作詞家の故・阿久(あく)悠(ゆう)さんは高校野球を愛した。空の色、雲の形、選手の表情、1球の機微――。独自の「情緒的スコアブック」にそれらを克明に記録した▼甲子園は1970年代から春夏の全試合をウオッチした。...
米騒動、物価高、格差社会、疫病の流行、戦争…。現代の話ではない。1918(大正7)年の日本である。歴史は繰り返すというが、いやはや▼14年にヨーロッパで始まった抗争が第1次世界大戦に発展。...
日本中を揺るがす、信じられないニュースが駆け巡ったのは3年前のきょう。やはり選挙戦のさなかだった。元首相、安倍晋三氏が銃撃され命を落とした。...
ソフトクリームは和製英語である。...
なかなかご尊顔をお見かけしないと思っていたら、元々5千円札の新規発行数は他のお札よりかなり少ないんですね。そういえば前任者も女性でした。...
先月、小欄で梅を本みりんに漬けた自家製の梅酒について触れたところ、販売しなくても違法な行為に当たると、読者からご指摘を受けた。...
酔いがさめただろうか。ハッとわれに返っただろうか。飲酒検知を求められ、「夢であってくれ」と闇夜を仰いだであろうか▼例の大分県幹部職員による自転車の酒気帯び運転である。...
巧言令色。論語にある。「子曰(いわ)く、巧言令色、鮮(すくな)し仁」。孔先生がおっしゃるには、言葉巧みにおべっかを使ったり、取りつくろった表情ばかりしている人は仁徳に欠ける―そうだ。...
東京・恵比寿の都写真美術館で開かれている企画展『ヒロシマ1945』は、見る側の魂を静かに揺さぶる。モノクロで写し取られた惨状の「念」なのか。...
「政治や世の中の動き、いま話題の事柄を鋭く、時には風刺の効いた、心温まる筆致で描きます」。「東西南北」をPRするようでおこがましいが…。...
ちょっと前に雑煮やおせちを食べたと思っていたら、もう6月も最終日である。ドイツの詩人は言った。〈人生は退屈すれば長く、充実すれば短い〉。さて、あなたの2025年上半期はどうでしたか?▼思えばこの半年で世の中は激変した。...
上部からいえば「脳」に始まり、「腕」「胸」「肺」「股」「脚」、全身を覆う「肌」などなど。体の部位を表す多くの漢字の部首に「月」(にくづき)が用いられている。...
雨虎。読めますか? 答えは海の生き物「アメフラシ」。名前は放出する紫色の液体の広がる様が雨雲のようなことから。漢字は体表の模様からだそう▼きのう梅雨明けし、雨雲は当分広がらなさそうだ。...
ホーバークラフトがようやく来月から定期運航する運びと相成った。七転八倒の末の「いざ出航」である。誠に喜ばしい▼喜ばしいけれど、はて、感涙にむせぶほど歓喜する県民はどれぐらいいるだろう。素直にことほぎたい。...
『ドラえもん』のひみつ道具で実現してほしいのは「どこでもドア」か「タイムマシン」「もしもボックス」だろう。漫画はしばしば未来を予見していた。...
梅雨の茶話(さわ)。キャバレーの話をしよう。先週の小紙に、かつて別府市北浜にあった「クラブ銀座」の名物ママをしのぶ記事が載った▼旧懐の情を抱いたあなたはご年配の方だろう。...
〈「戦場の地獄」語る〉〈家族の肉片膝にべったり〉。本紙23日付おおいた総合面の見出し。住民が巻き込まれる地上戦となった沖縄戦は、一般県民9万4千人が犠牲になった。4人に1人ともいわれ、想像を絶する。...
「川柳」は人名である。柄井川柳(からいせんりゅう)(1718~90年)。季語など俳句の作法にとらわれず、自由な17音の詩を作るというジャンルを開拓。思うままに表現でき、風刺やユーモアを込めやすいことからブームに。...
田んぼ脇の水路はこの時期、水量豊かで苗の姿がみずみずしい。そんな光景から受け取る感慨にも今年ばかりは少々不安が交じる。自給率100%と思っていた稲作がどうも怪しい▼米の出来具合を示す作況指数を、農水省が廃止する。...
君。わが机の上にほゝゑ(ほえ)み給(たま)ふ美しき君。▼拝啓も前略もない書き出しから、内にある言葉があふれ出す。少し丸みのある文字は流れるように便せんを進み、こう続く。...
てんやわんやとは、おのおの(各自)を意味する「てんでん」と関西弁でむちゃくちゃの意の「わや」とを結合した言葉だそうだ。大辞泉に教わった▼全国の自治体がアタフタすること、かくのごときである。...
SF作家星新一の父、星一は製薬会社や薬科大を創設した実業家だが、政治家としての一面も持つ。1924年、周囲に押されて衆院選に出馬。...
梅の季節を感じた。学生時代の友人らが久々に県内外から集まった先日。酒は各自持ち寄りとし、日本酒や焼酎、ワインなどがそろった。そんな中、一つ下の後輩がかばんから取り出したのは小さなボトル。...
「日本人は生まれた順番を子どもの名前にします。イチロー、ジローといった具合です」。第2次世界大戦中、日本研究家に聞いたアメリカ人将軍は驚いた。...
「涙が出た」そうだ。大分県立の夜間中学が来春開校することは「大分合同新聞を見て知った。入学したい」。...
「地震、雷、火事、おやじ」。父親の存在の大きさや威厳を示す表現としてかつてはよく耳にしたが、「雷おやじ」となると少し違う。...
米トランプ政権の独断・偏見ぶりが目に余る。ハーバードなど名門大学への弾圧もその一つ。...
大分市の入札妨害事件を巡る足立信也市長の言を報道で目にした瞬間、ハッとした。...
「おまえはどんな種類のアメリカ人だ?」。映画「シビル・ウォー アメリカ最後の日」で、武装した市民がジャーナリストらを問い詰める。...
瞳に映った景色から場所を特定―。ドラマのような手法が、カメラなどの電子機器やIT技術の進歩で現実に可能になっている。マンホールや電信柱、自動販売機などからも位置が分かる。...
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