苦難を経て四国有数の建設会社へ。城北建設の復活ストーリー

香川県全域と近隣県でとび土工事と一般土木工事を中心に手がける城北建設株式会社。高松港や高松駅、香川県庁、大型ショッピングモール、トンネル、ダム、再開発事業などの土木工事・建築工事に携わり、四国では大手の建設会社としての地位を確固たるものにしています。
一方、半世紀近く前の創業以来の歴史を紐解くと、バブル崩壊の影響を受けて債務超過の窮地に陥り、一度は倒産にまで追い込まれた経緯があります。
そんな城北建設を買収し、見事に経営を立て直したのが、現社長の細谷芳久氏です。建設業界には縁がなかった細谷社長がなぜ買収に乗り出し、どのように会社を復活させたのか、細谷社長に激動のストーリーを語っていただきました。
買収を決意させた自営業への憧れ
城北建設の創業・設立は1978年です。最初は重機を使用した土木工事を中心に事業を行っていました。細谷社長が1992年に経営を引き継ぎ、事業展開を進め、会社組織を構築・強化を図ると同時に、人材や技術面でのレベル向上に努め、毎年業績を拡大させてきました。
とはいえ、かくいう私は城北建設どころか、建設業界で働いていたわけでもありませんでした。
城北建設を買収するまでは日本航空の社員として、国際物流の業務に携わっていました。全くの畑違いですが、当時から胸に秘めていたのは「自営業に挑戦してみたい」という気持ちでした。
そうして迎えた1992年のバブル崩壊が、私の運命を大きく変えることとなります。
日本全体の経済が冷え込んだ中、官民の建設投資も当然落ち込みました。建設業界はピンチを迎え、私の実家が多少の出資をしていた城北建設も例外ではありませんでした。
城北建設は細谷社長が1993年に本社を移転し、翌年には公共工事の施工体制を拡大したものの、結局は債務超過に陥って倒産の憂き目に遭います。
そのタイミングで会社を買収したのが私でした。今になって考えると、「自営業に挑戦してみたい」という動機は極めて単純なものでしたが、当時の私は「仕事さえ取れれば何とかなる」との一念しかありませんでした。
たった一人で繰り広げた「人海戦術」の営業
そうして会社を買収し、1996年に社長に就任したものの、建設業界のことを何一つ知らなかったことに変わりはありません。そんな私が全力を注いだのは、とにかく毎日現場に出て一から学び、たった一人で「人海戦術」の営業を繰り広げることでした。
「仕事は受注出来てから考える」という荒々しい考えで、兎に角がむしゃらに仕事の受注を第一に考え、それを継続できたことが、城北建設が再び成長に向かうターニングポイントになったと思います。
その苦労が報われたのか、売上高は1.8億円から21億円へと拡大しました。リーマンショックの頃などは結構厳しかったものの、これまで一度も赤字を出したことはありません。毎年着実に成長を続け、2025年は過去最高の売上高を達成することができました。
時代に合わせた「変革」も推進

この会社が長年培ってきた技術と信頼を守ろうと数字を追ってきた私ですが、時代に合わせて「変革する」ことのバランスも重視してきました。
とりわけ強かったのは、業界特有の荒々しさが目についた社風を転換したいという気持ちです。社内の空気を変えようと、ネクタイの着用や家族同伴の忘年会といった施策を導入しました。
どれだけ会社の売上高が増えたところで、働く人たちがついてこなければ意味がありません。そのため、日々の仕事に一生懸命取り組む中で、気づいたら一人ひとりの人間性が磨かれているような会社にしたいという想いがありました。
国家資格の1級施工管理技士が多数在籍
城北建設には、国家資格の 1級施工管理技士が15名在籍しています。とび土工事業を営み、私たちと同程度の規模の会社に在籍する1級施工管理技士は平均2~3名なので、城北建設では5倍を超えるほどの人数が活躍していることになります。
建設会社における1級施工管理技士の有資格者数は、業界内における信頼度の高さを表す客観的な指標です。ちなみに、四国全体における一級コンクリート施工の国家資格保有者の割合も、城北建設の社員が6割以上を占めます。
業務の自主管理も徹底している中、全員が「管理」と「作業」の両方をこなせるため、ゼネコンからの評価・施工点数は極めて高い状況です。
もちろん、こうした国家資格の取得は簡単なことではありませんが、会社としても現場の仕事を通じた知識の向上や実践を積極的にサポートしている成果の表れだと考えています。
「全員の物心両面の幸せを追求する」との経営哲学を貫く
城北建設は土木工事を中心に事業を展開し、会社組織の構築・強化と同時に人材や技術面のレベル向上に努め、毎年業績を拡大させてきました。
充実した設備機器や熟練のオペレーターなどによる技術力は、大手ゼネコン、官公庁からも高い評価を得ています。
現在は業界内でも急成長企業として注目を集め、鳶(とび)土工の分野では四国でトップクラスの施工能力、業績、財務内容を誇るまでになっています。
経営者としては、社員一人ひとりが「何のために仕事をするのか?」「何のために生きるのか?」を考えながら自分を成長させられる会社づくりを目指してきました。
日々の仕事においては「人間として正しいか?」という判断基準のもと、協力会社を含めた城北建設グループを一つの大きな家族と捉え、「全員の物心両面の幸せを追求する」との経営哲学を貫いてきました。
一人ひとりの社員には充実感と働きがい、生きがいを実現すると同時に、各々の人格向上を図ってもらい、豊かな人生を送ってほしいと願っています。
「Sincerity・Love・Harmony(真・善・美)」の理念
「Sincerity・Love・Harmony(真・善・美)」は人間が普遍的に理想とする価値観で、私たちの根底に流れる理念でもあります。
「真・善・美」は哲学用語ですが、ビジネスにも当てはまります。私たちは真の仕事、真の製品、真のサービス、真の生き方を目指し、善良な心で、お客様と社会に貢献することを使命としています。調和と秩序のとれた美しい仕事をすることで、お客様に美しい商品をお届けしたいと考えています。
城北建設は「かがわ地方創生SDGs登録事業者」に登録するなど、地域社会との共生を重視しています。これからも社員の精神規範の基本である「真・善・美」を究め、お客様と豊かな社会の発展に努めます。
城北建設の将来ビジョンとは?
2025年4月、息子の勇貴が取締役として入社しました。彼が中心となり、社内では多くの若手を採用して成長させられる仕組みづくりや、伝統的な職人技を現代の仕組みにアップデートさせるDX化の取り組みなどを積極的に進めています。
最近は10~20代の若手が多く入社してくれていて、大手建設会社での経験を活かしたキャリア形成や、育成を見据えた採用も実施しています。
若手が明確な目標を持てるよう「ビジョンの可視化」も進めています。何年後にどうなり、給与がいくらになるかを具体的にイメージできるキャリアステップのフレームを定量的に示す仕組みづくりに取り組んでいます。
今後は定量的な評価システムを構築し、一人ひとりの能力やパフォーマンスを客観的に可視化し、実際の処遇とリンクさせて、すべての社員がより大きな納得感を持って働ける環境を整える考えです。
事業においては、本格的な東京進出を計画しています。首都圏には、仕事そのものはいくらでもあると思います。「仕事は取ってから考える」というがむしゃらな我社の原点に立ち返り、売上のスキームをしっかり構築していきたいと思います。
社内に芽生える新たなコミュニケーションの形
社内には、これまで培った高度な技術力が蓄積されています。それらをもとに、先輩たちが後輩に丁寧な言葉で仕事を教えるコミュニケーションの文化も定着しているので、若手が確実に成長できる環境が整っています。
一方、DX化を推進している中では、デジタルに不慣れなベテラン社員に対して若手が教えるという新たなコミュニケーションの形が芽生えています。日常の仕事はこれまで通りベテランが若手を指導し、デジタルのノウハウは若手がベテランに教えるという双方向のやり取りが新鮮で、コミュニケーションの活性化にもつながっていると思います。
ちなみに、土木と建築の現場を同時に動かしている中では、仕事がある日、ない日がある案件を管理したり、複数の現場のスケジュールを横断的に確認して人を配置したりするシステムを導入しています。
社員はそのシステムにアクセスさえすれば、自分がいつどこの現場に行くのかを把握できます。これまで一人の担当者がExcelなどで管理していた業務を見える化したことで、社内の風通しが良くなったと感じます。
「香川の地図に残る仕事」で地域の発展に貢献
私たちの仕事を分かりやすく例えるなら、香川県に住む皆様のより良い暮らし、地域の発展に貢献する「香川の地図に残る仕事」だと言えます。
これからも素直で元気さと意欲のある仲間を迎え入れながら、さらなる事業拡大を目指し、世の中に必要とされる会社であり続けたいと考えています。
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