山のイメージを端的に表しているのは、たおやかな九重の山と高原を置いて他にない。...
朝の出勤前は忙しい。いつも何かをしながら別のこともやっている。その日はテレビ大分のニュースの音声を聞きながらベランダで洗濯物を干していた。アナウンサーが「峠工事の安全確保」と言っていた▼峠。郷愁を誘う響きだ。...
平成から令和に変わった年だった。私用で京都に赴いた際、大徳寺で千利休の墓がある塔頭(たっちゅう)などを見学した。有料の薄茶を所望すると、まさかご住職直々のお点前とは思いもよらなかった。...
ありがとう。感謝の言葉。魔法の言葉。パナソニックの創業者で「経営の神様」と称される松下幸之助氏は感謝の心が大事だと説いた。「感謝の心が高まれば高まるほど、それに正比例して幸福感が高まっていく。...
3月の天気は荒れやすい。春めく景色の変化を見たいと先日、県道別府一の宮線でくじゅう方面へと車を走らせた。...
馬に乗った女性が詰め込んできた荷物は、たくさんの本だった。雨の日も、雪の日も、危険を恐れずに山を登ってくる。...
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