被災を免れた商店街は静けさを取り戻していたものの、上空には迷彩色の自衛隊ヘリ。火災現場へ水を運んできては投下した。...
「自然災害」の定義は何か。豪雨、暴風、地震、津波、噴火といった異常な自然現象などで生じる被害--と災害対策基本法は記している▼では、失火による大火災は自然災害たり得るか。...
燃える家屋が目に焼き付いている人もいるだろう。不安やストレスが心をむしばむ。...
「まち」が消えた事実を冷静に受け止められない。焼損面積は約4・9ヘクタールに達した。...
この天然色はどう表現すればいいものか。先日、小さな草木染の作品展で初めて目にした天蚕(てんさん)の繭。...
戸田奈津子さん(89)の名を知らぬ映画ファンはいまい。翻訳家としてこれまで50年以上、1500本を超える作品に携わってきた。原文を尊重しつつ映画のリズムを崩さないように訳す苦労は著書『字幕の中に人生』に詳しい。...
風は心地よかっただろうか。思い描いた速さで風景は流れただろうか。降り注いだ声援は、両の腕の力になっただろうか▼多くの県民が沿道を埋めた。目の前をゆく挑戦者に何を感じただろう。...
生命力みなぎる、ひこばえ。稲刈りを終えた田んぼで、切り株から青々とした穂が生えている。勢いをそのままに育て、2度目の収穫にあずかるのだという▼「再生二期作」として注目されている(本紙13日付)。...
ポケモンが世界的に人気。愛らしい見た目の架空の生き物。携帯型ゲームとして1996年に登場した。来年で30年となる。発売したのは任天堂。...
使う見込みはなさそうでも、惰性でしまい込んだままだったらしい。いわゆる「アベノマスク」が1枚。机の引き出しの奥でほこりをかぶっていた▼布製でサイズは小さめ。普及した不織布マスクとは明らかに違う。...
ハッスルカルチャーという言葉がある。がむしゃらに働くことを美徳とし、私生活の犠牲をいとわぬ文化や価値観を意味する▼思えば昭和の時代、ちまたはワーカホリック(仕事中毒)の猛烈社員だらけだった。...
モモは古来、邪気を払い、不老長寿を与える仙果とされた。古事記では伊弉諾尊(いざなぎのみこと)がモモで鬼を追い払う。...
何げない会話に異変を感じ取ったのは小学生の頃だったという。県高校中央弁論大会で最優秀になった2年生女子の発表に引き込まれた。...
東アジア周辺から打ち上げられたミサイルが、近海に落下するだろうとの見立てに反し弾道飛行に入る。...
季語って面白い。秋の語として「蚯蚓(みみず)鳴く」がある。もちろんミミズは鳴かない。『大歳時記』には同じく秋に「蓑虫(みのむし)鳴く」も。春の項なら「亀鳴く」「田螺(たにし)鳴く」。聞いたことがない。...
大変やなぁ、と、ただただ大分県民は遠望するしかない。ニュース映像を傍観していられるのは、リアルな凶暴さを知らぬ九州人だからかもしれない▼クマ被害対策で陸上自衛隊が秋田県鹿角(かづの)市で後方支援を始めた。...
視覚や聴覚は年齢とともに鈍くなっていく。では五感全てが衰えていくかといえば、味覚はそうでもなさそうだ。...
思いがけない共同生活は、75歳の女性にとって大きな環境の変化だっただろう。多感な13歳中学生の孫との暮らしは手探りで始まった。...
文具メーカー名の「ゼブラ」は、日本語だとシマウマ。群れで協力し合う習性にあやかって「全社員が堅く団結し、筆記具の製造に邁進(まいしん)する」という思いから命名。...
「内戦で弁護士になる夢を諦めました。友達同士が銃口を向け合う現状が耐えられない」。ミャンマー人の技能実習生、チャン・ミェ・ヤダナモーさん(27)は母国の現状を憂う。...
〈地元紙に包む土産の新走(あらばしり)〉かみあし律。新走とは、その年の新米で造った最初の酒を指す。遠来の友であろうか。...
就任早々、日本初の女性首相が注目を集めたのは外交の大舞台。“いきなり度”では1994年の故・村山富市元首相も似ていた。既に古希だった。...
あ、という間に10月の日めくりカレンダーもきょうの1枚のみだ。この1カ月にトンちゃんが逝き、女性首相が生まれ、国内外の白球に一喜一憂しているさなかに夏が行ってしまった。...
〈エジソンはえらい人 そんなの常識〉。アニメ『ちびまる子ちゃん』のテーマ曲で歌っている。氏は「天才とは1%のひらめきと99%の努力である」の名言で知られる。...
猫の目農政か、朝令暮改か。お米の話である。品不足で商品棚が空になった「令和の米騒動」を受けて、増産方針が示されていたが一転。今度は大幅に減産するという▼高市新政権で就任したばかりの鈴木憲和農水相が会見で述べた。...
ある大学生の投稿が昨年1月の朝日新聞に載った。反響は大きく、俳優の松重豊さんは「号泣した」そうだ。テレビで明かした。内容はこうだ▼小6時代の担任はよく全力で怒った。...
歌人の江口章子は北原白秋を支えた2番目の妻として知られる。晩年は故郷の豊後高田市・香々地で過ごした。...
劇団四季は1953年、「演劇界に革命を起こす」という志のもと、フランス革命が始まった7月14日に浅利慶太らが結成した。...
今思えば小さな店舗は、中も外も主婦らでごった返した。第1次オイルショック(1973年)のトイレットペーパー騒動は、幼かった筆者もレジ周辺の混乱が記憶にある▼時がたち、家庭を持って住んだ団地にもあった。...
きのうが初七日だった。101歳の天寿を全うした村山富市さんは、無事に三途(さんず)の川のほとりにたどり着けただろうか。...
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