父親になって、はじめて一流になった
トップセールスが未熟児の娘と2歳の長女、妻の入院を経てたどり着いた、人生のもう一つの正解

■ あの日、信号がやけに長く感じた
「すぐに病院に来てください」
その電話を受けたとき、佐藤利幸はいつも通り朝のコーヒーを淹れ、2歳の長女の寝顔を眺め、その日の商談を頭の中で組み立てていた。
電話の声は不思議と冷静だった。
だからこそ、ただごとではないことが伝わってきた。
妻の体調が急変した。
お腹の中の赤ちゃんが、危険な状態だ。
緊急で、帝王切開をする。
車を走らせる道で、赤信号がやけに長く感じた。
心臓が、信号が変わるたびに締めつけられた。
その日が、佐藤の人生を完全に変える日になるとは、まだ知る由もなかった。
■ 未熟児で生まれた次女、入院した妻、そして2歳の長女と二人で生きる日々
次女は無事に生まれた。
しかし未熟児で、しばらくNICUに入ることになった。
妻もまた、出産による負担で集中的なケアが必要となった。
そして、保育園に預けている2歳の長女が、その夜から佐藤と二人きりになる。
お風呂の入れ方さえ、わからない。
ご飯のメニューも、決められない。
保育園の連絡帳に、何を書けばいいのかわからない。
保険・住宅業界でトップセールスとして数字を出し続けてきた自分が、たった一人の2歳児の前で、こんなにも無力だった。
「俺は、なんて何もできない父親だったんだろう」
保育園に長女を送り届けた帰り道、車の中で、佐藤は声を出して泣いた。
■ シンクに積まれた食器を見て、気づいた
「忙しい」を盾にして、家族と向き合ってこなかった自分。
ある夜、寝かしつけを終えてリビングに戻ったとき、シンクに積み上がった食器を見て、佐藤はため息をついた。
「妻がいないと、家がこんなに荒れるのか」
そう思った瞬間、自分の言葉に違和感を覚えた。
いや、違う。
これは、妻がいないからではない。
自分が、家を回せていないからだ。
家事を、育児を、家族の生活のすべてを、ずっと妻が一人で支えていた。
それに、自分はどれだけ感謝してきただろうか。
声に出して、佐藤はつぶやいた。
「俺が、悪かった」
その夜、彼は決めた。
もう、誰のせいにもしない。
これが、彼が今も信条として掲げる「一切他責にしない」が生まれた瞬間だった。
■ 仕事は、制限されるからうまくいく
夕方のお迎え。
夜の寝かしつけ。
土日の家族時間。
それまでの「夜の会食でクロージング」「終電帰り」「土日も商談」という働き方は、根本から崩れた。
最初は絶望した。
これでは、トップセールスでいられない。
ところが、不思議なことが起きた。
時間が制限されたことで、無駄が見えるようになった。
意味のない長時間の打ち合わせ。
「お付き合い」と称した不要な会食。
「念のため」と作っていた資料。
そのすべてが、成果に直結していないことに気づいた。
選択と集中。
無駄の徹底排除。
クライアントとの会話の質を上げる。
本当に大切なクライアントに時間を投じる。
結果、佐藤の数字は落ちなかった。
むしろ、伸びた。
「仕事は、制限されるからうまくいく」
これが、本書に込められた彼の確信である。
■ 子どもは、親の行動を見ている
ある日、長女が言った。
「パパ、ありがとう」
佐藤は驚いた。
「え、なに?なんで?」
長女はこう答えた。
「パパ、いつも、ママに、ありがとうって言ってるから。私も、言いたいなと思って」
佐藤は衝撃を受けた。
「ありがとうを言いなさい」とは、一度も言ったことがない。
それでも娘は、父の行動から、感謝の大切さを学んでいた。
子どもは、親の言葉ではなく、行動を見ている。
それは、想像以上に重い責任だった。
しかし同時に、自分自身を成長させてくれる、最高の動機でもあった。
■ 父親になって、はじめて一流になった
かつての佐藤にとって、「一流」とはトップセールスであることだった。
数字を出す。
結果を出す。
誰よりも稼ぐ。
しかし父親になってから、彼の「一流」の定義は根本から変わった。
本当の一流とは、人生のすべてを統合できる人。
仕事も、家庭も、自分自身も、すべてを大切にしながら結果を出せる人。
誰かを犠牲にしないで、自分と周りを幸せにできる人。
そして、そういう人は、ほぼ例外なく、家族を大切にしている。
■ 全国の父親へ、伝えたいこと
あなたが、家族と本気で向き合おうとしているその姿勢が、すでに尊い。
完璧でなくていい。
失敗してもいい。
ただ、逃げずに、向き合い続けてほしい。
子どもは、すごい父親を求めていない。
向き合ってくれる父親を、求めている。
本書には、トップセールスだった一人の男が、家族を通じて「本物の自分」にたどり着くまでの、リアルで、不器用で、それでも前向きな日々が詰まっている。
仕事と育児のあいだで揺れているすべての父親へ。
家族の力をもっと信じたいすべての人へ。
そして、自分の人生をもう一度つくり直したいと願うすべての人へ。
あなたは、ひとりではない。
これは、著者・佐藤利幸からの、心からのメッセージである。
■ 書籍情報
『パパ育児が、すべてを変えた。』
未熟児で生まれた娘と2歳の娘、仕事と家庭の狭間で見つけた「父親の本質」
著者:佐藤 利幸
発行:ドラゴン出版
形式:Amazon Kindle/ペーパーバック
販売ページ:
https://www.amazon.co.jp/dp/B0GZFPXQ3Z
■ 著者の事業活動
株式会社レジデンスコネクト
https://rc0314.com
一般社団法人産前産後ファミリーケア協会
https://yourfamilycare.net
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