別府八湯をはじめ、数多くの温泉地を抱える「温泉天国・おおいた」。人にあまり知られていない秘湯、古くからの名湯、最近売り出してきた人気スポットなど「ちょっと気になる」温泉を、温泉好きの記者が訪ね歩き、入湯客などと触れ合いながら現地からの入湯体験をリポートします。温泉好きのあなたには見逃せない企画です。
※大分合同新聞 夕刊1面 2002年4月17日~2008年3月27日掲載
正直に言うと、”七福”という名前に引かれ、「何か御利益があるかも」という安易な気持ちで出掛けた。聞けば”黄金の湯”とも呼ばれているとか。それで、一気に”御利益”への期待が膨らんだ。 玖珠町から院内町へ抜ける国道387号から少しそれ、細...
九重町の宝泉寺温泉郷から国道387号を小国方面に向かう。県境を越え、熊本県側に一歩足を踏み入れると、目指す温泉はあった。岩風呂、切り石風呂、樽(たる)風呂、ヒノキ風呂。すべて家族風呂という珍しい温泉だ。 経営するのは、永野繁義さん(5...
宇佐市中心部の四日市から、県道44号を本耶馬渓町方面に15分ほど車を走らせ、麻生大橋の手前で右側の小道に入る。そのまま進むと、ひっそりとした場所に温泉がある。 緑豊かな山々に囲まれ、近くを伊呂波川が穏やかに流れる。田んぼでは、色づき始...
いつの時代も、ビジネスマンは忙しい。 温泉取材のため、このビジネスホテル「シャインホテルくす」にチェックインしたのは、平日の午後5時半。まだ書いていない原稿を山と抱え、他の取材先から直接、予約していたシングルルームに投宿した。部屋番号...
記録的な猛暑が続いたことしの夏も、ようやく暑さが落ち着き、吹く風はもう秋。空が高く感じられる。夕暮れ、車に乗り込み窓を全開。秋風を感じながら天ケ瀬温泉を目指した。 日田市から国道210号を大分方面へ。天瀬町を流れる玖珠川を挟んで両側に...
石畳に沿って旅館が軒を連ね、古き良き湯治場の面影を今に残す湯布院町の湯平温泉街。近くを流れる川のせせらぎやあふれる自然が訪れる人々の心を、温かな温泉が体を癒やしてくれる。 温泉街の入り口から石畳の坂道を進み、途中から脇道の石段を上ると...
相次ぐ台風の取材で雨風に打たれ風邪をひいた。心身ともに絶不調だ。近場で風邪が治るような温泉がないものかと考えていると、同行のカメラマンが「お薦めの温泉があるわ」。体に寒けを感じながら、後に続いた。 その温泉は、大分市中心部の住宅街にあ...
秋晴れの雲一つない空の下、くじゅうの山を見上げていた。首が痛くなるほどに山が大きく見える場所で風呂に入った。眼前の三俣山。秋色から冬色へと、その姿を変えている。空の青さもはっきりと分かり、山と空の境目がよく見えた。 標高1,050mの...
次第に深まる秋。「ちょっと一杯」と会社を出て、商店や事業所が立て込む別府市中心部、北浜かいわいの一角を通り過ぎた。「こんな所にこんな建物が?」。うっそうと茂った木々のすき間から、入り母屋造りの2階建ての和風建築物が目に飛び込んできた。 ...
拝啓 晩秋の候、いかがお過ごしでしょうか。私はなんとか元気にやっております。 さて、先日、家族と耶馬渓までドライブしてきました。紅葉のシーズンは過ぎていたようですが、それでも黄や赤に色づいた木々が、山肌からのぞく奇岩と織りなす景観...
休日にはよく、ドライブがてら県内の温泉へ出掛ける。その時、目的の温泉を決めるポイントの1つが湯船からの眺め。この取材も「飯田高原を一望できる温泉がある」と聞き、訪れてみた。 九州横断道路沿い、飯田高原の小高い丘の上に目的のホテルはあっ...
湯煙越しに拝む御来光。泉都・別府らしい初日の出スポットとして知られる。屋外浴場は、水着着用の混浴風呂とあって毎年、元旦には多くの家族連れらでにぎわうという。 別府市中心街にほど近い市内京町。国道10号から海岸線に目を向けると三角屋根の...
個人的な意見だが、温泉は「お湯に特徴がある」ところがいい。無色透明、無臭、さらっとした「美しいお湯」はちょっと物足りない(そんな温泉の皆さん、ごめんなさい。他意はありません)。いかにも”有効成分”が多そうな色や濁り、漂う硫黄のにおい、口に...
夕暮れ時。せっけんとタオルを入れた洗面器を手に、入湯客が1人、また1人と、細い路地から姿を見せた。上気した先客とすれ違う。「(湯加減)どうだった?」「よかったよ」―。幼いころの情景は、今も変わらず残っていた。 別府八湯の1つ、亀川温泉...
年末に九重町のスキー場がオープンし、県内にもウインタースポーツのシーズンが到来。早速、初滑りを楽しんだ。汗を流すいい温泉はないか―。探したところ、ありました。スキー場から車でわずか5分ほどの距離にある筋湯温泉。約30軒の旅館・ホテルが立ち...
直入町長湯温泉を象徴する温泉施設「御前湯」から歩いて5分ほど。芹川沿いの湯ノ原天満社そばに目的の町営温泉「天満湯」はあった。 管理する林寿徳さん(47)=御前湯館長=は「古い湯治場の雰囲気を残す公衆浴場。お湯はぬるいが、軟らかい泉質の...
先日午後、玖珠支局のファクスが「カタカタ」と震動した。吐き出された白い紙には「取材手配 締め切り厳守」の文字。この”名湯・秘湯・湯ったりおおいた”シリーズの出稿依頼、いわゆる特命リサーチである。 「了解です」。使い慣れた速記用のペンを...
別府市・竜巻地獄そばにある長泉寺。境内の片隅に白塗りの小屋があり、「薬師湯」の文字が見える。そう、ここは”温泉のあるお寺”なのだ。 薬師如来像を祭った素朴な造りの浴室に、年季の入った浴槽が1つ。3人も入ればいっぱい。竜巻地獄からの引き...
勤務地の豊後高田市を離れ、大分市内の本社に赴いた冬のある日。「『湯ったりおおいた』の取材先は決めたのか」。ふいにカメラマンの先輩に呼び止められた。すっかり忘れていた。「まだなら、おれが行ってみたい所があるんだが」。「助かります。そこでお願...
休みを取って温泉紹介のターゲットを探し回った。深耶馬渓一帯は結構温泉が多いが、自信を持って薦めるスポットとなると…。 そんな時、ふと立ち寄った温泉で「おおっ」ときた。前から穴場としての評判は聞いていたが、何よりおかみさんの屈託ない笑顔...
正月、柄にもなく1年の目標を考えた。ダイエット、結婚、特ダネ―。いろいろあったが、別府市内の88湯を回る「別府八湯温泉道」に決めた。目指すは88湯制覇と”温泉名人”の称号。さて、記念すべき第1湯をどこにしようか迷った末、たどり着いたのが「...
障害のある人も、健康な人も、誰もが心からゆっくりできる温泉宿。2001年のオープン以来、モットーとしている経営理念だ。 経営者の松浦吐四郎さん(64)と妻浩子さん(60)には、知的障害のある長男正寿さん(33)がいる。宿の隅々まで行き...
暦の上では春とはいえ、朝晩はまだまだ冷え込む。「心身共に温まる温泉に入りたい」と探していたら、開けた宇佐平野にたたずむ湯を見つけた。 金屋温泉は2002年5月にオープン。温泉は地下約600mからくみ上げており、源泉の掛け流しが特長とい...
風呂から上がって何時間たっても、ずっと体の芯(しん)までぬくもりが残っていた。軟らかな泉質に肌はしっとりすべすべ、心は、ほかほか気分。 一大観光地・由布院温泉の中でも、趣向を凝らした旅館とはひと味違い、地元の住民の愛情に支えられてきた...
最近、後味の悪い夢を見ることがある。気持ちが安らぐ夢を見たいと思っていた矢先、この温泉を取材する話が出た。夢のようだ。 向かった先は、大分市三川新町に、ことし1月にオープンしたばかりの「おおいた温泉物語 三川の湯」。...
大正ロマンを感じさせる、と言っては大げさだが、そんな湯が佐伯市直川にある。 国道10号沿いにある巨大なカブトムシの像を目印に交差点を入り、しばらく車を走らせると白い建物が見えてきた。「鉱泉センター直川」。1995年にオープンした。 ...
4月初めの昼下がり。私は渓流沿いの道端に立ち、今にも開花しそうな、薄紅に枝を染めた桜並木に見入っていた。この道を少し上ったところに湯平温泉がある。私の住む日出町からせいぜい1時間の距離。なのに、何だかとても遠くまで来たような気がする。 ...
六郷満山文化が色濃く残る「仏の里・くにさき」。その仏の里で極楽気分を味わえる温泉郷が国見町の山里にある。昔から地元の人たちに愛され続けてきた赤根温泉だ。 2つの宿泊施設があるが、今回は地元の人たちがよく通っている「湯の里・渓泉」を訪ね...
岩風呂、うたせ湯、展望風呂…。気分次第で好きな温泉が選べます。 別府八湯の堀田と鉄輪、明礬のちょうど中間、小倉地区にある「扇山会館」では、内湯を含めて4つの温泉が楽しめる。「体調や一緒に来る人でお薦めの楽しみ方はいろいろ」とオーナーの...
「前を車で通り掛かったけん、ちょいと寄っちみた」「あんた、寄るだけじゃねえで、入っちみらな」「入っちみらんと話にならんで」「タオルは、こきあるで。入ろうえ」「最初やあに、せっけんもシャンプーもちゃんとあるわ」「ようしちょるなえ」 大分...
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