(4)本質を具現化する力

> 青竹の籠を地域で継承したいと話す三原啓資さん。「楕円」で活路を見いだせるか=大分市高砂町のいいちこアトリウムプラザ
 JR別府駅のそばにNPO法人ベップ・プロジェクトの事務所がある。ものづくりに独自のストーリーやデザインを加えようと、企業や作り手らが相談に訪れている。
 デザイナーとのマッチング事業は、県の「クリエーティブ・プラットフォーム構築事業」の一環。県経営創造・金融課は「商品がスペックや機能で売れる時代ではない。ストーリーなど消費者の共感を得るマーケティングやクリエーティブ人材の育成が必要です」と時代の流れを強調する。
 混浴温泉世界などアートで地域づくりをしてきた同プロジェクトが企画・運営を請け負った。理事長の山出淳也さん(47)は「デザイナーは無から有を創造するのではなく、異なる視点で提案をする。イマジネーションが豊富だったり、本質を具現化する力を持っているのです」と説明した。
 由布市庄内町北大津留の竹かご屋「笑竹堂」、三原啓資さん(49)も相談に訪れた。旧大津留小学校の校舎を借り受け、地区に伝わる籠やざるを青竹で編んでいる。「高齢化で技術の継承が難しい。付加価値を付け、持続可能な地域産業にしたい」と三原さん。
 同プロジェクトは、土地の力を引き出すデザイナーとして全国的に知られる梅原真さん(高知県)を紹介した。梅原さんは昨年10月に来県し、大津留の暮らしや竹林を見た。出たお題が「楕円(だえん)」。細かったり太かったり、7種類の楕円をそれぞれ大中小で作るよう指示された。三原さんは「技術的にも難しく、禅問答のようですが、どう展開するのか楽しみ」と期待を寄せる。
 本年度の相談は約60社からあり、マッチングしたのは18社。別府市駅前町の文具店「明石文昭堂」も一つ。大分市のデザイナー井下悠さん、越田剛史さんと組んだ。「書くことは伝えること・思うこと」をコンセプトに、創業90周年記念の万年筆とオリジナルインクのプロモーションを展開。別に「そえぶみ箋」も制作した。タワーをきめ細かく描くのに苦労し、何度もやり直したという。
 春は別れの季節。転校で別府市を離れる小学4年の女子児童が来店し、友人への贈り物を探していた。選んだのが別府タワーをあしらったそえぶみ箋。理由を聞くと「社会見学で皆と行った思い出の場所だから」という。「友達を思う真っすぐさに心打たれました。作って良かった」と明石佳子さん(35)。消費者の共感を得たと実感した瞬間だった。

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