最新設備を導入した加工スペース=佐伯市蒲江畑野浦のJFおおいた蒲江加工センター
【佐伯】佐伯市蒲江畑野浦で建設を進めていた県漁協の養殖ブリ加工施設が完成した。最新機器を導入し、多様化する市場ニーズに対応。同市米水津の既存施設と合わせ、処理能力が大幅にアップすることにより、養殖業者の安定的な生産・出荷につなげる。
県漁協によると、近年はフィレ(三枚おろし)の需要が伸びており、2011年から稼働する米水津の施設での処理能力が限界に達していたという。
完成した「JFおおいた蒲江加工センター」は鉄骨2階建てで、総面積約2300平方メートル。国、県、市の補助金を活用し、総事業費は約24億円。
フィレの加工だけでなく、皮を取り除いたり、さらに細かく切り分けたりできる機械を導入した。その他の設備も自動化を進め、買い手の要望に対応する。
輸出を視野に、海外のさまざまな衛生基準を満たす施設機能を整備。県漁協が海外と直接取引できる体制も整えた。
本格稼働は10月以降を予定している。来年以降、養殖ブリを主体に年間50万匹分の加工品を出荷する計画。売り上げは8億8千万円を見込む。2拠点で加工ができるようになり、年間処理能力は100万匹に拡大する。
8月下旬、同所で竣工(しゅんこう)式があり、漁業関係者ら約80人が完成を祝った。中根隆文組合長(65)は「気持ちを新たに業務にまい進する。飼料の高騰などで苦しむ漁業者のため、少しでも利益を上げていきたい」と抱負を述べた。