解体修理を終えた西大門。5月2日に通り初め式がある=宇佐市の宇佐神宮上宮
【宇佐】今年、御鎮座1300年を迎えた宇佐神宮(宇佐市南宇佐)で大規模改修をしていた上宮入り口の西大門(さいだいもん)(県指定有形文化財)が完成した。完全に解体して修理するのは2回目で、江戸時代以降では初めて。5月2日に「竣功(しゅんこう)奉祝祭通り初め式」を営む。
上宮西側にある西大門は、両側に向(むこう)唐破風のひさしを付けた切り妻屋根の四脚門。平安時代の上宮創建当初から置かれ、その後、江戸中期の1723年に上宮一帯の社などが全焼。現在の門は43年に建てられた。
10年に1度、天皇の使いが訪れる勅祭が今年10月上旬にあるため2021年に傷みを調査したところ、柱などがシロアリの被害に遭っていることが判明。同7月から改修が始まった。
被害箇所を同種同材で補うなどし、建設当時の状態を忠実に再現した。改修事業費は3億円。解体中に銘文が発見され門の建設時期が明確になったほか、木材の使い方や構造上の特徴などこれまで分かっていなかったことも明らかになったという。
勅祭に向け、同時に改修していた上宮・南中楼門などの工事も終えた。
同神宮で文化財を担当する江藤和幸さん(58)は「1940年の『昭和の大造営』以来の大規模改修で、建築当初と同じきれいな姿になった。多くの参拝者に見てほしい」と話した。
通り初め式は午前10時45分から。神事後、夕方まで開放され、一般参拝者も通れる。それ以降は祭典などが開かれる間のみ通行可能となる(脇門は開放)。