岡城にあったとされるしゃちほこを見る来館者=竹田市竹田の市歴史文化館
【竹田】竹田市竹田の市歴史文化館・由学館は市内の岡城跡に関する特別展「追憶の岡城」を開いている。岡城に関する資料や美術作品計31点を展示しており、担当者は「竹田市のシンボルのような存在。先人が守ってきた歴史があり、思いを継承できれば」と話した。24日まで。
岡城は阿蘇山の噴火による火砕流でできた溶結凝灰岩の上に築かれた。1185年に緒方三郎惟栄が源義経を迎えるために造ったとされる。建物は廃藩置県後に取り壊されたものの、石垣は残されている。
展示は市と市教委の主催。会場には岡城にあったとされるしゃちほこと太鼓が置かれ、目を引く。
各種資料で、領地替えを命じられた播磨国の中川秀成(岡藩初代藩主)が1594年、豊後岡に入部して岡城を居城とし、城を改修した経緯を説明。風水害、地震、火災といった災害にたびたび見舞われながらも、その都度、復旧して守ったことが分かる。
城の間取りが分かる絵図や外観を描いたびょうぶ絵も展示し、在りし日の姿を伝える。明治時代に撮影された写真もある。
国指定史跡である岡城跡での調査も説明。見つかった陶磁器や瓦などを見ることができ、暮らしぶりが垣間見える。現在も市民らが清掃活動を続けていることも紹介する。
草刈樵谷、髙山辰雄らが岡城跡を描いた美術作品5点もある。作家たちが魅了されていたことが伝わる。
開場は午前9時~午後5時。毎週木曜は休館。観覧料は一般500円、65歳以上250円、小中学生300円、未就学児無料。問い合わせは同館(0974-63-2200)。