小林明子さんが歌ったドラマ主題歌「恋に落ちて」(1985年)の一節。〈ダイヤル回して手を止めた♩〉。受話器片手に物憂げな女性が思い浮かぶ詞は、湯川れい子さん。...
『ゼブラーマン』という映画があった。タイトルからしてB級の匂いがぷんぷん。三池崇史監督、宮藤官九郎脚本、哀川翔主演とあれば面白くないはずがない。シマウマ柄のヒーローが「白黒つけるぜ!」とキメる▼白黒といえば横断歩道。...
大分市美術館近くの上野の森セラピーロードは、気軽に自然に触れられる憩いの空間だろう。高低差は50メートル。短くコースを取れば30分ほどで散策できる。...
今が太古の狩猟時代だと仮定しよう。格闘の末、マンモスを仕留めることができた。「でも私は、狩りの途中で見つけたきれいな小石も我(わ)が家(洞窟)へ持ち帰ると思う」。...
生活全般でなお値上げが続く年末。大分市の中心商店街に長い列ができていた。1万3千円分を1万円で販売するプレミアム商品券を求めて。400セットが即日完売したという。...
嵐のような人だった。劇作家つかこうへいさん(1948~2010年)が泉下の人となって今年で15年。『蒲田行進曲』『熱海殺人事件』といった人気作で知られた演劇界のカリスマが1995年に突如、大分市で劇団を設立。...
俳人の長谷川櫂(かい)さん(71)が『震災歌集』(中央公論新社)を出したのは、あの3・11からわずか1カ月後の2011年4月だった。...
波瀾(はらん)万丈が代名詞のような歌人の作品。〈子らはまだ起きて待つやと生垣のひまよりのぞく吾が家の灯り〉。成長した息子は戦地へ赴いた。...
虚礼の乾杯をする。「今年は皆よう頑張ってくれた。お疲れさんやったな」と、ご満悦なのは上司だけだ。周りはシラ~としている▼さりとて酒宴は続く。「次は何を飲まれます?」と部下。「お、いいかい?ほな焼酎のお湯割り」と上司。...
見出しに「先生たちの紙芝居部隊」とある。1939(昭和14)年の大分新聞(大分合同新聞の前身)は、県が進めた紙芝居研究を報じている。...
インターネット上の俗語に悩まされることはないだろうか。最近は「無理ゲー」という言葉に戸惑った。...
綸言(りんげん)汗の如(ごと)し。「汗が再び体内に戻らないように、一度口に出した君主の言葉は取り消すことができない」という意味。...
郷に入れば郷に従え。4世紀ごろのイタリア・ミラノで生まれたとされる教えは、異文化での適応を説いている▼例えばあなたが海外を旅行中、不運にも命を落としたとしよう。...
掃いても掃いても敷地の隅に集まる落ち葉。筆者宅に庭木は少ないのだが、空っ風で運ばれてきては乾いた音を立てる。...
非常口のマークなどに使われるピクトグラム。国籍や年齢などを問わず直感的に情報が伝わるようにデザインされた図案や絵文字のことを指す。1964年の東京五輪で本格的に導入され、世界に普及した。...
今夏で80年が経過した日本の敗戦は、太平洋戦争でいえば日本が奇襲したとされる米ハワイへの真珠湾攻撃が端緒だった。84年前のきょう12月8日。...
30年前にタイムスリップしてみよう。1995年。あなたはどこで、何をしていましたか? 国内では年明け早々に阪神大震災が発生。地下鉄サリン事件が世間を震撼(しんかん)させる。...
〈ニューヨークの夜景は自由でできている。パリの夜景は芸術でできている。日本の夜景は残業でできている〉。早坂隆著『世界の日本人ジョーク集令和編』から引いた▼ジャパニーズの勤勉さは以前から海外でも定番ネタにされてきた。...
冬が駆け足でやってきた。温泉が骨身に染みる季節だ。服を脱ぎ、かけ湯の後に爪先からそろりと湯船へ。「あぁ……」。肩まで沈めると口からシアワセが漏れる▼あの時もそうだった。...
大分市の佐賀関半島突端にある関崎は、四国の佐田岬まで13キロ余りしかない。晴天だと肉眼でも実感できる豊予海峡が豊後水道の中心。...
テレビドラマ『じゃあ、あんたが作ってみろよ』が好調。どこか昭和的な男女が破局をきっかけに自分を見つめ直し、成長していくラブコメディー。2人とも大分出身という設定なので親近感を持つのは当然。...
エイズウイルス(HIV)感染が社会問題化していた1989年、国際会議メンバーに封筒が届いた。...
クラシック音楽の管弦楽曲『ペルシャの市場にて』をご存じだろうか。知らんなあ、という方も「トキハの5時の市で流れる曲ですよ」と聞けば合点がいくだろう。...
テレビの緊急地震速報には肝が冷える。あのチャイム音を考案したのは音響工学の第一人者で東京大名誉教授の伊福部達(とおる)氏。...
知らず知らず、世の中に広まっていく言葉がある。「ひも付ける」もそんな言葉の一つだろうか。...
「何か手助けができないか」。昨年11月に大火事に見舞われた臼杵市。市中央通り商店街振興組合の加盟店舗には大分市佐賀関の大規模火災に向けた募金箱が並ぶ。各自治体や関係団体でも義援金の受け付けが始まっている。...
天骨(てんこつ)--生まれ持った才能の意である。関西などでは山の上を指し示す方言で使われ、転じて「てんこ盛り」の言葉が生まれた(実用日本語表現辞典)▼きのうの本紙はまさに1級ニュースがてんこ盛りだった。...
大火とは、広辞苑(こうじえん)によると大きな火災、大火事のことをいう。国民の一般的な概念、認識だろう。違和感はない▼ただ、消防庁の見解は異なる。該当するのは「建物の焼損面積が1万坪以上の火災」。...
夢であってほしい。目が覚めたとき、どうか、そこが自宅の布団の上でありますように――被災者たちは何度、心の中で願ったことだろう▼思い切り声を上げて泣きたい。それが許されるなら、滅入(めい)った気が少しは軽くなるかもしれない。...
〈不要不急の立ち入りはお控えください〉。大分県が再三、ホームページや防災アプリで呼びかけている。大規模火災があった大分市佐賀関ではいまだに消火活動が続く。避難所でも円滑な運営に関係者が奔走している。...
24日付の紙面はこちら