〈「戦場の地獄」語る〉〈家族の肉片膝にべったり〉。本紙23日付おおいた総合面の見出し。住民が巻き込まれる地上戦となった沖縄戦は、一般県民9万4千人が犠牲になった。4人に1人ともいわれ、想像を絶する。...
「川柳」は人名である。柄井川柳(からいせんりゅう)(1718~90年)。季語など俳句の作法にとらわれず、自由な17音の詩を作るというジャンルを開拓。思うままに表現でき、風刺やユーモアを込めやすいことからブームに。...
田んぼ脇の水路はこの時期、水量豊かで苗の姿がみずみずしい。そんな光景から受け取る感慨にも今年ばかりは少々不安が交じる。自給率100%と思っていた稲作がどうも怪しい▼米の出来具合を示す作況指数を、農水省が廃止する。...
君。わが机の上にほゝゑ(ほえ)み給(たま)ふ美しき君。▼拝啓も前略もない書き出しから、内にある言葉があふれ出す。少し丸みのある文字は流れるように便せんを進み、こう続く。...
てんやわんやとは、おのおの(各自)を意味する「てんでん」と関西弁でむちゃくちゃの意の「わや」とを結合した言葉だそうだ。大辞泉に教わった▼全国の自治体がアタフタすること、かくのごときである。...
SF作家星新一の父、星一は製薬会社や薬科大を創設した実業家だが、政治家としての一面も持つ。1924年、周囲に押されて衆院選に出馬。...
梅の季節を感じた。学生時代の友人らが久々に県内外から集まった先日。酒は各自持ち寄りとし、日本酒や焼酎、ワインなどがそろった。そんな中、一つ下の後輩がかばんから取り出したのは小さなボトル。...
「日本人は生まれた順番を子どもの名前にします。イチロー、ジローといった具合です」。第2次世界大戦中、日本研究家に聞いたアメリカ人将軍は驚いた。...
「涙が出た」そうだ。大分県立の夜間中学が来春開校することは「大分合同新聞を見て知った。入学したい」。...
「地震、雷、火事、おやじ」。父親の存在の大きさや威厳を示す表現としてかつてはよく耳にしたが、「雷おやじ」となると少し違う。...
米トランプ政権の独断・偏見ぶりが目に余る。ハーバードなど名門大学への弾圧もその一つ。...
大分市の入札妨害事件を巡る足立信也市長の言を報道で目にした瞬間、ハッとした。...
「おまえはどんな種類のアメリカ人だ?」。映画「シビル・ウォー アメリカ最後の日」で、武装した市民がジャーナリストらを問い詰める。...
瞳に映った景色から場所を特定―。ドラマのような手法が、カメラなどの電子機器やIT技術の進歩で現実に可能になっている。マンホールや電信柱、自動販売機などからも位置が分かる。...
先日の就寝時。横になろうとしたところ、右肩に激痛が走った。あおむけ、うつぶせ、横向きと、どの体勢になっても痛みが治まらない。結局翌朝までほとんど寝付けなかった。医師の診断結果は肩関節周囲炎、いわゆる五十肩だった。...
先日に続いて「ミスター」の大分こぼれ話。89歳で旅立った長嶋茂雄さんと盟友・王貞治さんの「ON監督対決」は1995年3月3日の新大分球場(オープン戦)が初めてだった、と小欄に書いた。実はまだある▼時は2000年3月3日。...
古米に古古米、古古古米。2023年産から順に22年産、21年産とさかのぼる備蓄米が全国民の注目を浴びている。...
『ちいかわ』という漫画が人気らしい。「小さくてかわいいやつ」の略で、キャラクターは二頭身の動物。若者や女性にはカワイイのかもしれないが、筆者にはその魅力は刺さらない▼清少納言も小さいものを愛した。...
想像してみる。車で「不意に人をはね、怖くて逃げる」ことと「意図的に人をはね、急いで逃げる」。どちらも許せぬ蛮行だが、天地の相違がある▼大学生2人が死傷した。不慮の事故の末に逃げたのか、それとも故意の行為だったのか。...
県野球史を語る上で、大分の聖地・別大興産スタジアム(大分市)が最もきらびやかに華やいだ年の一つは1995年であろう。...
下がり続ける投票率。近づく参院選でも関心事の一つだか、かつての「不在者投票」制度をご記憶だろうか。...
作家の山本有三は「ふりがな廃止論」を掲げ、分かりやすい文章を目指そうと訴えた。...
わが家の台所カウンターに鉢植えのガジュマルが鎮座している。...
ぼくのだいすきなクラリネット―で始まる童謡「クラリネットこわしちゃった」。...
実家の周りでホトトギスがしきりに鳴いていた。「テッペンカケタカ」とか「トッキョキョカキョク」とか、鳥に申し訳ないというもの。...
マンホールから噴き出す水、一面の水たまりとなった庭、冠水して川と化した街路…。40年近く暮らす自宅近辺で初めての光景に、昨年の長雨では驚かされ、備えていなかったことを悔やんだ。...
「あと2カ月やな」「何が?」「参院選ちゃ。7月で」「それな。...
「いちばん大切なことは目に見えないんだ」―。ウルグアイの元大統領ホセ・ムヒカさんの訃報に接して、なぜだかサンテグジュペリの『星の王子さま』を思い出した。思えば氏の無垢(むく)な笑顔は王子さまのイラストと重なる。...
待ちわびた音を早く聞きたい―。開場間際のホールエントランスは、好演を期待する多くのファンの高揚感に満ちていた。「少し遅れてますね。リハーサルでしょうか」「私は愛媛から。...
県内各地にある弊社の総局や支局には取材依頼、情報提供などでさまざまな人が訪れる。そこで勤務した時の事だ。来訪者が事務所に入ろうとすると、入り口付近で土足のままでいいのか戸惑っていることが時折あった。...
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