障害者スポーツの祭典、パリ・パラリンピックは、成功のうちに12日間の熱戦を終えた。世界最高の競技性を争う五輪とはひと味違い、人間の潜在能力と可能性の高さを示し、障害者への理解を促進する独自の存在感を遺憾なく示した。 パラリンピック開催...
南シナ海の領有権を巡る中国とフィリピンの対立が激化している。武装力が圧倒する中国は強引な威嚇を繰り返すが、力による現状変更は地域の安定を損ない、国際秩序を脅かす。外交で解決するべきで、中国には自制を求める。 フィリピンの発表によると、...
主食のコメが品薄になり、スーパーなどの店頭から精米が消えた地域もある。新米が出回ればコメ不足は解消する見通しだが消費者の不安は続いている。 品薄につながる動きは8月から始まっていたが、政府の対応は後手に回った。混乱を繰り返さないために...
自民党派閥の政治資金パーティー裏金事件で、国会議員が裏金を違法な使途に充てていたことが分かった初のケースと言っていいだろう。 安倍派に所属していた堀井学元衆院議員(辞職)が、地元有権者に違法な香典などを配ったとして公選法違反罪で略式起...
防衛省は2025年度予算の概算要求に、初めて8兆円台に乗る過去最大の防衛費を計上した。 他国のミサイル基地を破壊する反撃能力(敵基地攻撃能力)に使える米国製巡航ミサイル「トマホーク」の前倒し配備や、英国、イタリアと共同開発する次期戦闘...
現行の健康保険証を廃止し、マイナンバーカードに保険証機能を持たせた「マイナ保険証」へ一本化する12月2日まで、あと約3カ月となった。 しかし移行の前提となるマイナンバーカード保有の割合はなお70%台半ば。マイナ保険証の利用率に至っては...
兵庫県の斎藤元彦知事は県議会の調査特別委員会(百条委員会)による証人尋問に臨んだ。自身のパワハラ疑惑などを告発する文書を関係者に配布し、県の公益通報窓口に通報した元県幹部の男性を法的に保護される通報者として扱わず、停職の懲戒処分にした。男...
国民体育大会は「国体」として親しまれ、全国を巡回して開催されてきた。今年から名称を変えて国民スポーツ大会(国スポ)となったが、肥大化、開催経費、人気低下など多くの課題を抱えている。日本スポーツ協会は大会の在り方を見直す有識者会議を設置し9...
レバノンの親イラン民兵組織ヒズボラが、7月の最高幹部殺害への報復として、イスラエルへ大量のロケット弾を発射した。これに先立ち、イスラエル軍はヒズボラの攻撃を察知したとして拠点40カ所超を先制攻撃していた。 昨年10月にパレスチナ自治区...
自民党総裁選の告示まで2週間を切った。手を挙げたのは10人以上に上り、乱戦模様を見せている。派閥のくびきが解かれ、誰もが立候補できる状況を、生まれ変わった党の姿と呼ぶのだろうか。「刷新感」というイメージばかりが先行し、内実が伴っていなけれ...
「最強に近いクラス」とされた台風10号は、ゆっくりとした速度で九州を北上。大分県内は、かつて経験したことがないような長時間の暴風雨が続いている。台風が通過しても、これまでの大雨で地盤が緩んでいる地域もある。土砂災害などリスクの高い状態は続...
お盆期間中に高速道路での逆走事故が相次いだ。高速道路での逆走は2011年の集計開始以来、年200件程度で推移している。2日に1回以上の頻度で減る気配はない。正面衝突が多く、死亡事故になる確率が高い。逆走対策やドライバーへの啓発活動の強化が...
中国軍のY9情報収集機1機が長崎県の男女群島沖で、軍用機として初めて日本領空を侵犯し、日本政府は厳重抗議した。 領空侵犯は国際法に違反し、軍事的衝突が起きかねない危険な挑発行為だ。中国はきちんと説明すべきだ。日本側は中国軍の意図を冷静...
米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の移設先となる名護市辺野古沖の大浦湾側で国が先週、本格工事に着手した。海底に広がる軟弱地盤の改良のため7万本のくいを打ち込む前例のない作業が始まる。難航は必至だ。 軟弱地盤が見つかったことで工期は20...
11月5日の米大統領選で政権維持を目指す民主党は、中西部イリノイ州シカゴで開いた党大会でハリス副大統領の候補指名を確認。ハリス氏は指名受諾演説で「分断の過去と決別し前に進む」と宣言した。 4日間に及んだ大会は終始、明るい雰囲気に包まれ...
東京電力が福島第1原発からの処理水の海洋放出を開始、これを受けて中国が日本産水産物の全面輸入停止をしてから1年になる。 当時中国は日本の対応を激しく非難、在中国日本大使館などへの中国人の抗議電話も殺到した。その後、中国の対応はやや軟化...
今年7月の平均気温は平年より2・16度高く、1898年の統計開始以降で最も高かった。8月も35度以上の猛暑日が各地で相次ぐ。観測史上最も暑い夏だった昨年の記録を更新する勢いだ。 近年、気温が高い年が増えてきた。その大きな要因には二酸化...
政府は「過労死防止大綱」の改定版を閣議決定した。働き過ぎ防止を国の責務とする過労死等防止対策推進法の成立から10年。大綱は3年ごとに見直され、3回目となる今回は、残業の上限規制が今年4月から、それまで対象外だった自動車運転業や建設業、勤務...
戦争は幼い子どもの命を真っ先に奪う。太平洋戦争末期に沖縄の学童疎開船「対馬丸」が撃沈された。多くの犠牲を出した悲劇から22日で80年。教訓を胸に刻んで忘れぬ決意を新たにしたい。 戦火を避けるため九州に向かう学童や教員らを乗せた対馬丸は...
自民党総裁選が9月12日告示、27日投開票の日程で行われることが決まった。 現職総裁の岸田文雄首相は、派閥の裏金事件によって政権への信任を失い、再選出馬を断念した。その経緯を考えれば、選挙戦でまずもって問われるのは政治改革への取り組み...
例年にない暑さが続く中、川遊びや海岸での遊泳をしているうちに流されたり、溺れたりする中学生以下の水難事故が全国で多発している。子どもたちだけでなく必ず大人が同伴して見守り、ライフジャケット(救命胴衣)を着用させるなどして、悲しい事故を防ぎ...
内閣府が発表した4~6月期の国内総生産(GDP)は、前期比の年率換算で実質3・1%増だった。2四半期ぶりのプラス成長だが落ち込んだ前期からの反動要因が大きく、景気は依然力強さに欠けると言えよう。不安定な株価や円相場、海外経済への懸念から先...
岸田文雄首相を退陣表明に追い込んだ最大の要因は、自民党の派閥パーティーに絡む巨額の裏金事件を受けた政治改革への対応だった。 自身が「火の玉」になると宣言しながら、事件の実態解明には及び腰で、再発防止の政治資金規正法改正も、本質論を避け...
学校が、病院がなぜ被害を受けるのか。ロシアのウクライナ侵攻やイスラエルのパレスチナ自治区ガザでの戦闘で、非人道的な攻撃による犠牲が絶えない。攻撃した側は軍事拠点を狙った、相手側の武器による被害だなどと主張。根拠の不明な情報も飛び交う。終戦...
自民党派閥の裏金事件など相次いだ「政治とカネ」問題で内閣支持率が低迷し、退陣に追い込まれた形だ。国民の信頼を失った政権の末路を示したと言えよう。 岸田文雄首相が官邸で開いた記者会見で、再選がかかった9月の自民総裁選に立候補しない意向を...
ふるさと納税は「生まれ育ったふるさとに貢献」などがキャッチフレーズだ。2023年度の寄付総額は初めて1兆円を超え、1兆1175億円に達した。大分県内は計114億円。 この制度は実質年間2千円の負担で、所得に応じて設定される上限額まで肉...
最大の懸念だったテロ事件は起こらず、聖火が消えた。パリ五輪が閉幕した。無観客で寂しく幕を閉じた東京五輪閉会式から3年。約7万人がスタンドを埋めた閉会式は、スポーツの素晴らしさを再認識した観客の歓声と拍手に包まれた。 「広く開かれた大会...
全国の知事が集まる全国知事会議が福井市で開かれた。会議の焦点は急激な人口減少に対する国の対策をどう充実させるかだと言える。 昨年の出生数は約73万人と統計開始以来最少、2100年の総人口が半分になるという国立社会保障・人口問題研究所の...
全国各地の河川や水道、地下水などから有機フッ素化合物(PFAS=ピーファス)が検出されている。発がん性の可能性など健康への影響が指摘されており、調査対象の範囲を拡大し、汚染が見つかれば速やかに対策を取る必要がある。 PFASは1万種類...
巨大地震はいつ襲ってくるか分からない。日頃からの備えを再点検し、いざというときに命を守る行動につなげられるよう心構えをしておきたい。 8日午後4時43分ごろ、宮崎県南部で震度6弱の地震が発生。大分県内では佐伯、臼杵、竹田、大分の4市で...
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