(7)自然の循環を生かす

> 未利用材を使ったアロマを開発する久恒山林の久恒まゆさん=2月、中津市耶馬渓町
 二十四節気の一つ「雨水」。寒かった冬も2月半ばになると一雨ごとに春めいていく。中津市耶馬渓町大野の森もそう。山林業「久恒山林」(中津市上宮永)の社有林を、製品開発担当の久恒まゆさん(30)が歩いていた。森はかすみがかかり、しっとりぬれた木々の表情をカメラに収めた。
 クロモジや夏ミカン、スギ、ヒノキの間伐材など、出荷されない未利用材を集め、蒸留してアロマを抽出する。木材価格が低迷する中、「都会で森の香りが求められているのでは」と久恒雄一郎社長が6次産品として取り組み始め、まゆさんが2年前に受け継いだ。
 アロマ事業のブランド名「六月八日」は、梅雨入りしたばかりの森をイメージ。木々や昆虫、動物たちが生命力に満ちあふれている様子を想起させる。
 同社は「東京インターナショナルギフトショー春2018」に出展した。「自然を用いてものづくりする皆さんと一緒になり、大いに刺激を受けました」とまゆさん。美大の学生時代に家具制作を学んだ。「今後は耶馬渓の森を活用したものづくりを進めたいですし、森を訪れ、体験活動ができるプログラムもつくりたい」と夢を語った。
 標高950メートル。津江山系釈迦(しゃか)岳の中腹にスノーピーク奥日田キャンプ場がある。「ここまでコーヒーの水をくみに来る人がいますよ」とシニア店長の井上圭一さん(42)。井上さんは福岡県久留米市出身。筑後川下流で育ち、源流の水に格別のうまさを感じるという。
 スノーピーク本社は新潟県三条市にある。隣接する燕市とともに金物と刃物の町として知られ、商品の製造は地元の工場に発注する。優れた技術で信頼性が高く、日本を代表するアウトドアメーカーになった。
 奥日田でキャンプ場を運営する傍ら、アウトドアメーカーとして5月の川開き観光祭など、市の行事にも積極的に参加する。「弊社の商品ラインアップに日田げたも加わりました」と井上さん。もはや地元企業に位置付けられている。
 井上さんら社員の合言葉は「キャンプをしませんか」。自ら自社製品を使って野遊びを楽しむ。奥日田には福岡を中心に九州各地から年間4千組が訪れる。
 自然の循環に身を置いて癒やされ、ものづくりなどで経済を回す。海、山、川、温泉―豊かな大分の自然をどう楽しむか。ものづくりのストーリーが数多く描けそうだ。 =終わり=

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