12月、編集局は年末年始に掲載する記事の準備で忙しくなる。この一年に他界した著名人をしのぶ「墓碑銘」もその一つ。今年10月に亡くなった元大分商工会議所会頭の安藤昭三さん(享年96)は、短い間だったが経済記者として取材を担当し、印象深い人だ...
10月中旬、大分市人権フォトコンテストの審査委員を務めた。初めての仕事に緊張しながら参加した。 このコンテストは、人権を考えるきっかけにしてもらおうと同市が毎年実施しており、今年で18回目を迎えた。テーマは「With You 共助~一...
「その時、踏むがいいと銅板のあの人は司祭にむかって言った」。遠藤周作の小説『沈黙』のクライマックスだ。舞台は江戸時代の長崎。島原の乱が鎮圧されて間もなく、キリシタン禁制が厳しい中、ポルトガル司祭ロドリゴは布教を絶やさぬため日本に潜入する。...
少数与党となった第2次石破内閣が発足して2週間になる。共同通信社による直近の世論調査(16、17両日)で内閣支持率は40・0%。前回(10月28、29両日)の32・1%から持ち直したものの、支持と不支持は拮抗(きっこう)している。党内基盤...
米大統領選で共和党のトランプ氏が4年ぶりの返り咲きを決めた。女性初を目指した民主党のハリス氏とは事前に大接戦が伝えられていたものの、ふたを開けてみれば鍵を握る激戦7州全てを制する圧勝だった。 主な勝因に「経済への期待」を挙げる分析が目...
衆院選の中で記憶に残る最も古いものは、1986年7月にあった参院との同日選だ。中曽根康弘首相(当時)率いる自民が300の議席を獲得して圧勝した。 小学5年生だった私は、当選者や支援者の万歳する姿が不思議で仕方なかった。...
故ジャニー喜多川氏による性加害問題。NHKは先月、旧ジャニーズ事務所からマネジメントなどを引き継いだ「STARTO ENTERTAINMENT(スタートエンターテイメント)」所属タレントの新規起用の再開方針を発表した。...
スポーツの秋真っ盛り。プロ野球やJリーグが紙面を彩るが、楽しみなのがカーリングだ。国際大会「グランドスラム オブ カーリング」初戦のツアーチャレンジがカナダで現地時間の10月1~6日に開催され、北京五輪銀メダルのロコ・ソラーレがベスト4の...
人口減少に伴い少子化が進行する国東市。市教育委員会は今年6月、児童の減少と校舎の老朽化を理由に2025年度から国東町内の国東小と旭日小、小原小を統廃合する方針を正式に表明した。...
9月27日に自民党新総裁に選ばれ、1日に首相指名を受け新内閣を発足させた石破茂首相。今月中の解散総選挙も予定され、政界の動きは慌ただしい。総裁選期間中の9月19日、彼と直接話す機会があった。 石破陣営の主催で、石破氏と地方紙記者との懇...
「戦後最大の人権侵害」を巡る訴訟が大分地裁で終結した。旧優生保護法下での強制不妊手術は違憲だとして、70代の女性2人が訴えた国賠訴訟は20日、和解が成立した。...
暑い夏だった。それもそのはず、8月の平均気温は大分市で29・9度。大分地方気象台が観測を始めた1887年以来、最も高かった。日陰に入っても汗が止まらず、体中から水分が噴き出ているようだった。...
今年の夏の思い出といえば、やはりパリ五輪。フェンシングなど大分県関係の選手のメダル獲得もあり、盛り上がった。その一方で、私たちが担当する紙面制作の現場では大変なこともあった。 日本とパリの時差は7時間。...
江戸城(現皇居)に天守閣がないのには訳がある。 1657(明暦3)年、江戸の町を大火が襲う。6割を焼き尽くし、10万人以上の命を奪ったとされる(明暦の大火)。この大火で武家の象徴である天守閣が焼失した。当然再建論が浮上するが、頑として...
戦時中、なぜ新聞は「大本営発表」の誇大な戦果をそのまま報じ続けたのか―。この夏、疑問が少し解けたのだが、そのおかげで新たな不安を抱えることになってしまった。 きっかけは、79年前の大分大空襲を載せた当時の本紙を読んだことだった。...
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