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外国人実習生に寄り添う 「トラブルはフォローが足りないから」

令和 新時代を生きる

 「先生こんにちは」。江丹さん(41)が教室に入ると、並んで座った中国、ベトナムの若者たちが一斉に頭を下げた。にこやかなあいさつもつかの間、一転して厳しい表情に変わり、先生の説教が始まった。
 江さんは大分市にある外国人技能実習生受け入れ機関「大分テクノサポート協同組合」の代表理事。監理団体として、県内外の食品製造、介護、リネンサプライなどの組合企業に派遣される実習生の母国語によるサポートや日本語指導に当たる。これまでに延べ400人近くを受け入れている。
 「若い人が意欲的に働くには使命感を与えること。達成感やリフレッシュも絶対必要。日本で稼いで将来どうしたいのか。お金以外のモチベーションを一緒に探したい」と力を込める。
 「うちはすごく厳しいの」。準備期間となる約1カ月の共同生活の中で、身だしなみ、ごみの分別に靴のそろえ方、声の大きさまで、日本での生活ルールを徹底的に教え込む。「言葉の壁もある中で、日本人からは風習の違いをはっきり指摘されないまま嫌われてしまう。組合員と実習生のために、きちんと指導する責任がある」
 中国出身。大分で暮らして16年になる。ホームシックになった当初、下宿先のアパートの大家や住人の学生らが暮らしの知恵を親切に教えてくれた。「力になってくれる人がいたからストレスが軽減した。実習生のトラブルや失踪は、フォローが足りないから」と相談体制の重要さを身をもって知る。
 29歳でこの仕事に就き、代表を引き継いだのは2015年。経営心理学の研究のため大学院に入り直し、300人の外国人実習生に実施したアンケート結果を基に必要な支援を考えた。大分いのちの電話のボランティア相談員になり、悩む人への寄り添いを実践した。関連する複雑な法律を学び、毎晩遅くまで実習生の個別相談に乗る。ただ「頑張れ」「我慢して」ではなく、不安や不満を具体的に聞き出し対処することが大切だという。
 少子化で急速に労働力が不足する国内では、外国人なしでは立ちゆかない業界も多く、品質を誇る〝メード・イン・ジャパン〟も外国人に支えられているのが現状だ。「〝共生〟がキーワード。日本で働きたい外国人は多いが、帰国する時に日本を好きでいてほしい。互いに必要な存在として感謝し合えるよう、環境を整えていかなければ」。また表情を引き締めた。

 こう・たん 出身の中国・大連にある日系企業で働いていた。25歳の時、留学のため来県。大分市で暮らす。仕事以外にも、5歳の長男の育児や中国から呼び寄せた母親の看病など日々フル稼働。

<メモ>
 外国人労働者の受け入れを拡大する改正出入国管理法が今年4月に施行。国は人手不足が深刻な農業や建設、介護など14職種について、5年間で約34万5千人の受け入れを見込む。しかし留学や技能実習の名目で不当に安い給料や劣悪な環境で働かされるケースが多発。日本人側の不安や偏見、医療、子どもの教育、災害時対応をどうするかなど課題は山積している。
※この記事は、11月19日大分合同新聞朝刊19ページに掲載されています。

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