別府八湯をはじめ、数多くの温泉地を抱える「温泉天国・おおいた」。人にあまり知られていない秘湯、古くからの名湯、最近売り出してきた人気スポットなど「ちょっと気になる」温泉を、温泉好きの記者が訪ね歩き、入湯客などと触れ合いながら現地からの入湯体験をリポートします。温泉好きのあなたには見逃せない企画です。
※大分合同新聞 夕刊1面 2002年4月17日~2008年3月27日掲載
年(24歳)の割には、温泉巡りが好きな性格。「仕事じゃなかったらなぁ…」と、けしからん思いを抱きながらも、取材先へ向け車のハンドルを握ると、つい鼻歌が出た。 大分自動車道を九重インターチェンジで降りて、国道387号沿いに、熊本方面へ走...
棚田の風景に癒やしを求め、院内町余谷地区に行ってみることにした。昨年11月にあった「収穫感謝祭」で訪れて以来だ。 同地区は近年、大分大学生の農作業体験を受け入れるなど若者、都市との交流に力を入れている。いんない余温泉は、同地区の核施設...
日田市から熊本方面に向け国道442号を走る。中津江村に入るとカメルーン国旗を模した看板が沿道に点在。サッカー・ワールドカップに出場したカメルーン代表チームが昨年5月、同村でキャンプを張った”遺産”だ。 同村栃原にさしかかると「津江温泉...
いにしえに六郷満山の仏教文化が花開いた国東半島は、久住や九重の雄大さとはひと味違い、どこか神秘的。その中央部の両子山に程近い「国見温泉あかねの郷(さと)」を訪ねた。 岩肌がのぞく険しい山々に抱かれた施設は、秘境気分が味わえる人気スポッ...
豊富な泉源と泉質を誇る別府八湯。その中から、お薦めの露天風呂を幾つか選ぶとなると一苦労。そんなとき、口コミで聞いたのが「海抜ゼロメートルの露天風呂」のうわさ。うたい文句に引き寄せられて、向かった先は別府湾沿いの潮騒の宿「晴海」。国道10号...
突然ですが、質問です。「あなたが『温泉』に求める条件は次のうちのどれですか?」。 ①雰囲気②利便性③泉質・効能④経済的な料金⑤眺望⑥癒やし―。 迷わず「すべてです」と答えたあなたはかなり欲張りな温泉ファン。そんなあなたのために、...
「いやー、昼間から盛り上がっていますね」と同行のカメラマン。駐車場に降り立つと、2階の大広間からお年寄りグループだろうか、楽しそうな歌声が響いてきた。周囲を見渡すと、グラウンドゴルフにゲートボール、ペタンクのコートまである。なるほど「中高...
春らんまん。陽気に誘われ、ややくたびれた愛車で大分市を出発、目指すは久住町。右へ左へとカーブが連続する山間の道。杉林をバックに咲くピンクの桜が鮮やかだ。 目的の温泉は雄大な自然の中にたたずんでいた。入り口を入ると、正面に大きな布袋像。...
入り口に「せっけんは使えません」と書いてある。けちくさいことを言うなぁと思いながら、こっそり、せっけんを持ち込んだ。 あれれ…。全く泡立たない。それどころか、せっけんは見る見る白いカスへと変わり、手は油でベトベトになってしまった。 ...
陽気に誘われて、ブドウやスッポンの里、安心院町にある温泉へ。有名な社会派のミステリー作家、故松本清張さんと縁がある?という話も聞いた。これは興味深いと、車を走らせた。 安心院温泉センターは、町が町民の憩いの場として1980年に開いた。...
近年、なぜかブームになっている足湯。「別府にもないかな」と、ちょっとリサーチしてみると、さすが湯の町です。すぐに見つかりました。それも特筆ものが。地獄の一つ「血の池地獄」。お湯が真っ赤な足湯です。”地獄感覚”を味わうつもりで、そっと足を踏...
〈旅館「松乃井」・満天の湯〉 つらい。この中から1人を選ぶなんて。どの人も美しく、落ち着いていて趣深い。隣席の先輩にリストを見せ相談した。「そうだなあ。お、これはヤンキースで活躍しているあの選手に名前が似て…。よし、松乃井で入浴(ニュー...
市販のせっけん、シャンプー、リンス、洗顔クリームの持ち込みはお断り―。無公害せっけんを浴室に置いてあり、シャンプーは1回分ずつか、”ボトルキープ”で販売している。それもこれも、自然環境や生物を保護するための苦肉の策だ。 人里離れた山の...
「大昔、真玉の立石山で、日の神を祭っていた祭官がいました。祭官は長男の太郎天が生まれるとき、日の神に安産を祈りました。祈願を聞き入れた日の神が、水女神に水を、地女神に火を命じたところ、玉川(現在の真玉川)の岩のすき間から温泉がわき出ました...
眼下には三隈川、日田市街が広がり、遠くにくじゅう連山が雄大にそびえる。ホテル(10階建て)の最上階にある内湯・展望大浴場からの眺めは「絶景」の一言。「観月の湯」はその名の通り、湯船から月を眺めることができるところから名付けられた。 屋...
まるで幻想的なおとぎの世界。透き通るエメラルドグリーンがまぶしい番匠川に架けられた橋には小さなカッパたち。愛くるしい表情で、出迎えてくれた。ロマンチックな気分いっぱいで車を走らせた。 ホタルの里、巨大な水車、小半鍾乳洞で知られる本匠村...
「夏は冷泉でしょ」。打ち合わせでカメラマンがきっぱり。水風呂は苦手だが、「冷泉の魅力を知らないと本当の温泉好きとはいえない」とカメラマン。「よし、やったろうじゃないの」と、負けん気がむくむく。 向かった先は、中津市内から車で約30分。...
「黄牛」の滝―。これを正しく読める人は少ないはず。「『おうぎゅう』、いや『きうし』かな…」と答えたあなた、残念ながら不正解。正解は「あめうし」の滝。ことし4月、この不思議な名前の滝近くに、小さな温泉館「宮城温泉『出会いの湯』」がオープンし...
「姫島村にも温泉?」―。観光パンフレットを見ると、村東部にそれはあった。拍子水(ひょうしみず)温泉と言うらしいが、温泉にしては温度が低く23.6度。「冷たいのに、本当に温泉?」と疑問がわいてくる。...
温泉は地中からわき出るもの。ならば地底の雰囲気が味わえる温泉は?と探してみると、ありました湯布院町湯平に。岩がごつごつの洞くつ温泉。早速、入湯―。 洗い場に面した浴槽の岩肌に洞くつの入り口がぽっかり。白熱電球に照らされた洞内をのぞき見...
「大浴場の扉を開いて『うわー』って言うお客さんもいるんです」と話しながら「ふふ」と笑う福岡県吉井町の咸生閣(かんせいかく)・稲舛(いなます)守生社長。「『うわー』ってどんなんなの?」と思いつつ、まずはその大浴場へ。「さて入るかー」。ガラッ...
別府支社勤務を機に、遅ればせながら「別府八湯温泉道」への挑戦を思い立ち、時間を見つけては温泉通い。先日やっと初段ながら有段者になった。 今回は少し、遠くまで足を延ばしてみよう。まだ訪れていない明礬温泉郷へ―。 別府市街地から、国道...
九州で一番高い温泉(標高1,303m)法華院温泉までの交通手段は自分の足。長者原登山口からすがもり越えで、3時間半歩いた。道中のビデオ撮影もあり、標準的な所要時間よりずいぶんゆっくりのペース。それでも4年ぶりに80㎞を超えた体を、ここまで...
冷夏とはいえ、蒸し暑い毎日。人一倍暑がりなので、暑さの中の温泉取材はどうも気分が盛り上がらない。取材地探しに悩んでいると、ホームページで魅力的な温泉を発見。藤河内渓谷にある「藤河内湯ーとぴあ」。渓谷にあるという涼しげな響きに誘われ、やる気...
身も心も解き放されて、もう下界には戻りたくない、と感じてしまう。アウトドアでの「ひとっ風呂」は格別だ。 入浴後、草原の小道を通ってテントに戻る。持参したチェアに腰掛け、クーラーボックスから冷えた缶ビールを1本。沈みゆく夕日を眺めつつ、...
県南、佐伯支社に異動してきてはや5カ月。本社にいたころは自宅から歩いて5分の所に温泉施設があり、リフレッシュによく利用していた。「県南には温泉がほとんどないからなあ」とこぼしていると、「宮崎に『美人の湯』っていうのがあるらしいよ」。 ...
「きのこの里の温泉に行ってみないか」と声が掛かった。きのこの里?お菓子の名前に似ているような。エリンギ、マイタケ、ブナシメジ♪が味わえるかも。なにはともあれ、レッツゴー。 きのこの里はキャンプ場。敷地は挾間町と別府市をまたぎ、近くには...
知る人ぞ知る、大分市はちょっとした”温泉都市”。全国的に有名な別府市、湯布院町とは比較にならないものの、源泉数、ゆう出量は県内第4位。市内の温泉は「大深度地熱温泉」といい、地下600~800mの地層にため込まれている熱水に由来する―と、市...
大分市内から湯布院町方面へ車で40分、国道210号沿いに「みことピア ほのぼの温泉館」はある。 残暑もようやく終わりを告げてくれた。♪風立ちぬ 今は秋…♪と鼻歌を歌いながら心弾ませ向かった。医大バイパスを抜け挾間町にさしかかると景色は...
「温泉は静かで、のんびりできるからいいよな~」。温泉通のあなたなら、湯船の中でつい口にするセリフでは。で、今回は「静かで、のんびりできる」に加えて、「ぜいたく気分」も味わえるという温泉を求めて一路、久住町へ―。 久住高原を山すそに向け...
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