別府市が扇山の麓に計画する「新湯治・ウェルネス」研究・実践拠点施設のイメージ(市提供)
【別府】別府市は扇山の麓に計画する「新湯治・ウェルネス」研究・実践拠点施設について、事業のアウトラインや進み具合を9日の市議会全員協議会で説明した。官民連携のPPP方式で進めるため、建物の整備や管理運営(30年間)で要する約100億円は民間事業者が担い、市の手出しは「ない」と言明した。
市によると、施設は▽健康温浴▽ラボ▽温浴体験▽民間提案―の4エリアで構成。民間提案を除く3エリアの「公共部分」に、湯中体操ができる浴槽や温泉効果の情報を蓄積するデータセンター、着衣のまま別府湾を眺望できる大露天風呂、貸し切り温泉などを設ける。
単年収支は公共部分で約7億円のプラスが出ると見込む。試算では、主な収入となる利用料は市民向けの健康温浴エリアが700円、観光客向けの温浴体験エリアは欧州の同様の施設を参考に8千円と設定。利用者数は市内に年間700万人以上の観光客が訪れていることなどを踏まえてはじき出した。
利用者が予想を大幅に下回り、赤字になった場合の負担については「現時点で決まっていない。リスク分担などは、これから民間事業者と話し合うことになる」(新湯治・ウェルネス推進室)という。
温泉は新たに採掘せず、既存の泉源から湯を確保する方針。複数の泉源所有者と交渉を進めている。
計画地は標高約400メートル付近にある。接続するための道路や上下水道、温泉管などのインフラ整備は市が受け持つ。本年度までに4億3800万円を投じる予定で、「大半を国の支出金と有利な地方債で賄う」と市。ウェルネス事業用に27億7千万円の基金も積み立てている。
長野恭紘市長は「施設単体だけでなく共同温泉や旅館、飲食業などとの連携を進める。人口減が進む中、市全体の産業が関連して潤うことが重要」と話した。