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大雨ないのに斜面が崩壊、共通点は「火砕流台地」

戦後8件、九州では大分と鹿児島に集中

 昨年4月に中津市耶馬渓町で起きた山崩れと同じケースの斜面崩壊が、九州で少なくとも戦後8件発生していたことが国土交通省の資料で分かった。いずれの箇所も火山の噴火による火砕流が堆積してできた地質で、発生時に雨は降っていないか、小雨だった。大分、鹿児島両県に集中しており、県内は他に2件あった。台地のへり部分が崩れるといった共通点も見られる。
 崩壊箇所周辺の地質は、地質年代「第4紀」(約260万年前~現在)に火砕流の堆積物で形成された。はっきりした台地の形をしているのが特徴で、九州では主に大分、熊本、鹿児島の3県に広がる。
 発生したのは、いずれも台地周縁の崖や急斜面。直近の雨のピークから4時間~7日以上経過した段階で崩れた。
 大分県内は住民6人が犠牲になった中津市以前にも、2003年7月に日田市三和で土砂崩れ(1人死亡)、05年11月に竹田市会々で崖崩れ(家屋1棟全壊)が起きていた。
 中津市の山崩れを受け、国交省の九州地方整備局と国土技術政策総合研究所、大分県、学識経験者はメカニズム解明などを目的とした研究会を設置。崩落現場の調査で、崩れた斜面の内部に地下水が集まっていたことが確認された。
 地質が複雑で、異なる地質の境界に地下水がたまりやすくなっているとみられるという。このため、長い時間をかけて境界付近が粘土化するなどし、雨が降っていない状態でも崩壊した可能性があると推測されている。
 研究会は火砕流台地周縁の地形解析や地質調査などを進めている。九州地方整備局は「崩壊の発生メカニズム解明や、今後崩壊する危険性が高い斜面を探る手法の確立を目指す」と話している。

〇耶馬渓の山崩れ現場上空で電磁探査
 国土交通省の九州地方整備局と国土技術政策総合研究所は21~23日、中津市耶馬渓町金吉の山崩れ現場上空で電磁探査調査をした。一帯に広がる火砕流台地の地下水などの状況を把握し、雨が降っていない状態での崩壊メカニズム解明や調査手法の確立につなげるのが目的。県などでつくる研究会の取り組み。
 対象エリアは現場を含む約12平方キロ。ヘリコプターで地上30メートルの高さにつるした磁気センサーで磁場を発生させ、地下150メートルまでの範囲で地下水のある場所を調べた。
 今後、湧き水の水量観測も始め、流れ出る地下水の特性や地形・地質との関連性の分析などに役立てる。
 調査は同様の斜面崩壊が起きた九州8カ所の一つ、鹿児島県南大隅町の現場でも今月、実施している。
※この記事は、5月24日大分合同新聞朝刊21ページに掲載されています。
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