竹田市の伝統工芸品「姫だるま」の製作を進める後藤明子さん(左)と久美子さん=竹田市吉田
【竹田】家庭円満や子孫繁栄、商売繁盛の願いが込められた竹田市の伝統工芸品「姫だるま」の製作が市内吉田のごとう姫だるま工房で最盛期を迎えている。
姫だるまを新年の縁起物として事業所などに配る市内の風習「投げ込み」に向け、工房では今月下旬までに約200体を仕上げる予定。後藤明子さん(88)と長男の妻久美子さん(67)らが、穏やかな笑みを浮かべた顔を描くなど作業を進めている。
姫だるまは木型に新聞紙や和紙を貼り合わせて形を作り、顔料などで色を付ける。顔の周囲に松竹梅、背には厄よけの宝珠を描く。大きさは20~50センチの5種類。表情はつつましい暮らしの中で家族の絆を育んだ旧岡藩下級武士の妻「綾女」がモデルになっている。
明子さんは「姫だるまを迎え入れた皆さんが健康で幸せになりますようにと思いながら描いています」と笑顔を見せた。