【開発者インタビュー】「もずく=酸っぱい」の常識を覆す|1日1kgの試食、奇跡の原料探し…新感覚『TSUKE MOZUKU』誕生に隠された、情熱と執念のストーリーに迫る

もずく・めかぶ等の食品製造及び販売をおこなっている、山忠食品工業株式会社(代表取締役社長:野村正和 本社:三重県亀山市、以下、山忠食品)が提供する「TSUKE MOZUKU(つけもずく)」について、山忠食品の開発担当者である光本氏にインタビューを実施いたしました。
発売から約3年。TSUKE MOZUKUを体験いただいた多くのお客様からのご好評に加え、食の専門家であるフードアナリスト約2万3,000人が、消費者目線とプロの評価軸の両方から公正・中立に商品を審査する『ジャパン・フード・セレクション』グランプリの受賞や、日本在住の外国人有識者による現物審査を経て「世界に発信したい魅力にあふれている」と認められた対象を受賞商品・サービスとして認定するアワードである『おもてなしセレクション』でも金賞を受賞する評価をいただいております。
スーパーでパック売りされている「酸っぱい三杯酢」のイメージを根底から覆し、数々の賞を受賞した『TSUKE MOZUKU』。専門家からも絶賛されるこの商品は、いかにして生まれたのかー。今回は開発担当の光本氏に、商品化までの想像を越える苦労と、プロフェッショナルな品質へのこだわり、そしてもずくに懸ける熱い想いに迫りました。

■ 「もずくの本当のおいしさを伝えたい」——すべては社長の熱意から始まった
ー 発売から約3年が経ちました。SNSなどでも大きな反響がありますが、今の率直なお気持ちを聞かせてください。
光本:あっという間の3年間でしたが、お客様から「こんな食べ方あったんだ!」と驚きのお声をたくさんいただけるようになり、本当に嬉しい気持ちでいっぱいです。皆さんが抱いていたもずくのイメージが、良い意味でのギャップとして受け入れられていることに、私自身も日々刺激をもらっています。
ー そもそも、なぜ「めんつゆ」で食べるもずくを開発しようと思ったのでしょうか?
光本:原点は、弊社の野村社長の並々ならぬ熱意でした。「沖縄では当たり前のように食べられている、めんつゆでズルズルっと食べる『ざるもずく』の文化を広めたい」という強い思いがあったんです。本州では「もずく=三杯酢で食べる酸っぱいもの」という固定概念が根強いですが、実は私自身も、酸っぱすぎるものは少し苦手でして…。
でも、めんつゆの味付けは日本人の味覚にとても馴染みますし、何よりおいしいんです。酸っぱいからという理由でもずくを避けていた方にこそ、「もずくにはこんなにおいしい食べ方があるんだよ」ということをどうしても知ってほしいという気持ちもありました。

■ 立ちはだかる「食感」の壁|見るのも嫌になった「1日1kg」の試食
ー 全く新しい形の商品を作るのは容易ではなかったはずですが、開発で最も苦労したのはどんな点ですか?
光本:圧倒的に苦労したのは「もずく本来の食感を再現すること」です。通常、スーパーなどで売られているもずくは、加熱処理をしており、工場で大量生産するため、機械の刺激が加わったりします。その結果、どうしても短くちぎれてしまい、本来の食感が失われたり、ぬめりが多く出たりしてしまうんです。
社長が思い描いていたのは、沖縄の海で採れたもずくの長さをそのままに、麺のようにズルズルとすすれる食感でした。それを実現するためには、「加熱せずに殺菌する」という、従来の常識を捨てるゼロからの製法構築が必要だったのです。
ー 具体的な開発はどのように進められたのでしょうか?
光本:もう、本当に手探りの毎日でした。食感や匂い、長さなどを確認するために、来る日も来る日もキッチンにこもってテストを繰り返しました。開発当初は、毎日「1kg」ものもずくを食べ続けていたんです。
お昼ご飯なんてとても入らないくらいお腹がいっぱいで…正直なところ、もずくを見るのも嫌になる時期がありました(笑)。それでも「絶対にこの食感を届けるんだ」という一心で食べ続け、最終的に社長に試食してもらい「これだ!」と納得してもらえるまで、ひたすらに試行錯誤を繰り返しました。

■ 奇跡の「もずく」|沖縄の海が育んだ最高峰の素材と、非効率な「全手作業」
ー そこまでして守り抜いた「食感」。素材にも並々ならぬ秘密がありそうですね。
光本:はい。実は『TSUKE MOZUKU』に使われているもずくは、沖縄の海で採れるものの中でも全体のわずか「1〜2割」という、極めて厳しい条件をクリアした希少なものだけを使用しています。
TSUKE MOZUKUは加熱処理を行わないため、もずくが元々持っている菌数のレベルを厳密にコントロールしなければなりません。食感が良くて、長さがあり、匂いが良く、かつ菌数レベルの基準も満たすもの。これを探すのは至難の業です。海流や気候によって毎年もずくの出来は変わるので、毎年一番良い状態のものを厳選して引き入れています。
ー 全体のたった1〜2割!それをどのように加工しているのですか?
光本:機械を使うと食感が損なわれてしまうため、異物の除去から殺菌工程、そして袋詰めに至るまで、なんとすべて「手作業」で行っています。非常に手間と時間はかかりますが、この非効率さこそが、もずく本来の長さと、シャキシャキとした「生きた食感」を守るための唯一の方法なんです。
また、居酒屋などで出されるもずくは塩漬けされていることが多く、塩抜きの加減が難しくてしょっぱさが残ったり食感が悪くなったりすることがあります。しかし本商品は、あらかじめ丁寧に塩抜きをした状態でお届けしています。そのため、洗う手間もなく、開けてすぐに最高の状態で召し上がっていただけるんです。
3,000円〜という価格設定は少し高く感じられるかもしれませんが、大切な方へのギフトや、日常の中の「プチ贅沢」として、間違いなくそれ以上の感動と価値を感じていただけると自負しています。

■ 美味しさだけじゃない|「腸活」の強力な味方としての魅力と秘密のアレンジレシピ
ー 健康面でのメリットも大きいとお聞きしました。
光本:そうですね。もずくはカロリーが非常に低いにもかかわらず、水溶性食物繊維が豊富に含まれています。最近「腸活」という言葉をよく耳にすると思いますが、腸内環境を整えることは体の内側から美しく健康になるために非常に重要です。特にお通じに悩まれている女性や、カロリーを気にされる方には、美味しく食べられて健康にもアプローチできる、最高の食材だと思います。
ー 毎日1kgもずくを食されていた光本さんだからこそ知っている、おすすめの「アレンジレシピ」はありますか?
光本:私自身、ラーメンが大好きなこともあり、付属の特製だしつゆ(めんつゆ)に「ニンニク」を入れる食べ方がすごく好きです!パンチが効いて、たまらない美味しさになりますよ。あとは、ラー油やごま油を少し垂らしてピリ辛にするのもおすすめです。ごま油の風味が食欲をそそり、無限に食べられてしまいますね(笑)。

■ 小鉢の「脇役」から、食卓の「主役」へ|もずくの概念を変える挑戦
ー 最後に、光本さんが描く今後の展望や「夢」を教えてください。
光本:現在、もずくは本州でよく食べられる食卓の端っこにある「小鉢の脇役」という位置づけがほとんどだと思います。でも私は、沖縄でいただくいわゆる「ざるそば」スタイルの食べ方が全国的にスタンダードになる日を夢に描いています。将来的にはお米やパスタ、うどん、そばと同じように、「今日のメインの主食は何にする?」「もずくにしよう!」と選ばれるような存在になってほしいと本気で願っています。
また、「好きなもずくの味付けは?」と聞いた時に、半数の方が「めんつゆ!」と答えてくれるような世の中になれば最高ですね。
ゆくゆくは、パスタ専門店のようにもずく専門店ができて、色々な味のバリエーションでメインディッシュとして提供される…そんな未来を描いています。そのためにも、「もずく=酸っぱい」という固定概念をぶち壊し、もずく業界全体を様々な面からアプローチをし、盛り上げ、底上げしていきたいです。

■ プロフィール
山忠食品工業株式会社 商品企画担当
『TSUKE MOZUKU』ブランドリーダー|光本 茉穂
2020年、山忠食品工業株式会社入社。入社2年目にして、社長直轄の最重要案件である『TSUKE MOZUKU』プロジェクトに抜擢。開発着手から7年以上難航していた同商品を、独自の視点と推進力でわずか半年で製品化へと導く。現在はプロジェクトリーダーとしてブランド成長を牽引する傍ら、EC事業の運営、全社ブランディング、広報、スポンサーシップ等のマーケティング全般を統括。「もずくの新しい価値創造」をミッションに、次世代のファンづくりに注力している。
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