東京一極集中のすさまじい奔流に抗しながら地域活性化、県勢の発展を求めて、ひたすら走り続けた6期・24年。大分県政史上最長、四半世紀に及んだ「平松時代」の幕が下りた。一村一品運動や高速交通体系整備、企業・大学誘致、地方分権、ローカル外交……。大分県はその姿を大きく変えた。激動の日々を平松守彦前知事の証言でつづる。
※大分合同新聞 朝刊1面・県政面 2003(平成15)年5月1日~7月15日掲載
< 豊の国文化創造県民会議の提言=1989(平成元)年9月=に沿って、90年代は大型の文化施設建設が相次いだ。95年2月に大分市に県立図書館、3月には別府市にビーコンプラザが完成。98年9月には県立病院跡地にオアシスひろ...
< 1997(平成9)年、大分県でも公費不正支出が明るみに出た。発端は県土木建築部監理課の不正支出からだった。95年までの5年間で、2,400万円。カラ出張で浮かせたカネを内部の飲食や慶弔費に使っていた >
< 1999(平成11)年4月の知事選で、平松知事は六選を果たした。2002サッカー・ワールドカップ(W杯)が3年後に迫っていた > ◆気のないふり装う W杯の開催候補地に大分県が立候補したの...
< 1997(平成9)年11月、ワールドカップ(W杯)日本組織委員会(JAWOC)が発足。副会長に平松知事が就任した。組織委の要となる事務総長の選任が最大の焦点になった > ◆絶妙のコンビぶり ...
< 2000(平成12)年4月23日、天皇皇后両陛下を迎え、全国植樹祭が大野町の県民の森平成森林公園で開かれた > ◆ミュージカル風に 91年の台風で県内では約2万2千ヘクタールもの風倒木被害...
< 2000(平成12)年8月14日、野津町で一家六人が殺傷される事件が起きた。加害者は近くに住む高校一年の少年(15)=当時=だった > ◆やりきれない思い お盆の中日は公舎で高校野球中継を...
< 1998(平成10)年4月、県立看護科学大学が野津原町廻栖野に開学した > ◆多様化するニーズ 県立病院が現在地(大分市豊饒)に移転する2、3年前から、看護師を養成する厚生学院の移転も検討...
< 2003(平成15)年4月、大分市東春日町に県消費生活・男女共同参画プラザ「アイネス」がオープンした > ◆女性課長起用して 女性団体が交流する拠点として女性センターの整備が全国各地で...
◆古里を愛した画家 自ら半生を振り返るとき、名前を語らずにはいられない人がいる。県出身の画家、高山辰雄先生はその1人だ。副知事時代、長女の由紀子さんも交えて対談して以来、常にご教示いただいた。一村一品運動を始めたころ、先生は「大分はね、...
◆分権論とは程遠く 知事になって気付いたことがある。東京出張の多さだ。東京には中央省庁が集まっている。地方自治体は、何をするにもいちいち中央省庁にお伺いを立てなければならない。予算も情報も握られている。企業も同じだ。新しい事業を始めるに...
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