災害発生時に被災者が避難所の固い床で雑魚寝するのが当たり前になってはいないか。4月の台湾東部沖地震では発災後2~3時間で避難所に防災用テントやベッドを設置、シャワー室や移動式トイレも追加された。温かい食事が提供されるなど迅速な対応に驚いた...
早期の衆院解散・総選挙が想定される中、立憲民主党は臨時党大会を開き、新代表に野田佳彦元首相を選出した。 野党第1党の立民は野田氏の下で政権交代を目指すが、ほかの野党を含めても衆院の議席数は与党の自民党に及ばない。 公明党との連立で...
北海道・知床沖で2022年4月に起きた観光船沈没事故を巡り、第1管区海上保安本部は業務上過失致死と業務上過失往来危険の疑いで運航会社の社長を逮捕した。運航管理者として出港を見合わせるなど安全を確保する義務を怠り、乗客乗員計26人を死亡させ...
豪快な本塁打と、俊敏な走塁。米大リーグ・ドジャースの大谷翔平選手が史上初めてシーズン50本塁打、50盗塁の金字塔を打ち立てた。パワーとスピードの両面で野球の魅力を存分に伝えた歴史的な記録だ。投打の二刀流で世界を驚かせ続けてきた同選手による...
中国広東省深圳で日本国籍の小学生男児が母親の目の前で男に腹部を刺され、死亡した。突然の理不尽な暴力によって、命を奪われた男児の無念さ、ご家族の悲しみはいかばかりか。心から哀悼の意を表したい。 拘束された男の動機は不明だが、事件が起きた...
大分空港(国東市)と大分市を海上ルートで結ぶホーバークラフトが今秋就航する。空港まで50キロ超のアクセスが約1時間から約30分と大幅に短縮される。アジア唯一の運航とあって空港の利用者増や観光振興への期待は膨らむ。速達性は大きな魅力だが、操...
幼い子がいる自民党総裁選候補が出馬表明で光る発言をした。「子どもたちの未来に責任を持つ政治家として今、政治を変えなければこの子たちの未来に間に合わない」。だが共感はすぐ幻滅に変わる。この候補は少子高齢化で揺らぐ社会保障の将来について何の抱...
企業が従業員を解雇する場合の規制を見直すべきだという意見が、自民党総裁選の候補者から出ている。労働市場の流動化を加速するためだが、働く人たちの安心を損ないかねない政策でもある。ワンフレーズの説明にとどまらず、想定される運用や具体例を明示し...
刑事裁判で無罪が確定しても、その人のDNA型や指紋などのデータを廃棄しない警察に対し、名古屋高裁が「憲法13条に基づく人格権を侵害しているのは明らか」として抹消を命じる判決を言い渡した。 一審・名古屋地裁と同じ結論だが、さらに「憲法の...
世界自然遺産に登録されている鹿児島県・奄美大島で、生態系に害を及ぼすとして駆除を進めてきた外来種のマングースを根絶したと、環境省が宣言した。一時は1万匹を超えたとされる外来種の根絶は世界的にも例がない。 大きな成果だが、生態系に悪影響...
旧優生保護法下で障害を理由に行われた強制不妊手術を巡る一連の訴訟について、原告側と政府は和解のための合意書を交わした。旧法を違憲と断じ、国に賠償を命じた最高裁大法廷判決を踏まえ、国が謝罪し、手術を受けた本人に慰謝料として1500万円を支払...
11月の米大統領選に向け、民主党候補ハリス副大統領と共和党候補トランプ前大統領が、テレビ討論会に臨んだ。支持率が拮抗(きっこう)する中、初めての直接対決で、相互を「うそつき」呼ばわりする場面もあったが、有権者が政策や人物を理解する機会とな...
自民党総裁選が告示された。退陣表明した岸田文雄首相の後継首相を事実上、決める選挙である。投票権の有無にかかわらず、次期衆院選に向け、日本のリーダーたる資格があるか論戦を通じて見極めたい。 新総裁は国会議員と党員・党友の投票によって27...
東京電力福島第1原発事故で溶け落ちた核燃料(デブリ)の取り出しが開始直後にミスで中断し、東電は原因と再発防止策を公表。作業を再開した。出だしからつまずいたが、廃炉に向けた重要な工程であり、体制を整えて着実に取り組んでほしい。 福島第1...
長崎への原爆投下時に国の援護区域外にいたため、被爆者と認められていない「被爆体験者」44人が長崎県と長崎市に被爆者健康手帳の交付を求めた訴訟の判決で、長崎地裁はうち15人を被爆者と認め、手帳交付を命じた。区域外の一部の地域で放射性物質を含...
障害者スポーツの祭典、パリ・パラリンピックは、成功のうちに12日間の熱戦を終えた。世界最高の競技性を争う五輪とはひと味違い、人間の潜在能力と可能性の高さを示し、障害者への理解を促進する独自の存在感を遺憾なく示した。 パラリンピック開催...
南シナ海の領有権を巡る中国とフィリピンの対立が激化している。武装力が圧倒する中国は強引な威嚇を繰り返すが、力による現状変更は地域の安定を損ない、国際秩序を脅かす。外交で解決するべきで、中国には自制を求める。 フィリピンの発表によると、...
主食のコメが品薄になり、スーパーなどの店頭から精米が消えた地域もある。新米が出回ればコメ不足は解消する見通しだが消費者の不安は続いている。 品薄につながる動きは8月から始まっていたが、政府の対応は後手に回った。混乱を繰り返さないために...
自民党派閥の政治資金パーティー裏金事件で、国会議員が裏金を違法な使途に充てていたことが分かった初のケースと言っていいだろう。 安倍派に所属していた堀井学元衆院議員(辞職)が、地元有権者に違法な香典などを配ったとして公選法違反罪で略式起...
防衛省は2025年度予算の概算要求に、初めて8兆円台に乗る過去最大の防衛費を計上した。 他国のミサイル基地を破壊する反撃能力(敵基地攻撃能力)に使える米国製巡航ミサイル「トマホーク」の前倒し配備や、英国、イタリアと共同開発する次期戦闘...
現行の健康保険証を廃止し、マイナンバーカードに保険証機能を持たせた「マイナ保険証」へ一本化する12月2日まで、あと約3カ月となった。 しかし移行の前提となるマイナンバーカード保有の割合はなお70%台半ば。マイナ保険証の利用率に至っては...
兵庫県の斎藤元彦知事は県議会の調査特別委員会(百条委員会)による証人尋問に臨んだ。自身のパワハラ疑惑などを告発する文書を関係者に配布し、県の公益通報窓口に通報した元県幹部の男性を法的に保護される通報者として扱わず、停職の懲戒処分にした。男...
国民体育大会は「国体」として親しまれ、全国を巡回して開催されてきた。今年から名称を変えて国民スポーツ大会(国スポ)となったが、肥大化、開催経費、人気低下など多くの課題を抱えている。日本スポーツ協会は大会の在り方を見直す有識者会議を設置し9...
レバノンの親イラン民兵組織ヒズボラが、7月の最高幹部殺害への報復として、イスラエルへ大量のロケット弾を発射した。これに先立ち、イスラエル軍はヒズボラの攻撃を察知したとして拠点40カ所超を先制攻撃していた。 昨年10月にパレスチナ自治区...
自民党総裁選の告示まで2週間を切った。手を挙げたのは10人以上に上り、乱戦模様を見せている。派閥のくびきが解かれ、誰もが立候補できる状況を、生まれ変わった党の姿と呼ぶのだろうか。「刷新感」というイメージばかりが先行し、内実が伴っていなけれ...
「最強に近いクラス」とされた台風10号は、ゆっくりとした速度で九州を北上。大分県内は、かつて経験したことがないような長時間の暴風雨が続いている。台風が通過しても、これまでの大雨で地盤が緩んでいる地域もある。土砂災害などリスクの高い状態は続...
お盆期間中に高速道路での逆走事故が相次いだ。高速道路での逆走は2011年の集計開始以来、年200件程度で推移している。2日に1回以上の頻度で減る気配はない。正面衝突が多く、死亡事故になる確率が高い。逆走対策やドライバーへの啓発活動の強化が...
中国軍のY9情報収集機1機が長崎県の男女群島沖で、軍用機として初めて日本領空を侵犯し、日本政府は厳重抗議した。 領空侵犯は国際法に違反し、軍事的衝突が起きかねない危険な挑発行為だ。中国はきちんと説明すべきだ。日本側は中国軍の意図を冷静...
米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の移設先となる名護市辺野古沖の大浦湾側で国が先週、本格工事に着手した。海底に広がる軟弱地盤の改良のため7万本のくいを打ち込む前例のない作業が始まる。難航は必至だ。 軟弱地盤が見つかったことで工期は20...
11月5日の米大統領選で政権維持を目指す民主党は、中西部イリノイ州シカゴで開いた党大会でハリス副大統領の候補指名を確認。ハリス氏は指名受諾演説で「分断の過去と決別し前に進む」と宣言した。 4日間に及んだ大会は終始、明るい雰囲気に包まれ...
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