別府八湯をはじめ、数多くの温泉地を抱える「温泉天国・おおいた」。人にあまり知られていない秘湯、古くからの名湯、最近売り出してきた人気スポットなど「ちょっと気になる」温泉を、温泉好きの記者が訪ね歩き、入湯客などと触れ合いながら現地からの入湯体験をリポートします。温泉好きのあなたには見逃せない企画です。
※大分合同新聞 夕刊1面 2002年4月17日~2008年3月27日掲載
根っからの大分県人だが、”全国区”の温泉郷のひとつ由布院温泉には数えるほどしか行ったことがない。他県の人から「どこがお勧め?」と聞かれてもよく分からない。「自分が人に紹介できる温泉を発掘しておきたい」。そこで今回は、湯布院に詳しい先輩カメ...
強い寒波に見舞われた1月某日。仕事中に、かじかむ指から何度もボールペンを取り落とした。こんな時、すぐさま「温泉に行こう」となるのは、大分県人の特権だろう。 今回は、山中の秘湯を目指すことに決めた。明礬温泉から伽藍岳方面へ。車中、でこぼ...
標高約550m。近くで風力発電用の風車11基が、冬の冷たい風を受けてクルクルと元気に羽根を回している。 ここ「命の湯」は昨年6月にオープンしたばかり。まだあまり知られていないが、近くの「カウベルランドくす」や、お隣の高塚愛宕地蔵尊(日...
玖珠の冬は寒い。文句ばかり言ってもしょうがないが本当に寒い…。でも温泉があるからへっちゃらさ!。 九重九湯で知られる隣町の九重に隠れがちだが、玖珠町は知る人ぞ知る温泉地。町内全域に温泉があり、その数約20。どこの温泉も自家源泉を持ち、...
ついに恐れていた事態が来てしまった。もう取材する所が見当たらない。「湯ったりおおいた」の連載も、はや5年。佐伯を愛する佐伯支社の記者として、佐伯の名湯・秘湯をせっせと紹介してきた。だが、温泉資源に恵まれないこの地域はもう限界が…。「そうだ...
無色透明の湯にゆっくり体を沈めると、さらさらのお湯が少しずつ肌になじんでくる。ほおをなでる風も心地いい。日々の忙しさに追われてすっかり忘れていたこの感覚! 「あー、幸せ」 ついつい声に出してしまう。 ここは標高約600m、由布岳...
ある晴れた2月○○日午後5時―。入浴客を待ち続けた。 休憩室に置かれたトレーニングマシンで怠け気味の体を動かし、広々とした畳の上で湯煙たなびく鉄輪温泉を眺める。 午後6時―。女性の声が聞こえてきた。ほおを桜色に染めて出てきたのは、...
温泉とラーメン。この”ゴールデンコンビ”を楽しめる店があると聞き、日田市天瀬町を訪ねた。天ケ瀬温泉郷を見下ろす国道210号沿いにある「蔵屋ラーメン」。店主の宇野義昭さん(59)とおいの禎展さん(33)の2人で切り盛りしている。建物の外観は...
大分市東部のビジネスホテル「ニュー大在」。「秘湯あり」との連絡を受けて現地へ向かった。確かに「天然温泉」と書いたのぼりがあるものの、普通のビジネスホテルにしか見えないような…。大丈夫だろうか。 そんな不安を感じつつ、平日の午後3時半す...
由布市湯布院町川上 柚富(ゆふ)の郷・彩岳館(さいがくかん) 3月中旬とはいえまだまだ冷たい風が、わきたつ湯気をそっと揺らす。露天風呂に体を沈め、眼前の由布岳を眺めた。野焼きを終えた山肌はまだ黒々としている。山々の草花が芽吹くまで、あと...
玖珠町に「魔法の湯」がある―。ちらしなどで見た玖珠温泉「豊後乃里」のうたい文句に、気になる言葉を発見。初めての温泉取材で、一体どんな魔法に掛かるのだろうか…。 玄関の戸を開けると、明るいおかみさんが出迎えてくれた。旅館を切り盛りして8...
記事に自分の名前が出る以上、何も説明がないと違和感を覚える読者もいるかもしれない。 この温泉企画の取材先は、担当する記者とカメラマンが話し合うなどして決めるのが通例。担当エリアの取材先が尽きると、遠方に出向くこともあるが、勤務する竹田...
米ぬかに全身を包まれ、発酵による熱で温浴を楽しむ”酵素風呂”が宇佐市にあると聞き、「これは面白そう」と取材を申し入れた。 店はオーナーの森孝良さん(34)、恵さん(34)夫婦と、孝良さんの兄・満さん(40)の3人で切り盛りしている。2...
小雨が降る飯田高原は、4月といえども少し肌寒い。車から降りた私たちに、セキレイの澄んだ鳴き声が高原の春を教えてくれた。 ここは冷泉で有名な寒の地獄旅館。温泉の起源は古く、水たまりで傷を癒やす山猿を見て、村人が入るようになり、1849(...
「次の温泉取材、五右衛門風呂にしようかと」「五右衛門風呂? 温泉で?」「しかも自分でたきます」「本当に温泉なの?!」。カメラマンが驚くのも無理もない。温泉通を自任する皆さんも、こんな経験はめったにないはず。ということで今回は”釜ゆで”体験...
目の前に広がる大パノラマ。木々が風を受けてサワサワと心地よい音を奏で、サラサラと清流のせせらぎ。野鳥たちも気持ちよさそうに歌っている。 新緑のまぶしい深耶馬渓の若山温泉。ドライブイン若山にあるこの温泉を囲む自然の景観は半端じゃあない。...
壁をキャンバスに、ブルー一色で伸び伸びと描かれた山。窓から差す優しい光の中、さらっとしたお湯に手を通し「ふう」と息をついた。 ギャラリー、喫茶の「花工房・茶房たかさき」では、温泉につかりながら絵画観賞ができる。振り返って今度は、窓枠が...
阿蘇くじゅう国立公園内で自然環境保護の特別地域に指定されている黒岳(1,587m)。原生林に覆われた豊かな大地、そのふもとに、白水(しらみず)鉱泉がわく黒嶽荘はある。同鉱泉の周辺には計3軒の宿があり、黒岳を堪能した登山者たちが鉱泉で疲れを...
「ぬるめ」「いや、熱い」、「ぬるぬる感がある」「さらっとしている」―。人によって感想の異なる温泉があると聞き、男がぬるかわ温泉にやって来た。男の名は「温泉探偵」。 探偵は早速、聞き込みを開始した。「肌がツルツルになりました。少しぬるめ...
情緒ある街並みと炭酸泉に心引かれる長湯温泉。ことし2月、温泉街を流れる芹川上流にお目見えしたのが「万象の湯」。下流の温泉療養文化館「御前湯」、中流の「ラムネ温泉館」に続く、”第3の温泉館”と銘打っている。 運営は直入町の観光、商工関係...
日本3大修験山の1つ、英彦山(1,200m)のふもとに温泉があると聞き、「それは御利益があるに違いない」と取材を即決。福岡県添田町を目指した。 杷木インターチェンジから山道に入って上ること約30分。目の前に英彦山を望む、英彦山温泉「し...
旅館や温泉施設が立ち並ぶ細い路地をゆっくり歩いていると、涼しい風が通り抜けた。ウグイスの鳴き声が聞こえ、アジサイはまだ、つぼみも十分に育っていない。”下界”とはひと味違った雰囲気だ。 「ここは昔から避暑地として利用されていました。夏で...
夏本番はまだこれからだというのに、梅雨時季のこの蒸し暑さは耐え難いものがある。温泉にでも入ってリフレッシュしよう。露天風呂なんかあれば最高だな…。 と、訪れたのは湯煙がもうもうと立ち込める別府市の鉄輪温泉。そのほぼ真ん中にある「かんな...
今回の舞台は熊本県の黒川温泉。筑後川の源流、田の原川沿いに24軒の温泉宿が立ち並ぶ。こぢんまりとした集落だが、今や全国から客を集める屈指の温泉地だ。 ここに岩肌を掘り抜いた幻想的な洞窟(どうくつ)風呂があるという。総延長30m。しかも...
ストレス社会。体と心が凝るのは季節を選ばない。夏でもゆったり温泉に入って、体と心の凝りをほぐしたい。でも、困るのは湯上がりの汗。せっかく温泉で汗を流しても、出てすぐに汗びっしょりでは元のもくあみ。さてどうしたものか…。 と思案していた...
強い日差しが照り付ける昼下がり。至る所でセミの鳴き声。外にいるだけで汗が噴き出す。「静かで、汗を流せるさっぱりできるところはないか」。 日常のそんな喧騒(けんそう)から逃げ出せる場所を、大分市牧の護国神社近くの高台に見つけた。...
「パパ、あれ何?」。九重町宝泉寺温泉から四季彩ロードへ抜ける町道宝泉寺栗原線バイパス(1部供用中)を車で走っている時、もうもうと上がる湯気を見つけた2歳の息子がたどたどしく声を上げた。 アリの脳みそほどの記者魂が騒ぎ出す。「何だろう。...
誰が呼んだか知らないが、泉都一の”B級温泉”と名高い別府市新別府の「市の原共同温泉」。九州横断道路から脇道に入り、長い坂を上る。飛び込んできた情景に、タイムスリップしたのかと目を疑った。存在を知らなければ「ボロボロ…いや失礼。趣のある倉庫...
田んぼの脇に、ぽつんと木造の小屋が立っている。地元の人に連れられて来た、何の変哲もない山あいの集落。車の助手席で辺りを眺めながら、思わずつぶやいた。「とても温泉があるようには見えないんですけど…」 地区の住民以外にはほとんど知られてい...
広い露天風呂にゆったりとつかって、手足を投げ出す。抜けない疲れだとか、肩凝りだとか、そういうものとはあまり縁がないタイプだと思っていたけれど、そんなことはなかった。体中にじんわりと熱が伝わってくる一方で、伸ばした手先、足先から何かが柔らか...
10日付の紙面はこちら